世界には、国や地域、民族、宗教などに由来する、たくさんのお守りがあります。
多くは幸運のお守りで、金運や恋愛などに特化したお守りも見られます。
その中でも、今回は「魔除け」としての働きが大きいアイテムやノウハウを、ピックアップ。
目に見えない悪を退ける、さまざまな魔除けたちをご紹介します◎
今回は、南米ペルー。謎多きインカ帝国を祖に持つこの国では、いったいどんな魔除けが見られるのでしょうか?
1. トリトデプカラ

沖縄のシーサーにも通じるものがある、「トリトデプカラ」。かわいい……。
「トリトデプカラ(Toritos de Pucara)」とは、ペルーの民家の上に多く見られる、魔除けの「牛」さんのこと。対になっているのが通常で、向かって左がオスで、右がメス。陶器でできています。
ペルーにおいて、牛はとても強いものとされていて、屋根の上からその家に悪いものが入ってこないように見張っているのだとか。
素焼きの風合いそのままだったり、鮮やかに彩色されていたり、十字架や生活道具など、その家で大切にしている物を背中にしょっていたりと、各家庭によってさまざまなデザインがあり、引っ越し祝いに贈られることも多いんだそうです◎

色つきバージョンの「トリトデプカラ」。やっぱりかわいい……。
2. ワイルーロ

「ワイルーロ」のブレスレット。
「ワイルーロ(Huayruro)」とは、南アメリカ一帯に自生する、マメ科の植物です。ワイルーロにはオスの実とメスの実があり、オスには真っ赤な実に黒い斑点が1個、メスは赤一色です。
そんなワイルーロは、インカ帝国時代から魔除けの実として身につけられていました。
インカ帝国において、赤は魔除けの色であり、太陽を意味する色です。ペルーでは、インドのように子どもに「邪眼避け」として身につけさせたりもするんだとか。
「魔を祓い幸運を呼ぶ実」として、ブレスレットやミサンガなど、さまざまなアクセサリーになっています◎
3. トゥミ

石を加工した、「トゥミ」の置物。
インカ帝国時代、太陽に捧げる生け贄の心臓をくり抜くために用いられたという、儀式用のナイフが「トゥミ(Tumi)」。半円形のナイフの上に、アンデスの神の姿があしらわれています。
血なまぐさいルーツを持つモチーフではありますが、神と人をつなげる大切なナイフであったことは間違いありません。
当時の王が使ったであろう黄金とトルコ石でできたトゥミも発掘されましたし、今では魔を祓い幸運を呼び寄せるものとして、ペルーの象徴となっています。
ペルーのみやげもの屋さんには、トゥミのアクセサリーや置き物などが、たくさん売らています◎
4. ビルカバンバ

「パチャママ」をイメージした像。スペインによる侵略後も、聖母マリアと重ね合わされて、現在でもペルーやボリビアで信仰している人が少なくない。
インカ帝国最後の皇帝トゥパク・アマルが、侵略者であるスペイン人に追われ、ジャングルの奥地に黄金の都を造ったという伝説があります。
その場所こそが「ビルカバンバ(Vilcabamba)」であり、黄金を守る神「パチャカマック(男性神、Pachacamac)」と「パチャママ(女性神、Pachamama)」のことを「ビルカバンバ」とも呼ぶそうです。
その神様は現在、「財産を魔から守り富を授ける」として、お守りとなっているのです。
5. グランデーロ

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「グランデーロ(Grandero)」とは、ペルーのシャーマン(呪術師)のこと。そのグランデーロが呪術的効果のあるさまざまなアイテムを調合した魔除けと幸運のお守りのことも、「グランデーロ」と呼ばれます。
調合内容はさまざまですが、伝統的には「ヒマワリの種(安息)」、「アカシアの実(平和)」、「ララの石(家内安全)」、「パイライト(金運)」、「ローズクォーツ(恋愛運)」、「コントラの根(厄祓)」、「ワイルーロの実(魔除けと幸運)」、「馬蹄(旅の安全)」、「ピリピリ(悪霊祓)」の9種類が入っています。
「グランデーロ」の魔除け効果はバツグンで、「戦場で槍に射抜かれても死なない」という逸話もあるほどだとか。

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