世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。縁起が良かったり、ご利益があったり、魔よけになったり、その効用はさまざまです。
そんな数あるラッキーチャームのなかから、このシリーズでは形や自然現象などのモチーフをピックアップ!
今回は特別編。シーズンまっただ中、「ハロウィン」のシンボルを紹介しましょう◎
10月31日は、「ハロウィン」!
仮装した子どもたちが、近所のお家のドアをトントン。「トリック・オア・トリート!(お菓子をくれないとイタズラするぞ! )」と言って歩き回る、カワイらしい光景が見られるハロウィン。最近は、大人も本気でハロウィンに参戦のもようです。
仮装は、基本的に「オバケ」。特に、カボチャのランタン「ジャック・オー・ランタン」を手に持ち、コウモリの羽を背中に付けて、クモの巣柄のタトゥーを入れる……といった仮装がよく見られます。
これらのモチーフ、それぞれにはいったいどんな意味があるのか、ひも解いてみましょう◎
ハロウィンのチャーム その1「ジャック・オー・ランタン」
ハロウィンといえば、目・鼻・口の形を切り抜いたオレンジ色のカボチャ「ジャック・オー・ランタン」が欠かせません。アメリカのカボチャ生産の9割はハロウィン用、なんて話もあります。
ハロウィンは、もともとは「死者がこの世に戻ってくる日」という、ケルトの重要な行事が発祥。ケルトの伝説では、「ジャック」という悪い男が、死後、この世とあの世の間でさまよっているときに、近くに転がっていた「カブ」をくり抜き、ランタンにしたのが始まりと言われています。
そしてハロウィンがアメリカに渡ったのち、オリジナルの「カブ」が「カボチャ」に代わり、「ジャック・オー・ランタン」になったということです。
ハロウィンのチャーム その2「オレンジ&黒のカラーリング」
ハロウィンカラーと言えば、「オレンジ」に「黒」。それは、「カボチャがオレンジで、お化けが黒いイメージだから……」という理由だけではありません。
ケルトでは、「オレンジ」は「秋の実り」の色。10月31日はケルトの暦のうえでは秋の終わりを意味し、収穫祭の日でもあったのです。
そして、「黒」はイメージ通り、「死」を意味します。死者とコンタクトを取っていたという魔女をイメージする色でもありました。
ハロウィンのチャーム その3「オバケ」
ケルトの風習では、死者は恐ろしい存在でした。死者は悪魔だったり、幽霊だったり、さまざまな姿をしているといいます。
その怖~い死者が戻ってくるというのですから、「生きた人間はお化けに似た恰好をして、彼らに見つからないようにしなくちゃ!!」というのが、オバケの仮装の由来。
ケルトでは、死者を怒らせないように、もてなしたりもしたそうですので、それが現在のハロウィン・パーティーに通じているのかもしれませんね◎
ハロウィンのチャーム その4「魔女と黒猫」
「死なない」という迷信もあった魔女は、人々の恐怖の対象でもありました。特にハロウィンのときは、魔女の魔力が最大になるという言い伝えもあり、当時は死者と同様の扱いをされたようです。
そして、かわいすぎる黒猫モチーフは、女の子たちの仮装やハロウィン・アクセサリーでも大人気。でも、もとをただせば、怖~い魔女のお使いの役回り。音もなく歩き、暗闇に紛れる黒猫も、当時は恐怖の対象だったのです。
ハロウィンのチャーム その5「クモ&クモの巣」
その姿から、昔から悪魔の使いとされるなど、さんざんな扱いを受けてきたクモ。また、そんなクモが暮らすクモの巣は、空き家にたくさんかかりがち。
ということで、「お化け屋敷といえばクモの巣でいっぱい」というイメージが定着したようです。
じっさいのところ、クモは害虫を食べてくれる益虫なんですけどね!
ハロウィンのチャーム その6「コウモリ」
コウモリも、黒猫と同様に魔女とセットに扱われるどうぶつのひとつ。「魔女はコウモリに変身して夜に飛び回る」、または「魔女がコウモリを偵察に使う」、といった迷信があります。
コウモリが夜行性であるために、何も見えないはずの夜に飛ぶ様子が、魔術を使う魔女や悪魔の姿と重なっていたのでしょう。
そして悪魔の黒い羽に吸血鬼のイメージがさらに加わり、ハロウィンのメインの仮装のひとつになったのです。