【世界のハーブ vol.8】エルダーのメイン画像

【世界のハーブ vol.8】エルダー

さまざまな薬効を持つ「万能の薬箱」

エルダーの名前は、アングロ・サクソン語「エルド(炎)」に由来し、火を起こすためにその枝が利用されていたことにちなんだもの。

また、枝や幹を煎じて水あめ状になったものを、骨折治療のための湿布剤に用いたことから、別名を「接骨木(せっこつぼく)」ともいいます。

【世界のハーブ vol.8】エルダー01

エルダーの花。

果実・花・樹皮・葉・根など、すべての部分にすぐれた薬効を持つエルダー

その歴史は古く、紀元前5世紀「医学の祖」ヒポクラテスが使用したという記述が残されているなど、ヨーロッパでは「万能の薬箱」と呼ばれ、民間薬として親しまれてきました。

エルダーにまつわる伝説や迷信も多く、病気や悪霊を寄せ付けない厄よけやお守りとして、エルダーの枝や幹などを扉や窓に吊るしたほか、花を布袋に入れて身に付けていたといいます。

エルダーの薬効としては、よく知られている風邪やインフルエンザの症状をしずめるだけでなく、シミやそばかすの軽減花粉症による目の充血・鼻水の改善など、多岐にわたります。

また、防虫効果も認められており、かつてイギリスでは虫よけのためにトイレのそばに植えられていたなど、まさに「万能」の名にふさわしいハーブといえます。

「エルダーベリー」はビタミンたっぷり

【世界のハーブ vol.8】エルダー02

エルダーベリー。

夏になると、濃い青紫色の実を付けるエルダー。

果実はエルダーベリーと呼ばれ、ヨーロッパでは古くからワインシロップジャムなどの食用に利用されているほか、染料としても用いられてきました。

【世界のハーブ vol.8】エルダー03

エルダーベリーのジャム。

また、エルダーベリーはビタミンAビタミンBビタミンCなど、栄養素も豊富で、風邪やインフルエンザの予防アンチエイジングにも効果があるとされています。

ただし、エルダーの種子には毒があるので、生食は避けるようにしましょう!

このエルダーベリー以外に、エルダーは花も食用が可能衣を付けて揚げるほか、砂糖をまぶしてデザートとして食べることもできます。

【世界のハーブ vol.8】エルダー04

エルダーの花のフライ。

化粧水としても◎

効能

▪ストレス、不安
▪シミ、そばかす
▪風邪の諸症状
▪花粉症、鼻炎 など

化粧水として

肌を引き締める効果や、シミやそばかすの改善も期待できるエルダー。

ハーブティーが残ったら、そのまま化粧水としても利用することができます。

入浴に

エルダーの花ペパーミントを綿の布袋に入れて湯船の中でもみほぐすハーブバスは、のどが痛む時におすすめ。

【世界のハーブ vol.8】エルダー05

エルダーのバスグッズ。

エルダーの育て方

【世界のハーブ vol.8】エルダー06

エルダーの木。

育てやすさ : ★★★☆☆
種まき : 3~4月、9月
花期 : 5~6月
収穫 : 4~11月

▪乾燥に弱いので、水やりに注意する

▪夏は株が蒸れて弱らないよう、鉢植えは風通しの良い半日陰に置く

▪生育が旺盛なので、スペースに注意する

ABOUT THE HERB

和名 :セイヨウニワトコ
学名 :Sambucus nigra
分類 : スイカズラ科/落葉低木
原産地 : ヨーロッパ、南西アジア、北アフリカ
草丈 : 2~10m
使用部分 :花、果実、枝、幹
用途 : 料理、お茶、美容健康、クラフト、染料など
効能 : 発汗、利尿、抗ウイルス、去たん、便秘改善など

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