【ブルガリア】旧ブルガリア共産党本部
ブルガリア中部、かつてオスマン帝国とブルガリア反乱軍の戦いの場となったバルカン山脈の、標高1441mに位置するバズルジャ山。
ここには、かつてブルガリアに存在していたブルガリア共産党本部の巨大な遺物が残されています。
旧ソ連時代には共産党代表や首脳会談に使用されていましたが、今では過去の歴史を象徴する記念碑的な存在となっており、「バズルジャの記念碑」とも呼ばれています。
当時、事実上の一党独裁制を敷いていたブルガリア共産党により、会合の場として建設が始まったブルガリア共産党本部は、1981年に完成しました。
しかしその後、ソ連の崩壊とともにブルガリア共産党が解散すると、この建物はあっけなく放棄され、しだいに荒廃していくこととなったのです。

周囲には見渡す限り何もない、丘の頂上にポツンと取り残されている(Gabriel Petrescu / Shutterstock.com)。

ブルガリア共産党本部の全体像。右側が本体で、その横に立つ高層タワーからは、素晴らしい絶景が眺められたという。

落書きされたかつての正面入り口。現在は封鎖されているため、訪れる人は別の部分に開いた小さな狭い通気口のような場所から入ることになる(RENATOK / Shutterstock.com)。

ブルガリア共産党本部の中央に位置する、巨大なホール。壁のタイル画はところどころ剥がされているものの、当時の美しさをしのばせている。

ホールの朽ちた天井から光が差し込むと、とても幻想的な雰囲気に包まれる。

ホールの天井部分には、ブルガリア共産党のシンボルマークである、赤、緑、金 ハンマーと鎌が描かれている(RENATOK / Shutterstock.com)。

ホールを囲むようにして巡らされた廊下は、今では吹きさらしの状態(RENATOK / Shutterstock.com)。

冬のブルガリア共産党本部。足場の部分が雪に埋まった姿は、まるで地球に降り立ったUFOそのもの。

バズルジャのふもとに残された巨大な石像が、かつてのブルガリア共産党の威光を思い起こさせる。

ブルガリア共産党本部の前で旗を振る共産党支持者(2017年)と、数多くの観光客。現在、この建物はブルガリア共産党のシンボルとなっており、記念碑的建造物として保存が期待されているが、修復・維持するための予算が確保できないことから、2012年に国からブルガリア社会党に所有が移された(Christian Wilkinson / Shutterstock.com)。
DATA
◉アクセス:ソフィアから車で約3時間半。