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【国際線CAものがたり #2】「座席のリクライニング」はどのくらい倒す? 海外と日本のギャップとは。

日本の大学を卒業後、アメリカの短大でホスピタリティを学び、現在はアジアの航空会社キャビンアテンダント(CA)としてお仕事中の筆者が、日々のフライトで経験した、CAならではのウラ話をお届けしていきます◎

今回は、皆さんひそかに気にしている、「座席のリクライニング」についてのお話です。

リクライニングを倒すのと倒さないの、どっちが非常識?

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突然ですが、皆さんは飛行機に乗るとき、座席のリクライニングはどのくらい倒しますか

国内系の航空会社だと、「後ろのお客様にご配慮をお願い致します。」といった内容のアナウンスが入ったりします。しかし、私が働いている航空会社では、「お食事のサービスのとき以外は、思いっきりリクライニングを倒してお休みになって下さい」というスタンスです。

ここでひんぱんに問題になるのが、日本人のお客様と外国人のお客様とのギャップです。

外国人のお客様が背もたれを倒していらっしゃると、後ろに座っている日本人のお客様が、そのリクライニングを元に戻してほしいと乗務員に相談してくることがよくあるんです。

ひどい場合には、日本人のお客様がリクライニングを戻せと後ろから座席を蹴ったり、リクライニングができないように後ろから足でブロックしたりといったこともありました。

日本人ならではの主張と、CAの悩み

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このときの日本人のお客様は、ご自身が背もたれを倒していらっしゃらないので、前の人にも倒してほしくないという主張です。

そこで、私が働く航空会社のスタンスを説明させていただき、お客様自身もリクライニングを使って平等なスペースでお休み頂けるという旨を説明したのですが、「後ろの方に申し訳ないから私は倒しません!」の一点張り。

別の日本人のお客様の場合、こちらが説明したことの主旨は理解していただけましたが、「それでもやはり倒す角度の限度はありますよね?」とおっしゃる方もいらっしゃいました。

これは、乗務員にとっても本当に難しい問題です。

ほかに空いている席がある場合は別の席に移っていただけますが、満席のときにはどうしようもありません。

できることは、前のお客様に少しだけでもリクライニングを戻していただけるようお願いするのみ。断わられた場合には、もう後ろのお客様になんとか理解していただくほかないのです。

CAが教える「スムーズなリクライニングの倒し方」とは?

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First Class Photography / Shutterstock.com

自分が乗客として飛行機に乗る場合、個人的には、深夜便だと特に、できる限りリクライニングを倒して休みたいと思ってしまいます。でも同時に、後ろのお客様にご迷惑がかかるのも気になります

そこで、自分が乗客として乗るときは、座席を一気に倒すのではなく、少しずつゆっくり倒したり、倒す前にひと言お声掛けさせて頂いたりという方法を取っています。

また、後ろのお客様がすでにお休みになっている場合はそのまま倒させていただいたりと、その時々によって対応のしかたを変えています。

とはいえ結局のところははっきりとした決まりがないので、あとはもう個人対個人とのやり取りで決まってしまうのが現状です。

また、日本人の場合は特に、国民性として後ろのお客様を思いやる気持ちや、遠慮してしまう気持ちが強いので、ほかのお客様にも自分と同じことを期待してしまうのかもしれません。

悩んだときには気軽にCAに相談を

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RUBEN M RAMOS / Shutterstock.com

この飛行機のリクライニング問題、短距離のフライトならまだ我慢できますが、長距離のフライトになるにつれて、大きな問題になりますよね?

私が働く航空会社では、外国人のお客様が座席を倒して、後ろの日本人のお客様からクレームがくるパターンが多いですが、もちろん逆の立場になることもあると思います。

いずれにしろ、もし不便を感じた場合には、気軽に乗務員に相談してみてください。航空会社の方針にもよるとは思いますが、できる限りの対応はしてもらえると思いますよ◎

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