【ポーランド】マルボルク城
マルボルク城は、ポーランド北部の都市マルボルクを流れるヴィスワ川下流に築かれた、赤れんが造りの巨大なお城。ヨーロッパ最大のゴシック建築として名高く、およそ230年もの歳月をかけて建設されたマルボルク城は、1997年に「マルボルクのドイツ騎士団の城」として、世界遺産に登録されました。

レンガのオレンジ色が映える。

マルボルク城と、城の前を流れるヴィスワ川の支流ノガト川。

夜にはライトアップされる。
ドイツ騎士団の本拠地
このマルボルク城を建設したのは、中世ヨーロッパの三大騎士修道会のひとつであるドイツ騎士団。
ドイツ騎士団とは、12世紀に聖地巡礼をする信徒を守るために組織されたカトリックの騎士修道会で、13世紀前半にポーランド王コンラット1世に招かれると、バルト海沿岸の守備をしつつ領土を広げ、マルボルクを首都とする騎士団国家を誕生させました。
その拠点として建てられたのがマルボルク城で、長い歳月をかけて難攻不落の城塞へと変貌を遂げることとなったのです。

巨大なマルボルク城。修道院や団長室があった高城の塔から城を見下ろす。

城内へと続く跳ね橋と見張り塔。

石畳の広大な中庭には、井戸も置かれている(Lukasz Janyst / Shutterstock.com)。
戦災からよみがえった美しい姿
その後、第二次世界大戦末期には大規模に破壊されますが、ポーランド市民の手によって修復され、当時の美しい姿を取り戻しました。
大聖堂は未修復のままですが、赤茶色の城壁や細かい装飾、アーチを描く回廊はシンプルながらも素朴な美しさがあり、ドイツ騎士団のかつての栄光を垣間見ることができます。

騎士団長の館にある大食堂。壁面には14世紀のフレスコ画が残っている(fotorince / Shutterstock.com)。

陽光がたっぷりと入る回廊。

騎士団のお城らしい装飾がところどころに配されている。

廊下に配された手洗い場。茶色い色彩が中心の城内で、ブルータイルが目を引く(Shevchenko Andrey / Shutterstock.com)。

未だに修復されてない部分も。
DATA
◉アクセス:グダニスク中央駅からマルボルクまで列車で約1時間、駅から徒歩約15分。