そもそも「セノーテ」とは?
まずはじめに、「セノーテ(Cenote)」とは、メキシコ・ユカタン半島の石灰岩地帯に点在する陥没穴に、地下水が溜まってできた天然の泉のことで、ユカタン半島には数千ものセノーテがあるといわれています。
また、セノーテの下には、かつて地上にあった頃に数百万年もかけて雨に浸食されてできた大規模な水中鍾乳洞が広がっていて、これが世界的にも非常に珍しい地形であることから、研究者やダイバーにとっても貴重な場所となっています。
これらのセノーテは、ユカタン半島の北部低地には川や湖がないことから、古くから重要な水源として利用されてきました。
そういった背景もあってか、チチェン・イッツァやバランカンチェー洞窟のセノーテのように、供物をささげる場や聖地として機能していたセノーテもあります。
というわけで本題
さて、このセノーテ。近年は地下に開いた天然のプールとして、多くの観光客が訪れています。
ひとり30~200ペソ(およそ180~1200円)の入場料が必要で、脱衣所やロッカーなどが整備されているところも。
最大の魅力は、透明度の高さと深く美しい青い水。さらに、潜るとどこまでも続く神秘的な鍾乳洞が広がっていて、マヤ人が聖地としてあがめたのもうなずける神々しさをたたえています。
というわけで今回は、数多くあるセノーテのなかでも、特に絶景で知られるものを、よりすぐってご紹介します!
1. セノーテ・イキル(Cenote Ik Kil)

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チチェン・イッツァ遺跡から約3kmという近さにあるセノーテ・イキル。
天井部分に丸く開いた穴から木の根が無数に垂れ下がり、晴れた日に陽光が差し込む光景は、まるでキリスト教の大聖堂のような神聖さがあり、「聖なるブルーセノーテ」とも呼ばれています。
遊泳や飛び込みも可能なので、 チチェン・イッツァに行った際は、ぜひ足を伸ばしてみては?
2. セノーテ・ドスオホス(Cenote Dos Ojos)
スペイン語で「ふたつの目」という意味のセノーテ・ドスオホス。
名前の通り、このセノーテには入り口がふたつあって、小さい左の入り口はダイビングの入水に、大きい右の入り口は遊泳に適しています。
ターコイズブルーに輝く透明度の高い水と、広大な洞窟が最大の魅力で、その広さはダイバーが水中500mの世界を探索することができるほどです。
アクセスは、カリブ海に面したトゥルム遺跡から車で約30分。こちらも遺跡観光とあわせて楽しみたいですね!
3. グラン・セノーテ(Gran Cenote)
トゥルム遺跡から車で約10分の距離にあるグラン・セノーテ。
「偉大なるセノーテ」を意味する名前の通り、数あるセノーテのなかでも抜群の透明度と美しさを誇る、最も有名なセノーテです。
その透明度は、なんと100m先まで見えるほど! サファイアブルーの水に日光が降り注ぐと、まるで光のカーテンが水中に現れたかのような神秘的な光景が現れます。これは、一生に一度は見ておきたい絶景。
特に朝日が差し込む時間帯が美しく、観光客が増えてくると砂ぼこりで水が濁ってしまうため、朝いちの訪問がオススメ。
4.セノーテ・タージマハ(Cenote Tajma-Ha)
カンクンから車で約1時間半の場所にある、セノーテ・タージマハ。
グラン・セノーテやドス・オホスに比べると知名度は低いですが、そのぶんダイバーや観光客が少ないため、透明度も高く、ゆっくりと潜れるのが魅力の穴場セノーテです。ただし、初心者には少し難易度が高めなので、注意も必要!
入り口から出口まで、ずっと鍾乳洞の中を進み続けていくため、冒険心をくすぐられること間違いなしなセノーテです◎
5.セノーテ・アズール(Cenote Azul)

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カンクンの南65㎞ほどに位置する小さな港町で、近年欧米人の間で人気が高まっているリゾート地、プラヤ・デル・カルメン。セノーテ・アズールは、そこから車で約20分ほどの距離にあります。
「青いセノーテ」という意味の名前の通り、美しい青色の水が最大の魅力ですが、家族連れでも楽しめる浅瀬もあってアクセスも簡単なので、地元の人を中心に、老若男女でにぎわっているセノーテです。
日本でも有名な、天然のドクターフィッシュのほか、水中ではたくさんの魚が泳ぐ姿を見ることができます◎