「ハンバーガー」、「コンピューター」、「テーブル」、「ワイン」、「バッグ」、「ケーキ」……。ふだん何気なく使っている言葉ですが、これらはすべて海外から入ってきた「外来語」。今や私たちの周りは、こうした外来語であふれています!
特に英語の外来語は多く、なかには「クレーム」、「スキンシップ」、「ホットケーキ」など、日本で独自の進化を遂げた「和製英語」もたくさん存在しています。
そして、こうした「外来語」とは逆に、海外で広まった日本語のことを「外行語」と呼ぶことをご存知でしょうか?
日本から海外に広まった外行語、じつはアメリカにも意外とたくさんあって、なかには日本語とは知らずに使われているような言葉もあるんです!
今回は、そんなアメリカで使われている意外な日本語たちをご紹介! まずは、本来の日本語の意味とは異なる意味を持ってしまった、「和製英語」ならぬ「米製日本語」(!?)からお伝えしていきます◎
1. Futon(布団)
日本で布団(ふとん)といえば、畳などの床に敷く、あのおなじみの布団を想像しますよね?
ところがアメリカで「futon」と言うと、背の低い「ソファベッド」を意味するんです。

アメリカのAmazon.comで売られている「Futon」。

背を倒すとベッドとして使える。
なぜ写真のようなソファベッドが「Futon」と呼ばれるようになったか、詳細はさだかではありませんが、布団のように折り畳むことができるという点から、こう呼ばれるようになったのかもしれませんね。
2. Hibachi(火鉢)
こちらの「Hibachi」も、アメリカでは意味が異なる日本語です。日本でもあまり見かけることはなくなりましたが、「火鉢」と言えば、陶器や金属製で、中に炭を入れて温め、暖房や湯沸かしとして使うものを指しますよね?
ところが、アメリカではこのように使われます。
“Let’s go to the Hibachi restaurant !”「ヒバチレストランに行こうよ!」
「??」と思われた方も多いと思いますが、じつはアメリカでは、「鉄板焼き」のことを「Hibachi」と呼ぶことがあるんです。

ニューヨークの日本食レストラン「FLAME」のホームページ。「Sushi」の前に、大きく「Hibachi」と書いてありますね!
↑ 「Hibachi」と呼ばれる鉄板焼き料理。日本ではありえない、ド派手なパフォーマンスもセットで定着しています。
「火鉢」はもともと「七輪」を指す言葉としてアメリカに伝わり、そこから派生して、鉄板焼きのことまで「Hibachi」と呼ぶようになったと言われています。
3. Kombucha(昆布茶)
お次は最近のトレンドでもある、「Kombucha(コンブチャ)」。日本で「昆布茶」と言えば、昆布ダシのお茶を意味しますが、アメリカでは、日本で1970年代頃に流行した「紅茶キノコ」のことを指すんです!
ちなみにこの「Kombucha(紅茶キノコ)」とは、「産膜性酢酸菌」という特殊な菌でできたゲル状のシートを、砂糖入りの紅茶に入れて作る飲料のこと。

発酵中のコンブチャ。容器の上部に浮かぶ、シート状のゲルが見えますね。
発酵飲料であることから、健康マニアやセレブの間で人気に火が付き、今では日本でもふただびブームになっているようです!
ちなみになぜこう呼ばれるようになったかというと、「紅茶キノコ」がアメリカで広まった際に、紅茶の上に浮かぶゲル状のものが、まるで海藻のように見えたことから、「Kombucha」と言われるようになったのではないか、とのこと。

アメリカのスーパーに並ぶ、さまざまなフレーバーのコンブチャ。(Sheila Fitzgerald / Shutterstock.com)
まとめ
いかがでしたか?
アメリカでは、今回ご紹介した単語のほかにも、さまざまな日本語が使われています。国際化が進むにつれ、このような言葉の輸出入もさらに加速していくかもしれませんね◎