世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。特に、生活に密着している野菜や果物、お花などの植物には、幸運を意味する伝説や歴史・風習を持つラッキーチャームが多く見られます。
そんなラッキープラントのなかから、今回は“クローバー”をご紹介します。
幸運を暗示する「クローバー」

ピンクの花を咲かせる「アカツメクサ」。
クローバーはマメ科の植物で、一般的には「シロツメクサ」のこと。原産はヨーロッパですが、北半球でよく見られる植物です。日本にも、そこらじゅうに生えています◎
そんな身近な存在であるクローバーは、「三つ葉」なのが通常。そして、そのなかにたまにまぎれている「四つ葉」が見つかると、珍しさゆえに特別な意味が見いだされたようです。
また、「3」という神秘的な数字を内包していることからも、古代から幸運を暗示するものとされたのでしょう◎
クローバーのラッキー その1「三つ葉のクローバー(シャムロック)」

アイルランドといえば、シャムロック。
アイルランドでは、「三つ葉のクローバー」がラッキーチャーム。「シャムロック(Shamrock)」と呼ばれ、アイルランドのシンボルとして大変親しまれています。
もともと、3つの葉は「ケルトの三母神」を表していましたが、のちにキリスト教と融合して、キリスト教の「三位一体(神・イエス・聖霊)」の象徴へと変化しました。
そんなシャムロックをアイルランドに定着させたのが、聖パトリック。布教のためにアイルランドに来た彼が、三つ葉のクローバーとキリスト教の三位一体の関係を説いたのがはじまりだと言われています。
今ではアイルランドの国花にもなっているシャムロック。アイルランド人は、どこにいてもシャムロックを持ち、加護を祈っているのです。
クローバーのラッキー その2「四つ葉のクローバー」

ついつい探してしまう、四つ葉のクローバー。
ラッキーチャームとしてトップクラスに有名なのが、この「四つ葉のクローバー」。4枚の葉それぞれが持つ意味は、国や地域によって違います。
前述したキリスト教の「三位一体」に、もう1枚葉が加わって「聖なる十字架」になるという説や、「東西南北を表す世界のシンボル」であるとする説。
また、「希望・愛・信仰・幸運」、「希望・愛・誠実・幸福」と、ちょっとずつ違うバージョンが存在します。
アメリカでは「名声・富・愛・健康」で、この4つがそろうと「真実の愛」になるんだとか。
とっても珍しい四つ葉のクローバーを見つけたら、押し花にしてお守りに……。というのが日本の伝統だったのですが、今では四つ葉のクローバーの栽培キットもたくさん売られています。
クローバーのラッキー その3「∞つ葉のクローバー」

五つ葉のクローバー。
四つ葉があるなら、五つ葉も、六つ葉も……あるんです! ギネスブックには、「最高56枚のクローバー」というのが記録されているほど。
そして、そのクローバーが見つかった場所というのが、なんと日本の岩手県!! 多葉種をかけ合わせることで生まれたクローバーなんだそうです。
また、今年2018年、1時間で166本の四つ葉のクローバーを見つけたという記録が樹立! アメリカに住む10才の少女が、自宅の庭で達成したそう。いやはやなんとも、この少女の将来が楽しみですね◎
街中が緑色に染まる、クローバーの祭典「セントパトリックス・デー」!

「セントパトリック・デー」でにぎわう、アイルランドの首都ダブリンの様子(Aitormmfoto / Shutterstock.com)。
3月17日は、「セントパトリックスデー(St Patrick’s Day、聖パトリックの祝日)」。アイルランドにキリスト教を布教した、聖パトリックの命日と言われる日です。
アイルランドや北アイルランド、聖パトリックが生まれたイギリスでは、毎年パレードやイベントで大盛り上がりに。特にアイルランドの首都ダブリンでは、5日間にわたってお祭りが催されます!
そして、「シャムロック」はセントパトリックス・デーのシンボル。街にはシャムロックデザインのグッズがあふれ、いろんなものが緑色に染まります◎
そして、アイルランド移民が多いアメリカやオーストラリア、カナダでもセントパトリックス・デーは大盛況の日ですし、アイルランドと交流の深い日本でも、表参道や横浜など、各地でイベントが開催されます。
お祭りに参加できなくても、「アイリッシュ・パブでスタウトビールを飲む」というのでもOKのようですよ◎

アメリカ・コネチカット州のグリニッジで行われた、「セントパトリック・デー」のパレード(barbsimages / Shutterstock.com)。

ニューヨークでは、エンパイア・ステート・ビルもセントパトリック・デーの緑色にライトアップされる(Eduard Moldoveanu / Shutterstock.com)。

アメリカ・シカゴでは、シカゴ川をフルオレセインで緑色に染め上げる風景が見られる。

ビールも緑色になっちゃう!