【ニュージーランド】どこまでも続く牧畜風景

北島のほぼ中央に位置する、ワイカト地方の牧草地とヒツジの親子。

見渡す限りに広がる放牧地。のどかな時間が流れている。
オーストラリアの南東に位置するニュージーランドは、北島と南島を中心に、多くの小さな島々から成る人口約427万人の島国。
そんなニュージーランドでは、自然豊かな国土と地形を生かして、古くから酪農や畜産がさかんに行われてきました。
なかでもヒツジは3千万頭以上が飼育されているといわれ、「人間よりヒツジが多い国」として知られています。
「人間よりヒツジが多い国」になった理由

南島・バンクス半島の放牧風景。周辺の海域は保護区に指定されており、セッパリイルカやニュージーランドオットセイ、シャチなどの海洋生物を観察できる。

雪をかぶった雄大な山々を背景に、緑豊かな牧草地が広がる。

どこまでも続く緑の丘。

まるで野生動物のように自由に暮らすウシたち。
ニュージーランドでこれほど放牧が盛んになった最大の理由は、その温暖な気候にあります。
年間を通じて牧草が成長するため、冬でも動物を舎飼いする必要がないのです。
このため、ヒツジやウシなどはすべて放牧によって飼育されており、動物たちは柵がどこにあるのか分からないような広大な牧草地のなかを野生動物のように自由に移動しながら、好きなだけ草をはむことができます。
毛刈りの時期は大騒ぎ

毛刈りのために移動するヒツジの大群。牧羊犬と車を使って、ヒツジたちを集めていく。

かなり毛が伸びてきたヒツジ。

伝統的な毛刈りを再現して見せてくれる毛刈りショー(Seh Kin Wai / Shutterstock.com)。
ただし、毛刈りの時期は、広大な牧草地に散らばった動物たちを集めるだけでもひと苦労。
なかには何年も逃げ続け、ついには自分の毛の重さで動けなくなってしまったヒツジもいるのだとか。
観光用の牧場では、ヒツジの毛刈りショーなども開催されているなど、ヒツジたちもニュージーランドの観光産業の一役を担う重要な存在になっています。
牧場トレッキングを楽しもう!

南島中部の都市クライストチャーチのトレッキングコース。大海原を背にして広がる、雄大な放牧風景を眺めることができる。
国内にトレッキングコースが充実しているニュージーランドでは、牧場内を通るトレイルもあります。
ダイナミックな大自然を背景にしてのんびりと草をはむヒツジたちの姿は、ニュージーランドでしか見られない光景です◎
DATA
◉ベストシーズン:12月~3月
◉アクセス:
【北島】オークランド国際空港から市内までエアバスで約45分。
【南島】クライストチャーチ国際空港から市内までバスなどで約30分。