「ワインよりもビールが好き」という、めずらしいイタリア人の僕がオススメしたい、世界のビールを紹介していくこのシリーズ。
今回は、「ビールの国」といえば誰もが思い浮かぶ、ドイツのビールをご紹介しましょう◎
ちなみに今回も、ご紹介させていただくビールのなかには、アルコール度数が10%以上のビールのもあるので、飲む際はじゅうぶんご注意くださいね。
ドイツビールの特徴と歴史

シンプルな製法にこだわったドイツビール。
ドイツは、ひとり当たりのビール消費量がヨーロッパで3番目に多い国。
前回ご紹介したベルギーと同じように、ドイツ人にとっては、ビールが国の文化のひとつになっていて、ドイツのレストランやパブでは、ビールが水よりも安いほどです!
ちなみに、海外のほとんどのレストランでは、日本のように水が無料でもらえるというサービスはありません。だいたい水は別注文になっていて、お金もかかります。
ありがとうニッポン!

ドイツらしい重厚なデザインが多い(Marc Venema / Shutterstock.com)。
では、話をビールに戻しましょう。
ドイツのビールがベルギーと違うのは、「ビール純粋令」という法律が制定されていること。
この法律は、バイエルン公ヴィルヘルム4世が1516年4月23日に制定し、ビールを造るための材料を指定したものです。
この「ビール純粋令」は現在もなお残っていて、食品に関連する法律としては世界最古とされています。
「ビール純粋令」によると、「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とすること」 となっています。
そのため、ドイツではベルギーのように自由な造り方はできず、ビールのバリエーションが少ないという点が、ある意味特徴となっています。
ですが見方を変えれば、500年間もずっと同じ材料でビールを造り続けているんですから、製法も味もレベルアップしないはずがありませんよね?

ドイツの伝統的なビールジョッキは、おみやげとしても人気。
1. Pilsner – ピルスナー
↑ 「Rothaus Pils Tannen Zapfle(ロートハウス・ピルス・タンネン・ツェプフレ) 5.1%」。

「Beck’s(ベックス) 5.0%」(monticello / Shutterstock.com)。
ドイツで一番人気のあるビールは、ドイツ発祥ではありませんが、現在の世界のビールの大半を占める「ピルスナー」です。
このビールは、チェコのボヘミア西部に位置するプルゼニという町で1842年に誕生したため、その町名にちなんで、ピルスナーという名前で呼ばれるようになりました。
ドライな味の軽いビールなので、飲んだらスッキリします。日本のビールに例えると、居酒屋の生ビール的な感じです。
おすすめのピルスナーは、「Rothaus Pils Tannen Zapfle(ロートハウス・ピルス・タンネン・ツェプフレ) 5.1%」。
もしも日本で見つけるのが難しければ、世界でいちばん飲まれているドイツビール「Beck’s(ベックス) 5.0%」も美味しいです◎
2. Weisse – ヴァイセ

「Weihenstephaner(ヴァイエンシュテファン) 5.4%」(Razvan Iosif / Shutterstock.com)。
↑ 「Berliner Kindl Weisse(ベルリーナー・キンドル・ヴァイセ) 3.0%」。
飲みやすいビールで、小麦を多めに使って造られている「ヴァイセ」。
南ドイツのバイエルン州産の特別な小麦を使った種類がいちばん有名ですが、ベルリンスタイルのヴァイセもあります。
ベルリンスタイルのヴァイセは、アルコール度数が3%ほどと低く、酸味のある味が特徴。
一方、オリジナルのバイエルンスタイルのヴァイセだと、アルコール度数は5%以上で、フルーティな味が特徴です。
どちらかというと、個人的にはバイエルンスタイルの方がおすすめで、特におすすめのビールは、「Weihenstephaner(ヴァイエンシュテファン) 5.4%」。
ベルリンスタイルだと、「Berliner Kindl Weisse(ベルリーナー・キンドル・ヴァイセ) 3.0%」。
酸味のある味が好きじゃないという方は、ビールにフルーツシロップを加えると飲みやすくなりますよ◎