だいたい10代を迎えた頃から、50歳くらいまで。女性が40年近く人生を共にする、「生理」。
ひと月に1週間として、1年だとおよそ80日間にもなります。

毎月憂うつな人も多い生理。
そして、生理期間中になくてはならないアイテムが、ナプキンやタンポンといった生理用品です。
なんたって生理の間は入浴時を除いて1日中、朝から晩までず~~っと身につけているものですから、メーカーやプライス、肌ざわり、素材、羽のあるなし、長さや幅、デザインなどなど、人それぞれこだわりもあろうかと思います。
そこで気になってくるのが、“海外の女性たちはいったいどんな生理用品を使っているのか?” ということ。
今回は、EU圏の女性が使っている生理用品についてリサーチ!
日本の生理用品との違いや、使い心地、見た目、そしてどんな場所で売られているのかなど、文化や男女間の認識の違いなども含めてレポートしていきます◎
まずは日本の生理用品の特徴から

いろんな種類がある生理用品。
デザインが乙女チック
日本の生理用品といえば、見た目はだいたい白やピンク、水色などの淡い色合いがメインに使われていて、ハートやリボン、フリルなどのいわゆる「可愛い」モチーフがデザインされていることが多いです。
パッケージはもちろん、ナプキンの包み紙やナプキンの溝に至るまで、こうした可愛いモチーフが細部にデザインされています。
しかしながら、こういったフリフリなパッケージは遠目からも目立ってしまって、購入する際に恥ずかしい思いをすることもあります。
過剰包装が恥ずかしい
さらにドラッグストアなどで購入すると、中身が透けて見えないように紙袋や色付きのビニール袋に入れてくれるのですが、これもまた「私、今生理です!!」と無言でアピールしているようなもので、隠したつもりがよけいに目立ってしまっているような気がしてなりません。
また、レジの担当が若い男性だった場合、お互いになんとなく気まずい空気になってしまうことも……。
性能や使い心地は抜群!
とはいえ、そこはやっぱり日本の製品。
かゆいところに手が届く、細かい部分まで考えられた使い心地は、「素晴らしい」のひとことです◎
EU圏はほぼ同じラインナップ
さて、いよいよ本題です! 現在28カ国が加盟しているEU。
かつてはそれぞれの国で特徴があったでしょうが、EUになって以降は販売される製品もほぼ統一され(東欧諸国はまた文化的に違うので、別かもしれませんが)、だいたいどこの国でも同じラインナップという印象です。
また、人気がある商品もほぼ同じと考えていいでしょう。
生理用品とは思えない、カラフルなパッケージデザイン

ベルギーのスーパーマーケットの生理用品コーナー。
まず、日本で生理用品を買おうと思ったらドラッグストアに行くのが一般的。EU圏でもドラッグストアはあるのですが、スーパーマーケットの方が安いため、一般的にはスーパーで買うのだそう。
ということで、EU圏でスーパーの生理用品コーナーに行ってみると、これまたものすごくカラフルなパッケージデザインに驚かされます。
日本のような淡い色使いや可愛いデザインモチーフなどはほぼ使われておらず、シルバーや黄、赤、青など、ビビッドなカラーリングで、パッと見ただけでは生理用品だと気づかないほどです。
”女性らしさ”とか”可愛さ”じゃなく、機能性や製品の特徴をアピールしている印象で、個人的にはこちらの方が断然好み。
いかにも「生理用品を持ってます!」というデザインじゃないため、購入する際や商品を選んでいる際も恥ずかしくありません。
男性でも生理用品を堂々と買うEU
筆者が訪れたEU圏の先進諸国においては、女性はもちろん、男性も生理を普通のこととしてとらえ、日本のようにタブー視していないため、生理用品がレジの横にあったり、それを見てガムを買い足す感覚で買い物かごにポイっと入れたり、彼氏に気軽に生理用品のおつかいを頼んだりと、日常のなかに生理が溶け込んでいるのも、どこかうらやましく感じました。
そして現地の女性たちに、日本の生理用品の特徴や、買い物袋も特別なものが用意されているといったことを伝えると、
「可愛いデザインはすごく日本っぽい!」とか、「当たり前のことなのになぜそんなに生理のことを気にするの?」といった反応が返ってきて、文化や価値観の違いで盛り上がりました。
そして、国は違えど生理は同じ。女性にしか分かり合えない “生理あるある” についても、いろんな会話が楽しめました◎
いちばん人気の商品をチェック!

今回使用したEUの生理用品。左からタンポン「TAMPAX(タンパックス)」、ナプキン「LINES(リネス)」、パンティライナー「Nuvenia(ヌーヴェニア)」。
ナプキン
そんなEU圏の女性たちに最も支持されているナプキンは、「LINES(リネス)」というブランド。
こちらはパルプ素材を使った一般的なナプキンとはひと味異なり、薄いスポンジパフを使った最先端のナプキン。日本でいうところの「ウィスパー コスモ吸収」のような商品です。
ほかの商品よりも若干お高めなのもあって、日本ではあまり浸透していませんが、その驚くべき薄さやフィット感がEU圏の女性たちに支持され、特にピタッとしたパンツスタイルが多い、若い世代に人気なようです。

紫色でシンプルな模様のデザインが海外らしい。
実際に使ってみたところ、日本でふだん使っているものと比べて特に違和感はなく、むしろ薄さや吸収力の高さは◎
ただしビニールで包まれているため、”公共トイレで開ける際の音が気になる”という意見もありました。
もちろん、ふわっとした一般的なナプキンも色々あって、昼用や夜用、経血量の差によるサイズ展開、羽根のありなし、香り付きなど、日本と同様にさまざまな種類があり、それぞれ好みに応じて使っているようです。
また、パッケージに関しては、日本のように個包装になって持ち運びに適したものと、個包装になっておらず、箱の中に裸の状態でナプキンが重ねられて入った自宅用に適したものの2種類があります。

イラストで分かりやすく使い方が描かれている。

経血量の多さによって、サイズも3タイプ。
タンポン

タンポンもビビッドな黄色。タンポンが入ったケースが若干心もとない。
ナプキン以外に、タンポンも同じようにあります。
ちなみにタンポンとナプキンの使用頻度について現地の女性たちに聞いてみたところ、「海に行く際はタンポン」や「日中はナプキンで夜はタンポンも併用」など、こちらも日本と同じような感覚で使い分けていました。
実際に使ってみたところ、タンポンに関しては”挿入する際に手が汚れてしまう”という人もいて、タンポンを押し込むケースのしくみが少々雑な作りの印象。

「TAMPAX」のケースに描かれたイラストもシンプル。
タンポン自体は日本のものとほぼ変わらない使用感ですが、手が汚れるのは嫌ですね……。
使ったのは「TAMPAX(タンパックス)」というブランドで、タンポンでは最もスタンダードな商品。そのため、タンポンに関しては日本に軍配が上がりそうです◎
パンティライナー

持ち運べるサイズの小さいパンティライナーと、プラスチックケース。表面には女性らしいイラストが色つきでプリントされている。
最後に、日常に使うパンティライナーについて。
下着の種類が豊富なEU圏では、パンティライナーの種類も同様に豊富。
日本と同じような一般的な長さ・デザインのものから、びっくりするほど小さいもの、下着の形に合わせて折り曲げられるもの、アロエエキスが配合されたもの、100%オーガニックコットンのBIO製品などもあります。
そこで今回は、日本では見たことのない、プラスチックケースにそのまま重なって入っていて、ケースごと持ち歩けるコンパクトなタイプをチョイスしてみました。
使ってみたところ、やはり小さすぎて的確な場所に貼るのが難しい!
そして使用後にはがす際は、テープ部分だけがはがれず下着にくっついてしまうという事態に……。
持ち歩いて緊急用として使う感覚かもしれないため、一般的なパンティライナーとの比較には向かないかもしれませんが、今回使用したものに関しては、日本のパンティライナーの方が良かったです!
まとめ
さて、今回はEU圏の生理用品についてレポートしてみましたが、いかがだったでしょう?
商品自体の違いはもちろん、生理そのものに対する各国や地域の価値観も関係してくるのが、とても興味深いですね◎