世界には、国や地域、民族、宗教などに由来する、たくさんのお守りがあります。
多くは幸運のお守りで、金運や恋愛などに特化したお守りも見られます。
その中でも、今回は「魔除け」としての働きが大きいアイテムやノウハウを、ピックアップ。
目に見えない悪を退ける、さまざまな魔除けたちをご紹介します◎
それではさっそく、”魔除けのメッカ” ともいえる、「アフリカ」から見てまいりましょう!
1. ホルスの目(ウジャト)【エジプト】

ホルスの目をかたどったアクセサリー。
「ホルス」とは、古代エジプトの神。
「太陽神」とも呼ばれ、ハヤブサの姿をしています。
ホルスは父神オシリスの敵を倒した戦いで左目を失いますが、その左目は見識を広めた後、知恵の神トートに癒され、ホルスの元に戻ったといいます。
この万物を見通すというホルスの目は「ウジャト(ウアジェト)」と呼ばれ、魔除けとして世界的に有名。
エジプトのお土産屋さんには、ウジャトのアクセサリーがたくさん売られています。
2. エジプシャンブルー【エジプト】

青いアイラインでフチ取られた、ツタンカーメン。
クレオパトラやツタンカーメン、古代エジプトの王たちの”目元”に注目してみてください。
くっきりとアイラインにフチどられています。
これは、「目に魔が入らないように」という魔除けのお化粧なのです。
そのアイラインに使われたのが、「エジプシャンブルー」と呼ばれる顔料で、人類最古の合成顔料と言われています。
このエジプシャンブルーを作るための本来の材料は、ラピスラズリやトルコ石ですが、両方ともとても稀少。
そこで、古代エジプト人は手に入れやすい孔雀石や石英などを混ぜ合わせ、美しいエジプシャンブルーを生み出したのです。
3. アフリカン・ビーズ【アフリカ諸国】

アフリカン・ビーズのアクセサリーを身に着けた、ケニア・サンブル族の女性(Anna Om / Shutterstock.com)。
アフリカには、たくさんのビーズがあります。
そのルーツは、かつての奴隷貿易で、トレード品としてアフリカにもたらされたもの。
これらのビーズが国や民族によって独自の発展をし、アフリカン・ビーズとなって今に至ります。つまり、アフリカン・ビーズのルーツは、ベネツィアやチェコなど、ヨーロッパの国々にもあるのです。
アフリカにおいて、美しいビーズはアクセサリーとして体を飾るだけでなく、見えないものから身を護るための装飾具としても重宝されてきました。
カラフルなアフリカン・ビーズに、魔も後ずさると考えられたようです。
4. 木彫りのマスク【西アフリカ~中央アフリカ】

仮面をかぶって儀式を行うマリ・ドゴン族(Michele Alfieri / Shutterstock.com)。
「アフリカのお土産」といえば、木彫りのお面(マスク)。
これらのマスクは、西アフリカから中央アフリカの民族に見られる文化で、猛獣や天災、病気などの魔から身を護るためだったり、繁栄を願うパワーを込めるためだったりと、魔除けやおまじないの要素があるもの。
ツノが印象的なコートジボアール・バウレ族の「プレプレマスク」、独特の宇宙観を持つマリ・ドゴン族のマスク、動物をイメージしたマスクが多いブルキナファソ・ブワ族のマスクなど、そのデザインもさまざまです。
こんなユニークなマスクが家にひとつあれば、悪霊退散間違いなしでしょう◎
5. サメの歯の化石【モロッコなど】

サメの化石を使ったペンダント。
サメは海の暴れん坊ですが、じつはその歯は古来より魔除けのお守りとされてきました。
漁師や船乗り、サーファーなど、海に関わる仕事をする人たちには、サメの歯を海難避けのお守りとして身に着けている人も多いんだとか。
そのため、チョーカーやネックレスのペンダント・トップになっているサメの歯を見たことがある人もいるのではないでしょうか?
ところで、モロッコは化石の一大産地で、サメの歯の化石も多数産出しています。古代のサメの歯なんていったら、さらに魔除け効果が高まりそうですね◎