フレデリクスボー城の歴史
デンマークのシェラン島北部にある都市、ヒレレズ。そのパラス湖上に浮かぶようにして建つのが、フレデリクスボー城です。

パラス湖に浮かぶ3つの小島にまたがって建てられている。フレデリクスボー城。
フレデリクスボー城の歴史は、もともとあった貴族の館を16世紀中頃に当時のデンマーク=ノルウェー王であるフレデリク2世が買い取り、改築したことに端を発します。
現在の宮殿は、17世紀初頭に王位を継承したクリスチャン4世が、18年という歳月をかけてオランダ人建築家のハンス・ファン・シュテーヴィンケルとロレンツ・ファン・シュテーヴィンケルに改装させ、1620年にルネサンス様式の宮殿として生まれ変わったものです。

宮殿の隣には美しく整備されたバロック様式の庭園が広がっている。

フレデリクスボー城の正面。赤レンガの城壁とエメラルドグリーンの屋根が美しい(Kiev.Victor / Shutterstock.com)。

フレデリクスボー城の中央に配された、巨大な「ネプチューンの噴水」。
クリスチャン4世が亡くなると、フレデリクスボー城は主に公式行事の場として使用されるようになりました。
また、国王一家が収集した芸術品のコレクションの保管庫としても使用されており、国家的記念館としても重要視されていたといいます。
その後、1859年に起こった火災により、宮殿中心部の内装の大部分が焼失してしまったフレデリクスボー城。
しかし、国王や自治体、著名な慈善家でカールスバーグ財団の社長だったJ.C.ヤコブセンによる多額の献金を得て、無事に再建されました。
フレデリクスボー城の見どころ
フレデリクスボー城は現在、国立歴史博物館として一般に公開されています。
城内には、 デンマークの画家カール・ハインリッヒ・ブロッホによる膨大な名画コレクションをはじめ、肖像画と歴史画の重要なコレクションが収蔵されているほか、豪華絢爛かつロマンチックな内装も、当時の王室の繁栄を今に伝えています。

絵画やタペストリー、彫刻などで飾られた部屋。その鮮やかな色使いにうっとりする(Andrey Shcherbukhin / Shutterstock.com)。

ブルーと金色を基調にした部屋(Kiev.Victor / Shutterstock.com)。

天井の装飾も見ごたえ満点(Kiev.Victor / Shutterstock.com)!

巨大なシャンデリアがいくつも並ぶ「大ホール」(StockphotoVideo / Shutterstock.com)。
また、フレデリクスボー城内にあり、国立歴史博物館の一部でもある「勲位のチャペル」と呼ばれる教会も見どころのひとつ。
現在は地元の教会としても用いられており、壁にズラリと掲げられたデンマーク王室勲章の紋章の数々は、圧巻の迫力です。

豪華絢爛な「勲位のチャペル」の内部。デンマーク王室勲章の紋章が教会上部の壁に並ぶ(Stig Alenas / Shutterstock.com)。
DATA
◉アクセス:コペンハーゲン中央駅からヒレレズ駅まで列車で約40分、駅からバスで約8分、バス停から徒歩約3分。