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映画「ロッキーホラーショー」【テアトル・オネェ 第4回】

アタシが支配人を務める架空映画館「テアトル・オネェ」
新旧・内外・ジャンルも問わず、オススメの映画を取り上げてご紹介させていただきます◎

今回の上映作品は、ハロウィン・シーズンにもピッタリなカルトムービー、「ロッキー・ホラー・ショー」

「ロッキー・ホラー・ショー」のおすすめポイント

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■ 40年以上前の映画なのに、エッジの利いた内容

■ ホラー × SF × ミュージカル × コメディ × LGBT のごった煮ムービー

■ ハロウィン・コスプレにぴったりな、個性豊かなキャラクター

「ロッキーホラーショー」初体験

初めてこの作品を見たのは高校1年生の時。じつはアタシ、小さい頃から映画が好きだったから、高校に入ると映画研究部に所属しましたの。で、入部早々先輩が部室にて、“歓迎映画鑑賞会”というオススメの映画数本を観せる会を催してくれたんです(ポップコーンとジュースを共にしてレンタルビデオを流すというもの)。

そんなオススメ映画のなかの1本に、「ロッキー・ホラー・ショー」があったわけ。

ちなみにほかの作品は石井聰亙(いしいがくりゅう、元・石井岳龍)監督の「逆噴射家族」と、トビー・フーパー監督のスプラッターホラー「悪魔のいけにえ」、あとはご褒美的に先輩のひとりの父親が隠し持っていたという洋ピンの8ミリ短編映画という、今思えば高校性らしからぬ、狂ったラインナップのなかの1本だったわ。

◎奇妙奇天烈映画鑑賞会がはじまって……

「逆噴射家族」は映画館で観て、「悪魔のいけにえ」はテレビで深夜放送されたのを観てトラウマになっていたので知っていたけれど、「ロッキー・ホラー・ショー」は知らなかった。

でも先輩が映画を観る前に言った、“SFテイストのミュージカルだけど、めちゃめちゃ変な内容だから覚悟しといて”というような紹介に、なんだか猫の舌で心が舐められたようなザラつきを感じて、いい意味で胸騒ぎを起こしてた。

それで土曜の昼過ぎ、授業が終わると部室に集まり、今なら完全アウトな濃厚すぎる3本立てと、最後に洋ピン8ミリの連続上映が開催されたの。

◎ご褒美はやっぱり?

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城主フランケン・フルターの真っ赤なリップは有名!

今でこそ映画はネットやDVDで手軽に観れちゃうけれど、当時はレンタルビデオ屋のレンタル代も高かったし、ビデオデッキもまだ普及率が少なかったし、ましてや洋ピンを観るチャンスなんて、高校1年生にはまぁなかったのよ。だからほかの同級生は、とにかくご褒美のエロのために、先輩チョイスの映画3本を拷問のように観たと思うわ。

アタシはといえば「逆噴射家族」は好きだったから観直して改めて高揚し、「悪魔のいけにえ」でその怖さにトラウマの重ね塗りをしてた。でも「ロッキー・ホラー・ショー」は、前の2本が吹き飛んじゃったくらい、琴線触れまくりの衝撃のシャワーを浴びたみたいで、すっかり魅了されたわ。

だから最後のご褒美エロの時は、カタカタカタカタと8ミリ映写機がフィルムを送る音のなか、同級生たちは膨らむ股間を先輩たちに悟られないように隠しながら興奮して観てたけど、自分は映画の中で流れていた曲を忘れまいと、必死に頭の中でリフレインさせていたっけ……。とはいうものの、プールサイドで男性とHしてる女性があえぐと「Ahooooo!」という字幕が入っていたことは、今もしっかと覚えてるけど……。

上映会が終わっても、一度魅了されたものはしばらく引きずるもので、すぐにまた観たくなったものの、どうにもビデオを借りる勇気がなく、しばらく焼き付けた記憶の中で反すうする日々が続いた、そんなある日、先輩から「ロッキー・ホラー・ショー」が映画館で上映されるという情報が!

その上映日を首を長~くして待ち、学校が終わるとすぐに劇場に駆けつけたわ。そこは昔の映画を2本立てで上映する名画座で、アート系な人たちがいっぱいいるなかに座る自分も、なんだか大人になったような感じがしたっけ……。

で、2回目の「ロッキー・ホラー・ショー」は、大きなスクリーンのおかげもあって完璧だった! 1回目はビジュアルやディテール、音楽に圧倒されて理解できなかったストーリーもちゃんと追えたし……。

◎ストーリーはこんな感じ

ストーリーは、ブラッドとジャネットのカップルから始まるの。婚約が決まったので、その報告をしようと恩師スコット博士を訪ねる途中、嵐に遭遇し、道に迷ってしまう。しかも山中で車がパンク!

さまよううちにやっとたどり着いたのは、古びた古城。そこで電話を借りようとお願いすると、中では怪しげなパーティーが開かれており、誘われるままふたりは屋敷に招かれることに……。

パーティーは、城主であるフランケン・フルターが「人造人間ロッキー」をお披露目するという内容だったんだけど、そのロッキーをめぐってブラッドとジャネットが翻弄されてしまい、さらにはとんでもない展開に!! はてさて、ふたりの運命はいかに……!? ってもの。

◎お客さんにびっくり……

上映中、驚いたのは周りの何人かのお客さんが、映画のストーリーとシンクロして立ち上がって踊ったり、ワーキャー言ったりしてたこと。高校1年生のアタシは、”どういうこと?”と思いながらも、同時に”この映画には何かある!”と感じざるを得なかったわ……。

その後、いろんな映画の本を読むうちに、この映画が「カルトムービー」というジャンルのなかの珠玉の1本で、「イベントムービー」でもあるということがわかり、ますます興味を持って「マイ・フェイバリット・ムービー」になったの◎

◎当時としては画期的な要素も満載!

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カナダ・トロントで行われたゲイ・プライドのパレード。「ロッキー・ホラー・ショー」のキャラクターに扮した仮装は定番の人気(Shawn Goldberg / Shutterstock.com)。

「フランケンシュタイン」や「ドラキュラ」などのゴシックホラーをベースにSFとミュージカルが混ざり、さらにそこに隠微でセクシャルな要素(特に当時としてはまだまだタブーだった同性愛的趣味)が加えられるなんて、ゲイが潜在的に好きなモノがみごとに揃っていたのね。

そしてドラァグクイーンにも多大なる影響を与えた、バイセクシャルでトランスヴェスタイト(異性装者)の城主、フランケン・フルターのキャラクターは、今もアイコンとなってるほど。

彼を演じたティム・カリーは、オリジナル舞台でも同役を務めただけに、その圧倒的な存在感と手慣れ感は素晴らしく、公開されて45年近く経ったにもかかわらず、まったく古さを感じさせないのはすごいわね!

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ティム・カリー。声優としての出演作品も非常に多く、また歌手でもあり自分のバンドを率いてツアーを行ったりしている。

◎とにかくサントラも聴いてッ!

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「ロッキー・ホラー・ショー」のサウンドトラック。カバーのイラストもオシャレ!!

それと、この作品が今も愛されている理由は、曲が魅力的なこと! オープニング、黒味のなか、画面いっぱいに浮かぶ真っ赤な唇で歌われる「Science Fiction, Double Feature」から、「Time Warp」、「Sweet Transvestite」、「Toucha-Toucha-Touch Me」などなど、もしまだ観てない人がいたら、”どうかお願いだからサントラだけでも聴いてちょうだい!”ってゲキすすめしたいくらい名曲だらけ。

そろそろハロウィン・シーズンに突入してる時期だけど、この映画のコスプレは不動だと思うのね。まだ未見の人はぜひ観てからその世界に飛び込んでほしいわぁ。かくいうアタシは唇だけのコスプレがしたいんだけど……。

MOVIE DATA

「ロッキー・ホラー・ショー(The Rocky Horror Picture Show)」

■ 監督 …… ジム・シャーマン

■ 出演 …… ティム・カリー、スーザン・サランドン ほか

ロッキー・ホラー・ショー (字幕版)の画像

ロッキー・ホラー・ショー (字幕版)

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ロッキー・ホラー・ショー サウンドトラック

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