【世界の官能名画美術館〈番外編 2〉】オリエンタリズムの傑作に描かれた、性愛の世界

西洋の美の歴史は、つねに性愛とかかわるものでした。あまたの巨匠たちが性を想起させ、異性を誘惑する魅惑の肉体を備えたヌード画を描き、究極の美を追求してきたのです。

このシリーズでは、世界に名だたる西洋絵画の巨匠たちと、彼らが究極の美を追い求めて描いた名画をご紹介していきます◎

誰もが知る名画には、いったいどんなエロティシズムが隠されているのでしょうか?

今回は番外編、第2回。東洋の神秘に新たな美を求めていった西洋の画家たち。「オリエンタリズム」「オリエンタリスト」(東洋趣味)と呼ばれた東洋趣味の画家たちが描いた、エキゾチックな魅力をたたえる名画について、ご紹介していきます◎

胎動するオリエンタリズムの傑作たち

19世紀後半、オリエンタリズム絵画は多くの作品を生み出してきましたが、西洋絵画史でいえば、新古典主義からたもとを分かち、ドラクロワなどのロマン主義の画家たちもまた好んで異国の題材をモチーフにしており、オリエンタリズムの前史的役割を果たしました。

また、テオドール・シャセリオー(1791~1824年)は、フランスのロマン主義の画家で、アルジェリア旅行を機にオリエンタリズム風の作品を多く描くようになりました。

【世界の官能名画美術館〈番外編〉】オリエンタリズムの傑作に描かれた、性愛の世界01

テオドール・シャセリオー「ハーレムの浴室」。1849年、油彩・カンヴァス、50×32cm、パリ、ルーヴル美術館所蔵。

また、以前ご紹介したドミニク・アングルもまた、彼自身は実際に東洋を訪れませんでしたが、現地に住む西洋人たちの手紙や報告にもとづいて、東洋趣味の作品を描いています。

【世界の官能名画美術館〈番外編〉】オリエンタリズムの傑作に描かれた、性愛の世界02

ドミニク・アングル「トルコ風呂」。1862年、油彩・板、直径110cm、パリ、ルーヴル美術館所蔵。

エキゾティシズムあふれる、異国の女性たち

19世紀後半の中近東は、ヨーロッパの画家たちが暮らし、芸術が謳歌され消費されていた都市部にはない色彩と強い陽光にあふれていました。

その世界のなかで、西洋にはない健康的な肉体を持った女性たちを、西洋の画家たちはこぞって描き、表現してきたのです。

フランス・パリのサロンで活躍したジョージ・ロッシェグロッセ(1859~1938年)は、中東やアフリカをほうふつとさせる情景のなかに、魅惑的な黒髪の女性を多数描いています。

【世界の官能名画美術館〈番外編〉】オリエンタリズムの傑作に描かれた、性愛の世界03

ジョージ・ロッシェグロッセ「オダリスク」。1935年、油彩・カンヴァス、50×60cm、個人蔵。

【世界の官能名画美術館〈番外編〉】オリエンタリズムの傑作に描かれた、性愛の世界04

ジョージ・ロッシェグロッセ「鏡」。1890年頃、油彩・カンヴァス、100.5×81.2cm、個人蔵。

またイタリアで活躍したジュリオ・ロサッティ(1858~1917年)も、オリエンタリズムを代表する画家ジャン・レオン・ジェロームなども多くモチーフにした、「奴隷市場」の情景を豊かな色彩で描いています。

【世界の官能名画美術館〈番外編〉】オリエンタリズムの傑作に描かれた、性愛の世界05

ジュリオ・ロサッティ「お気に入り選び」(部分)。1880年頃、油彩・カンヴァス、65×104cm、個人蔵。

出典:『世界の官能名画―光と闇に彩られた官能絵画の祭典』(メディアソフト)

【世界の官能名画美術館〈番外編 2〉】オリエンタリズムの傑作に描かれた、性愛の世界

『世界の官能名画―光と闇に彩られた官能絵画の祭典 』(メディアソフト)

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