【世界の官能名画美術館 #12】ピカソの「ふたりの男女と猫」のメイン画像

【世界の官能名画美術館 #12】ピカソの「ふたりの男女と猫」

西洋の美の歴史は、つねに性愛とかかわるものでした。あまたの巨匠たちが性を想起させ、異性を誘惑する魅惑の肉体を備えたヌード画を描き、究極の美を追求してきたのです。

このシリーズでは、世界に名だたる西洋絵画の巨匠たちと、彼らが究極の美を追い求めて描いた名画をご紹介していきます◎

誰もが知る名画には、いったいどんなエロティシズムが隠されているのでしょうか?

第12回目は、”20世紀最大の天才”と称される、パブロ・ピカソ「ふたりの男女と猫」をはじめとする、さまざまな女性像についてひも解いてみましょう。

変わり続ける、ピカソのヌード画

【世界の官能名画美術館 #12】ピカソの「ふたりの男女と猫」01

「ふたりの男女と猫」、1900-45年、ドローイング、ピカソ美術館所蔵。

現代美術の開拓者であり、20世紀最大の芸術家と称されるパブロ・ピカソほど、生涯、自らの絵を変化させ続けた画家もいないでしょう。

日本の「春画」にヒントを得たともいわれる、「ふたりの男女と猫」の図像は、即興風のドローイングですが、ポルノじみた印象のある若書きでもあります。

一方、キュビスムに傾倒した時代の大作「アヴィニョンの娘たち」では、単純な線や図形を用いて描く過度に抽象化された技法で、まるでねじれたような女性たちの裸体を描いています。

【世界の官能名画美術館 #12】ピカソの「ふたりの男女と猫」02

「アヴィニョンの娘たち」、1907年、油彩・カンヴァス、243.3×233.7cm、ニューヨーク、ニューヨーク近代美術館所蔵。ピカソにとって大きな転換点となった大作。

通常、私たちが思い浮かべるようなヌード画とは一線を画した肉体表現です。

さらに後年になると、「海辺を走る2人の女」のように、あたかも古代芸術のような重量感のある大きな女性像を描くことを好むようになりました。

【世界の官能名画美術館 #12】ピカソの「ふたりの男女と猫」03

「海辺を走る2人の女」、1922年、板・グアッシュ32.5×41.1cm、パリ、 ピカソ美術館所蔵。重量感を感じさせながらもどこか、疾走感のある不思議な肉体を描いた作品。

晩年に向かうほど、絵をより単純な線で描くようになったピカソは、最晩年には単色を用いて絵筆1本で即興画のように闘牛や、スペイン文学の傑作『ドン・キホーテ』を題材にした作品を描いており、どこか、彼がその初期に描いた「ふたりの男女と猫」を思わせる作風となっています。

【世界の官能名画美術館 #12】ピカソの「ふたりの男女と猫」04

「化粧」、1906年、油彩・カンヴァス、148×98cm、バッファロー、 オルブライト=ノックス・アート・ギャラリー所蔵。「青の時代」(1901-04年)に続く「バラ色の時代」(1904-07年)に描かれたヌード画。生涯を通じて、ピカソはさまざまな画風に挑戦し続けた。

20世紀最大の天才、ピカソ(1881-1973年)

【世界の官能名画美術館 #12】ピカソの「ふたりの男女と猫」05

ピカソの肖像写真。

パブロ・ピカソは1881年、スペイン南部の港町マラガに生まれました。

少年期は、学校の成績こそ振るわなかったものの、絵画の腕に関しては、すでに天才の片鱗を見せる早熟さだったといい、10歳でラ・コルーニャの美術学校へ入学が許可され、14歳ですでに画家としてデビューしているほどです。

1900年、19歳のときに、いよいよフランス・パリへ出たピカソは、青い絵の具を多用した「青の時代」を迎えます。ちなみに、生涯画風を変え続けたピカソは、しばしば「○○の時代」と、絵の特徴から区分けされています。

パリのモンマルトルに住み着くまで、スペイン・バルセロナとパリを往復しながら、多くの美術家たちと交流を重ねたピカソ。その後、淡い色使いの「バラ色の時代」、抽象度の高い「キュビスムの時代」、古代芸術に回帰した「新古典主義の時代」を経て、世界大戦の経験を反映させながら大作「ゲルニカ」を描くこととなります。

晩年はよりシンプルな作風へと向かい、ベラスケスマネのパロディ作品を手がけてもいます。そして1973年、4月8日、91年という長い生涯に幕を閉じました。

出典:『世界の官能名画―光と闇に彩られた官能絵画の祭典』(メディアソフト)

『世界の官能名画―光と闇に彩られた官能絵画の祭典 』(メディアソフト)の画像

『世界の官能名画―光と闇に彩られた官能絵画の祭典 』(メディアソフト)

Buy for Amazon

キーワード

【世界の官能名画美術館 #12】ピカソの「ふたりの男女と猫」のページです。ドッカは、【Culture、アート、ラブ】の最新ニュースをいち早くお届けします。