国際結婚に限らず、結婚生活においては、配偶者の家族や親戚とのつきあい方をめぐって、さまざまな葛藤やトラブルに直面することは少なくありません。
こればかりは家庭によってまちまちですが、義理のご両親と良い関係を築いているという人もいれば、残念ながらそうではないという人もいるでしょう。
けっきょく世界のどこへ行っても、配偶者の家族や親戚との関わりを避けて通ることはできないのが現実。
とはいえ国際結婚の場合、国によっては文化の違いから家族との向き合い方が日本とは異なる場合もあり、また言葉や習慣の違う義理の家族と上手くやれるかどうか、不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?
今回は、イギリス人と国際結婚し、夫の国で暮らす筆者が実感する「国際結婚あるある!」のなかから、”義理の家族とのつきあい問題”についてお話ししたいと思います!
日本よりも親密な家族づきあい
筆者のイギリス人の夫は、少なくとも週に2回は両親や弟と電話やテレビ電話などで連絡を取り合っています。また、義母が他界するまで月に1度は、我が家から300キロ近く離れた実家に帰省(あるいは、両親が我が家に訪問)していました。もちろん、私もそれに同行するわけですが、初めの頃はかなり気疲れしてしまったことを覚えています。
イギリスをはじめとする欧米では、家族のつきあいが親密である場合が多く、家族同士で会う機会は日本よりも頻度が高い傾向にあります。
そのうえ、夫と妻は常にセットで行動するという「カップル文化」が根強いので、夫だけで実家に帰ったら、「〇〇(妻の名前)はどうしたの?」なんて、家族からいぶかしがられる事態にもなりかねません。
義理実家での「命綱」は夫だけ
結婚当初、筆者の英語レベルは日常会話では困らない程度ではあったものの、夫の出身地方の訛(なま)りに完全に対応できるものではありませんでした。聞きなれない訛りや言い回しに戸惑うことも多かったので、夫を頼りに彼の家族とコミュニケーションを取らなければならないことも……。
そのため、夫の実家にいる間は、私にとっての「命綱」は夫だけ。
夫がトイレに立ってその場を離れようものなら、思わずついて行きたい衝動に駆られましたし、夫が近くのお店にひとりで買い物に行くと言い出したときには、心細くて「私を置いていかないで〜!!」と心の中で懇願していたものです。(笑)
今となっては笑い話ですが、「夫を頼らないと何もできない」という状況は、我ながら情けないものでした……。
国際結婚だからこそよかった、気を使いすぎない関係
そんななか、「国際結婚だからこそよかったな」と思う点も、もちろんあります!
「家族づきあい」が濃かったり、「カップル文化」が根強い欧米社会ではありますが、一方で「個人主義」傾向も強いためか、息子夫婦に「これはこうするべき」といった両親の考え方を押し付けるようなことは、ほとんどありません。
また日本の場合、お嫁さんとしての気配りが評価の対象になったり、お嫁さんはお姑さんの手伝いをするのが当たり前だと考えたりする人も多いかもしれません。
もともと気の利かない性分の私にとっては、それが結婚後の大きな不安材料になっていましたが、義母は私に「お手伝いが必要なときだけ声をかけるから、とりあえず座ってて!」とよく言っていましたし、実際にも、私が夫の実家で何かお手伝いをするような機会は、ほとんどありません。
家族といえども、相手の考え方を尊重してくれるという点、また相手に過度な期待をしないという点では、国際結婚の方が気楽であることは確かです。
初めはうっとうしく思うものですが、できるだけ早めに、夫の家族とコミュニケーションを取る回数を増やしておくことをオススメします。そうすることでお互いに慣れていき、不安な気持ちも解消されるようになりますよ!