海外移住の経験があるという人なら必ず直面する、「孤独感」。じつは、海外移住先での友人づくりは、思いのほか難しいと言われています。
日本では友だちに不自由しないほどの人気者でも、海外で新たな友だちが次々にできるという保証は、どこにもないのが現実。新天地で思っていたほどスムーズに友だちができないという焦りから、孤独を感じるようになってしまう人も少なくないようです。
海外での友だちづくりには、やはり現地の人たちが話す公用語や英語の習得が欠かせませんし、自分と「友だちになりたい」と思ってくれる人を見つけるためには、積極的にコミュニケーションを取れるようにしなければ、なかなか上手くいかないかもしれません。
筆者も国際結婚を機にイギリスへ移住して10年になりますが、現在の交友関係を築き上げるまでには、さまざまな試行錯誤がありました。
そこで今回は、海外移住や留学をお考えの皆さんに役立つ、「移住先での友だちづくりのコツ」をご紹介したいと思います。
1. ハウスシェアで友人を見つける
単身で海外移住する場合、手っ取り早く現地の知り合いや友人をつくることができるのが、「ハウスシェア」。
アパートや一軒家をシェアして複数人での共同生活になるので、ハウスメイトたちと仲良くなれる可能性が高いことでも知られています。そしてハウスメイトたちは、彼らの友だちをそれぞれ家に連れてくることもあるので、その人脈からさらに友だちの輪を広げていくこともできます。
ただ、一緒にいる時間が長く、生活習慣の違いも気になりやすい距離感のため、家と同様、ハウスメイト選びは慎重に行うことをオススメします。
2. 日本に興味がありそうな現地人からアプローチする
筆者自身、ホームパーティーや夫の仕事関係のパーティー(夕食会)に招待されることが多いのですが、移住当初いつも困っていたのが、こうした場所で会う初対面の人との話題。
このような場では、芸術や旅行、グルメについての話がテーマになることが一般的ですが、日本に関心がある人はさほど多くなく、日本の話題を持ち出しても会話が長く続きません。
加えて、現地の言葉に自信がない場合は特に、相手を惹きつけるほどの話題を提供するのはなかなか難しいものです。
そんな時は、無作為に友人をつくろうとするよりも、まずは「日本に興味のある」人を中心にアプローチすることが効果的かもしれません◎
3. 自分から行動を起こしてみる
筆者の場合も、イギリスに移り住んだ当初は、比較的簡単に接触できる「日本に興味のある」人から友だちを探し始めました。そんななか、現地の友だちをつくるきっかけとなったのが、「ランゲージ・エクスチェンジ(言語交換)」。
これは、現地のネイティブ・スピーカーが外国語を勉強するために、現地語を学びたいと思っている外国人と連絡を取り合って、カフェなどでコーヒーを飲みながら、お互いの言語を教え合うというシステムです。
イギリスでも、日本語を学びたいと思っているイギリス人や外国人は少なくないので、すぐにエクスチェンジ・パートナーを見つけることができます。
筆者も実際にこの「ランゲージ・エクスチェンジ」で何人かの友だちを作りましたし、彼らとは今でも仲良くしています◎
このほかにも、ソーシャル・グループ(食べ歩き、ジョギング、ブッククラブなど)を作って、気の合う仲間を集めたり、ご近所さんや職場の同僚と友人関係を築く人も。
日本人のお友だちも海外暮らしでは貴重な存在となりますが、日本人コミュニティーにどっぷり浸かりすぎると、現地のコミュニティーから疎遠になってしまうリスクもあります。
まずは日本人、現地人にこだわらず、共通の関心事を持った気の合う友人を見つけることからはじめてみるといいですね◎