【インド】マイソール宮殿
インド南西部、デカン高原南部のカルナータカ州に位置する都市、マイソール。カウベリ川とその支流のカバニ川に挟まれた丘陵地で、かつてはマイソール王国およびマイソール藩王国の首都として繁栄しました。
そんなマイソールの中心に建つのが、国内最大級の規模を誇るマイソール宮殿です。
14世紀末~20世紀中頃にかけて、マイソール王国を治めてきたワディヤール一族。マイソール宮殿はこの一族の住居として使われていました。

マイソール宮殿の巨大なファサード。黄色の壁面とピンク色の屋根が印象的。

夕暮れのマイソール宮殿。観光都市マイソールを代表する観光名所として名をはせている。

日曜日と祭日の夜にのみ行われるライトアップは、マイソール宮殿最大の目玉。

ライトアップには数万個もの電球が使用されている(suronin / Shutterstock.com)。

宮殿の周囲には、花々が咲き乱れる美しい庭園が広がる。
ヨーロッパ建築とヒンドゥー・イスラム建築が融合した「インド・サラセン様式」
初代のマイソール宮殿は14世紀に建てられましたが、破壊と再建が繰り返され、現在の宮殿は19世紀にイギリスの著名な建築家ヘンリー・アーウィンの設計により、建て直されたものです。
イギリスのゴシック様式とインドの伝統的なムガル様式が融合した、「インド・サラセン様式」と呼ばれる建築様式が用いられており、華々しくゴージャスな印象を与えています。
また、ヨーロッパ建築とヒンドゥー・イスラムの建築様式が組み合わさった宮殿内部は、ホールのカラフルなステンドグラスや柱をびっしりと埋め尽くす彫刻、巨大で豪華なステンドグラスなどが見事に融合した独特の内装が、見ごたえ抜群。
広大なマイソール宮殿の敷地内には、現在博物館も設置されており、かつての藩王たちの歴史や所有物が展示されています。

なんとも豪華で華やかなホール。細かな彫刻とカラフルな彩色が施された柱と天井は圧巻(Sun_Shine / Shutterstock.com)。

細かい部分まで美しい装飾が施された廊下。宮殿内に展示されている、当時の家具や絵画も必見の美しさ(Sun_Shine / Shutterstock.com)。

マハラジャ達の結婚式や誕生日など、祝事に使用されていた八角形状の巨大な空間。天井の美しいステンドグラスと、豪華なシャンデリアが見ごたえ抜群(Sun_Shine / Shutterstock.com)。

宮殿内には緑やピンク、青などのパステルカラーが多用され、女性心をくすぐる可愛さがちりばめられている。

宮殿入り口近くにあるヒンドゥー教の寺院。「ゴプラム」と呼ばれる南インドの寺院特有の塔門が見事(milosk50 / Shutterstock.com)。

インド三大祭りのひとつ「ダシャヘラー祭り」には、マイソール宮殿前でパレードが行なわれる(Santhosh Varghese / Shutterstock.com)。
DATA
◉アクセス:バンガロール駅からマイソール駅まで列車で約2時間、駅から車で5~10分、または徒歩約30分。