【アメリカ】アンテロープ・キャニオン

気軽に観光できるのが魅力の「アッパー・アンテロープ・キャニオン」。

「ロウワー・アンテロープ・キャニオン」。比較的訪れやすいアッパーとは違い、ロウワーは険しい道のりが多いが、その分絶景ポイントも多い。
アメリカ南西部、アリゾナ州ページ近郊に位置するアンテロープ・キャニオンは、先住民族ナバホ族の居留地にある峡谷です。
アンテロープ・キャニオンはふたつの岩層から成っていて、ひとつめの「アッパー・アンテロープ・キャニオン」で、内部は高低差がなく、比較的訪れやすいことから観光客に人気が高いです。
ふたつめは、散策は難しいけれど見ごたえのある「ロウワー・アンテロープ・キャニオン」。足場が悪く狭い場所も多いですが、それゆえ場所によってさまざまな景色を楽しむことができるため、カメラマンやアウトドア好きな人などに人気が高いそう。
変化し続ける景観

晴れた日は空のブルーが差し色に。

まるで現代アートのような造形も。

時間とともに変化する美しい色彩も見逃せない。

水の流れをそのままかたどったような、アンテロープ・キャニオンの波打つ岩壁と、美しい光のグラデーション。

頭上からスポットライトのように日光が差し込む神秘的な光景。 晴天の日に太陽が空の頂点に来る時間帯に訪れると、見ることができる。

奇跡のような絶景が、至る所に。

削られた砂が、まるで砂時計のようにサラサラと落ちていく。
アンテロープ・キャニオンはもともと、ロッキー山脈が隆起した際にできたコロラド台地の一部でしたが、鉄砲水などによって柔らかい砂岩が浸食されたことで、現在の流れるような岩の景観が形成されました。
周辺一帯は砂漠気候のため、ほぼ1年中乾燥しているのですが、モンスーン(季節風)の時期に降るスコールは瞬時に鉄砲水となり、より狭い通路へと加速しながら岩を削っていきます。
そのため、アンテロープ・キャニオンの景観は今も変化し続けているのです。
ナバホ族の居留地にあるということ

ガイドの説明を受けるツアー参加者(Lissandra Melo / Shutterstock.com)。
かつてナバホ族は、この狭い峡谷で「アンテロープ」というウシ科の動物や家畜の放牧を行っていたそう。アンテロープ・キャニオンという名前は、このことに由来して付けられたものです。
このほか、寒さから身を守ってくれる地形を利用して、冬季のシェルターとしても利用していたといい、ナバホ族にとっては非常に大事な土地だったことがうかがえます。
そんなアンテロープ・キャニオンに入ることができるのは、許可を受けたツアー会社のみ。鉄砲水などの予期せぬ危険を避けるためにも、訪れた際は、必ずガイド付きツアーに参加しましょう! キャニオン内の地形を知り尽くしたガイドは、良い撮影ポイントなども教えてくれますよ◎
DATA
◉ベストシーズン:4月~9月(午前11時半~正午頃)
◉アクセス:ラスベガスから車で4時間半~5時間。近郊のページや現地でガイド付きツアーに参加。