カレーの香りを漂わせる、不思議なハーブ

カレープラント。黄色い小さな花と、銀白色の細い葉が特徴。
地中海沿岸を原産とし、乾燥した丘や岩場、崖などに自生するカレープラント。その名前が示す通り、葉と茎にカレー粉のようなスパイシーな芳香を持っているのが最大の特徴ですが、じっさいにカレー粉やカレールーの原料として用いることはない、というユニークなハーブです。
苦味と香りが強いため食用には向きませんが、スープやピクルスなどの香り付けとして利用されています。
また、カレープラントの黄色い花は、ドライフラワーにしても長期間色あせすることがないため、「エバーラスティング(永遠)」や「イモーテル(不死)」という名前で呼ばれることも。
ちなみに、よく似た名前を持ち同じような香りを放つ「カレーノキ(Murraya koenigii、標準和名オオバゲッキツ)」 は、まったくの別種です。
そして、銀白色の美しい葉は、寄せ植えや花壇のふち取りなどに使うとよく映えることから、イギリスでは古くから庭園の彩りとして利用されてきました。

地中海西部、イタリア半島の西に位置するフランス領のコルシカ島に自生するカレープラント。銀灰色の産毛に覆われた茎は低木といえるほど頑丈な木質で、高さ60センチ以上にまで成長することがある。

銀白色の葉は、花壇の縁取りに最適。

「イモーテル」と呼ばれるカレープラントのエッセンシャルオイル(精油)は、甘くややウッディーな香りが特徴。
ドライフラワーに最適!
カレープラントの葉や花の色は乾燥させても色あせないため、ドライフラワーやポプリ、リースの彩りとして利用するのがおすすめ。
また、見た目だけでなく、トイレや靴箱など臭いの気になる場所に置いておくと、消臭効果も期待できるため、一石二鳥です◎

カレープラントのドライフラワーのブーケ。鮮やかな黄色い花は、インテリアとしてもよく映える。

カレープラントのドライフラワーで作ったリース。色あせることがないため、お墓への供花としても使われる。
カレープラントの育て方

カレープラント畑。
育てやすさ : ★★★☆☆
植え付け : 4~5月、9~10月
花期 : 6~5月
収穫 : 4月~9月
▪日当たりの良い場所で乾燥気味に育てる
▪密生しないよう、こまめに枝をすく
ABOUT THE HERB
和名 :カレープラント
学名 :Helichrysum italicum
分類 :キク科/多年草
原産地 : 地中海沿岸
草丈 : 30~60cm
使用部分 :葉、花、茎
用途 : 料理、クラフトなど
効能 : 抗菌、疲労回復、精神安定、抗炎症など