世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。縁起が良かったり、ご利益があったり、魔よけになったり、その効用はさまざまです。
そんな数あるラッキーチャームのなかから、このシリーズでは形や自然現象などのモチーフをピックアップ!
今回は、「ロザリオ&メダイと数珠」を紹介しましょう◎
「ロザリオ」とは?

木製のシンプルなロザリオ。
「ロザリオ」は、カトリック教会において、聖母マリアへのお祈りのサイクルが形になったモノです。具体的には、「珠が連なったモノ」。
一般的な5連のロザリオは、珠が59個と十字架、メダイで構成されています。指輪サイズやブレスレットサイズの1連ロザリオもあります。

指輪タイプのロザリオ。
ちなみに、ロザリオや数珠(じゅず)の玉の数は宗教によってさまざまで、たとえば仏教では煩悩の数である108個、イスラム教では99の神の名にアッラーを足して10個、そしてキリスト教のロザリオは宗派によっていろいろです。
ちなみに「ロザリオ(rosário)」という言葉は、ラテン語の「ロザリウム(rosarium)」が元になっていて、その意味は「バラの冠」。バラをひとつひとつ編むようにして、祈りの言葉を唱えるところから来ていると言われています。
そして祈りの言葉を何回唱えたのか、ロザリオの珠を繰ることで間違えないようにするという、とても実用的な道具でもあります。
近年では、ネックレスをはじめとするファッション・アイテムとしてすっかり定着していますが、本来はアクセサリーではありません!
「メダイ」とは?

「不思議(奇跡)のメダイ」。
先ほどご紹介したロザリオの中心には、「十字架」か「メダイ」が付いていることが多いです。そして「メダイ(médaille=メダイユ)」とは「メダル」の意味で、キリストの像などがデザインされています。
1830年、フランスのカトリック修道女カタリナ・ラブレ(カトリーヌ・ラブレ)が、聖母マリアから「メダイを作るように」というお告げを受けたのが、メダイのはじまり。

修道女カタリナ・ラブレ(カトリーヌ・ラブレ)の肖像画。
この2年後、パリでコレラが流行したのですが、このメダイを配ったところ、病気が治ったという報告が相次いだとか。
ほかにもさまざまな奇跡を起こしたカタリナ・ラブレのメダイは、「不思議のメダイ」とも「奇跡のメダイ」とも呼ばれるようになりました。これを受けてほかの教会でも作られるようになり、世界中で人気のお守りとなったのです。
「数珠(じゅず)」とは?

日本の数珠と数珠袋。男性用や女性用、宗派などによってさまざまな種類がある。
日本人にとても身近な「数珠」。仏教の法具として使用されるものですが、もともとは仏教以前、古代インドのジャイナ教やヒンドゥー教が数珠の起源とされ、当時は「ロザリオ」と同じく、祈りの回数を数えるものだったようです。
その後、お釈迦様(ブッダ)による「ムクロジの実を108個つないで、仏の名を唱えると災いが去る」という教えもあり、法具としての数珠が完成されました。

インドを中心に使われる、「ルドラークシャ」という菩提樹(ぼだいじゅ)の実を使った数珠。ヒンドゥー教のシヴァ派の必須アイテムだが、最近は宗派や国を超えて人気が高いという。
本式の数珠は108珠ですが、数珠ブレスレットのような略式数珠も認められています。
あまりに身近な存在の数珠ですが、持っているだけで煩悩を消し去り、魔除け・厄除けの効果もあるという、じつはとてもありがたい法具なのです。
ラッキーチャームを見に行こう!

奇跡のメダイ教会。(Isogood_patrick / Shutterstock.com)
前述した、修道女カタリナ・ラブレが作った「不思議(奇跡)のメダイ」、じつは、フランス・パリにある「奇跡のメダイ教会(Chapelle Notre-Dame de la Medaille Miraculeuse)」で購入することができます。
「不思議のメダイ」は、世界中から幸せを求めてくる人々のために、とても安価な値段で授けられているのです。
そして、ここにはもうひとつの奇跡が……。教会の奥には、カタリナ・ラブレの遺体が未だ腐敗しない美しい姿のままで安置されているのです。
こうした数々の奇跡から、「奇跡のメダイ教会」はパワースポットとしても知られており、世界中から多くの人々が訪れています。