身体のさまざまな不調 ―― 身体のうずきや痛み、肩や首のコリ、頭痛、消化不良、腹痛、ウィルス、活力の低下、体重増加、ストレスなど ―― の原因となる、「酸化」と「炎症」。
こうした不調におさらばしたいなら、身体の中のpHバランスを整える必要があります。ちなみに、pHとは「水素イオン指数」ともいい、このpHが7より小さいと「酸性」、7より大きいと「アルカリ性」となります。
ただ、カフェインやアルコール、加工食品、糖、精製された小麦粉、低温殺菌の乳製品、動物性タンパク質など、現代人が口にする食品は酸性度の高いものであふれているのが現状。
必ずしもすべての酸性食品が不健康だというわけではありませんが、酸性の食品ばかりを口にしていると、知らず知らずのうちに身体の中で酸化による炎症が起こってしまう可能性があるのです。
そこで今回は、こうした酸化や炎症を防ぐ効果のある、抗炎症作用にすぐれたアルカリ性の食品をご紹介!
理想的なpHのために必要な食事バランスは、アルカリ性の食品8に対して、酸性の食品2です。両方の食品をふだんの食事にうまく取り入れて、炎症を軽減し、健康をサポートする環境を作りましょう◎
1. 緑の葉物野菜
緑の葉物野菜は、アルカリ性ミネラルや植物性栄養素、抗酸化物質、抗炎症性オメガ3脂肪酸など、さまざまな栄養素を含む優秀選手。
特に、ケールやホウレンソウ、レタスのほか、欧米ではチャード(フダンソウ)や、パクチョイ(ボクチョイ)などの葉物野菜がすすめられています。毎日の食事にできるだけ多く取り入れたいものですが、大変な場合はスムージーなどにして飲めば、一度にたくさんの量が食べられますよ◎
2. ターメリック(ウコン)
日本では、特に「アルコールの友」として親しまれているターメリック(ウコン)。インドを中心とした熱帯アジアが原産とされるショウガ科の多年草で、古くから、抗酸化・抗炎症用に食べられてきた食品です。
その抗炎症作用の原因となるのが「クルクミン」という成分で、カゼや脳卒中、アルツハイマー、肝臓の損傷、ガン、そしてもちろん炎症の緩和など、さまざまな効果で知られています。
3. フィッシュ・オイル(魚油)
日本ではまだあまりなじみがありませんが、イワシやサンマなどの魚から採取されるフィッシュ・オイル(魚油)もまた、抗炎症作用にすぐれたオメガ3脂肪酸を豊富に含むことで知られる食品。特に、「Fermented Cod Liver Oil(ファーメンテッド・コッド・リバー・オイル)」と呼ばれる発酵させたタラの肝油には、オメガ3脂肪酸に加えてビタミンDやAを取ることが可能。
ただし、フィッシュ・オイルは独特の臭味があるため、料理に取り入れるというよりはサプリメントなどの形で摂取するといいでしょう◎
4. ベリー類
一般的なベリー類は、ほかのフルーツに比べて糖分が低く、炎症を軽減する抗酸化物質を大量に含む食品。
特に抗酸化作用にすぐれているのは、ブルーベリーなどのダークカラーのベリー。これらのベリーには、リンゴやタマネギにも含まれるフラボノイドの一種で、強い抗酸化作用のあるケルセチンが多く含まれています。
5. クルミ
クルミはすぐれたタンパク質源であるだけでなく、抗炎症性のオメガ3脂肪酸や抗酸化物質、ビタミンEも豊富に含んでいる食品。
クルミを定期的に食べることで、脳の健康と機能をサポートしてくれるほか、身体全体の炎症を軽減するのに役立ちます。
6. ボーンブロス
「ボーンブロス(bone broth)」とは、「骨のだし汁」という意味で、文字どおり鶏や豚、牛の骨と香味野菜を煮込んだスープのこと。ニューヨークでは、数年前から骨や野菜から栄養素がたっぷりと溶け出した栄養満点のボーンブロス・スープが流行していて、健康効果や美容効果、ダイエット効果が期待できるスープとして話題になっています。
カルシウム、マグネシウム、コラーゲン、アミノ酸、ヒアルロン酸などが豊富に含まれていて、抗炎症作用のほかに美肌効果や関節や筋肉の強化、整腸作用、免疫力アップなどの効果にもすぐれているうえ、コストパフォーマンスもバッチリ! そのため、アメリカでは「万能の美容液」とも呼ばれているんだとか。
7. ココナッツオイル
数年前に日本中に大ブームを巻き起こしたココナッツオイル。体内脂肪として貯蔵されずエネルギーにすぐ変換される「中鎖脂肪酸(MCFA)」を豊富に含む、非常に抗炎症作用にすぐれた食品です。
また、カプリル酸、ラウリン酸、カプリン酸などによる抗菌・抗真菌特性があり、炎症を軽減し、高血圧を低下させ、免疫系を増強するのを助けるなど、さまざまな効果の持ち主でもあります。