【フランス】オラドゥール=シュル=グラヌ
オラドゥール=シュル=グラヌは、フランス中部、リムーザン地方の小さな村。
村ごと焼かれて廃墟となったこのオラドゥール=シュル=グラヌは、戦争の傷跡を今に伝える場所として、あえてそのまま保存されています。
第2次世界大戦中の1944年6月6日、連合軍により、当時ドイツの占領下にあった北西ヨーロッパに侵攻する「ノルマンディー上陸作戦」が実行されました。
その4日後、ドイツ占領下にあったオラドゥール=シュル=グラヌで、ナチス親衛隊による大規模な虐殺が行われたのです。
村人はほぼ全員が殺され、建物は焼き払われました。
ひとつの村が、たった1日でゴーストタウンと化してしまったのです。
当時、フランスの亡命政府を率いていたシャルル・ド・ゴールは、ナチスの残忍さを後世に伝えるためにあえて村を再建せず、そのままにしておくことを決意。
そのため、オラドゥール=シュル=グラヌは今も廃墟同然のまま保存されており、戦争の悲惨さを訪れる人に伝え続けているのです。

当時の車がそのまま残されている。

自転車も当時のまま。

かつての駐車場だったのか、焼き払われた多くの車が残る光景は、衝撃的。

焼け焦げたミシンが露わになった廃墟。

オラドゥール=シュル=グラヌのメインストリート。両側に建つ建物には、焼け焦げた跡が今もはっきりと残っている。

500人ほどの女性と子どもが逃げ込んだ後、火が放たれたという教会(Pierre-Olivier / Shutterstock.com)。

壁にはフランス語と英語で「忘れるな」と書かれている(moravel / Shutterstock.com)。

現在は世界中から多くの観光客が訪れている(kipgodi / Shutterstock.com)。

オラドゥール=シュル=グラヌのメモリアルセンター(hans engbers / Shutterstock.com)。
DATA
◉アクセス:リモージュから車で約30分。