食べ物の好みの違いというものは、国際結婚に限ったことではありませんが、それぞれ違う食文化で育った夫婦が、毎日の食事を共にするのは決して簡単なことではないようです。
「やっぱり日本食がいちばん美味しい!」と私たち日本人が思うように、誰でも子どもの頃から食べ慣れた食文化に愛着を感じてしまうものです。でも、相手の食文化を否定したり、「マズイ」などと言ってと批判したりするのはナンセンス。
海外では、お肉や魚を食べないベジタリアンや、乳製品を含む動物性の食品をいっさい口にしないヴィーガンの方も少なくありませんし、宗教上のルールで食べられない食品があるという方もいます。国際結婚をじょうずに乗り切るには、そういった食文化の違いをリスペクトすることも大切です。
今回はイギリス人と国際結婚し、夫の国で暮らす筆者が実感する、「国際結婚あるある!」の食事問題についてお話ししたいと思います◎
日本と違う食事時間
日本人の夕食時間は、だいたい午後6時〜7時半くらいが一般的だと思いますが、じつは国や地域によって、その時間帯もさまざま。
イギリス人の夫は、比較的日本人に近い感覚の時間帯で夕食をとりますが、イングランド北部では夕食のことを「ティー」と呼び、午後4時〜5時といった早い時間に食べる人も多いようです。
また、イタリアやスペイン、ポルトガルといった南欧のヨーロッパ人は夕食時間が遅く、午後8時〜9時、またはそれ以降に食事をとるという人も。
食事の時間が一定しないと調子が狂ってしまいそうですが、国際結婚の場合は夫婦間で夕食時間の妥協点を考えておいたほうが良いかもしれませんね。
ボリュームの多い食事に四苦八苦!?
海外旅行へ行くとお気づきになるかもしれませんが、特に欧米系の国は、基本的に食事の量が多く、コッテリとした味付けのものが多いです。そういったものを食べ慣れていない日本人は、胃もたれや膨満感を起こしてしまうことも多く、「食事の時間が憂うつになってしまう」という人も少なくありません。
私自身も夫が作る食事にしばらく慣れず、完食でなかったことがよくあります。さいわい、夫は和食好きで、私の作った料理にケチをつけることはほとんどありませんが、「量が少ない」と感じることがあるようで、やはりお互いに小さな不満はあります。
味覚の違いは文化の違い
あるイギリス人が、「味噌汁は食器洗浄器の残り水の味がする」と言っていたのを聞いたことがあります。ずいぶんと失礼な話ですが、実際に、魚のダシ汁をベースにした料理を苦手とするイギリスの方は多いようです。海外の人にとっては、クセのある味と感じる人もいるのかもしれませんね。
また同じように、イギリスに行って、毎日のように出されるジャガイモ料理に辟易してしまったという経験のある日本人も多いでしょう。これは、「どちらがマズイか」という不毛の論争を始めるよりも、文化の違いとして受け入れるほかないようです。
そうはいっても、「食」は体の健康を左右する大切な要素でもありますので、健康管理のためにも夫婦でよく話し合い、お互いが食べたいと思っているメニューをバランスよく取り入れることが大切なのかもしれません◎