皮膚トラブルに優れた効果を発揮するハーブ

カレンデュラの花。中心に黒いスポットがあるものなど、花容は多彩。
「食用にできるマリーゴールド」という意味で、「ポットマリーゴールド」の別名を持つカレンデュラ。その名の通り、ヨーロッパでは古くから「エディブル・フラワー(食用の花)」として利用されてきました。
日本には17世紀中頃に伝わったとされ、仏壇やお墓に備える「供花」や「仏花」としての利用が主流でした。そのため食用のイメージはありませんでしたが、カレンデュラの葉はサラダに、花びらは米・魚料理の飾りのほか、 お菓子やチーズ、ジャムなどの着色料として利用することができます。
特に、カレンデュラの花びらには損傷を受けた皮膚や粘膜、毛細血管の修復を促す「カロテン」や、殺菌作用などがある「タンニン」、「カレンデュリン」といった成分が含まれているため、昔から吹き出物からやけどまで、皮膚の治療薬としても広く利用されてきました。
ちなみに中世ヨーロッパでは、”カレンデュラを眺めているだけで視力が強化される”と考えられていたという。
なお、カレンデュラという名前はカレンダーの語源となったラテン語の「カレンダエ(月の第一日の意)」に由来するが、はっきりとした理由は分かっていない。
カレンデュラはどう使う?
効能
▪肌荒れ
▪切り傷
▪やけど など
カレンデュラのハーブティーは化粧水や応急処置に

カレンデュラのハーブティー。
カレンデュラのハーブティーは、ニキビや肌荒れに化粧水としてそのまま利用することもできるほか、ガーゼやコットンに染み込ませて切り傷などの炎症部分に湿布すると、簡単な応急処置にもなります◎
万能カレンデュラオイルの手作りレシピ

オイルに漬け込んだカレンデュラの花びら。
1. 乾燥させたカレンデュラの花(5グラム)と植物油(100ミリリットル)を、ガラス容器に入れてフタをし、約2週間漬け込んだら、花をこす。
2. そのオイルに、さらに乾燥させたカレンデュラの花(10グラム)を追加で加えて2週間漬け込み、再度花をこすと、「カレンデュラオイル」の完成。
この「カレンデュラオイル」は、マッサージオイルやハンドクリーム、リップクリームの基材として利用できるなど、万能選手として活用できます◎

ハンドクリームやリップバームなど、さまざまなものに利用できるカレンデュラオイル。

カレンデュラオイルで作ったリップバーム。

カレンデュラのハンドメイド石けん。

カレンデュラオイルとカレンデュラの花を塩に混ぜた、ハンドメイドのバスソルト。
入浴に

カレンデュラの花を詰めた布袋。
布袋に乾燥させたカレンデュラの花を入れ、袋の口をしばってから湯船の中でもみほぐすと、 手荒れやかかとのひび割れなどを修復する効果があります。
ただし、妊娠中は使用を避けること!
リースやポプリの彩りに

乾燥させたカレンデュラの花。香りのするアロマオイルなどを垂らして部屋に置くのも◎
カレンデュラの花にはあまり香りはありませんが、鮮やかなオレンジ色の花はドライフラワーにしても美しいため、ポプリやリースの彩りとして楽しめます。
カレンデュラの育て方

冬から初夏にかけて花を咲かせるカレンデュラ。
育てやすさ : ★★★★☆
植え付け : 3~4月、9~10月
花期 : 12~5月
収穫 : 12月~6月
▪枯れた花はこまめに摘むようにする
▪日当たりの良い場所で育てる
▪庭植えの場合は簡単な霜よけを用意する
▪ウドンコ病に注意する
ABOUT THE HERB
和名 :キンセンカ
学名 :Calendula officinalis
分類 :キク科/一年草
原産地 : 地中海沿岸
草丈 : 30~80cm
使用部分 :葉、花
用途 : 料理、お茶、美容健康、クラフト、染料など
効能 : 抗菌、抗炎症、抗ウイルス、消炎、皮膚・粘膜の修復など