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映画「アイム・ソー・エキサイテッド!」【テアトル・オネェ 第7回】

ヴァニラ・ノブが支配人を務めさせていただいてます、架空映画館「テアトル・オネェ」。新旧・内外・ジャンルも問わず、オススメの映画を取り上げてご紹介させていただいてます!

今回の上映作品は「アイム・ソー・エキサイテッド!」

スペインを代表する監督ペドロ・アルモドバルによる、CA(客室乗務員)であるゲイ3人組が活躍するコメディよ◎

映画「アイム・ソー・エキサイテッド!」【テアトル・オネェ 第7回】01

「アイム・ソー・エキサイテッド!」のおすすめポイント

■ スペインだからありえるのかな、というトンデモ設定

■ ゲイ監督ペドロ・アルモドバルのガス抜き度合いがイイの!

■ 飛行機好きにもたまらない、ディテールの素晴らしさ◎

◎いつものペドロとは違うのよw

映画「アイム・ソー・エキサイテッド!」【テアトル・オネェ 第7回】02

ペドロ・アルモドバル監督。(Denis Makarenko / Shutterstock.com)

「アイム・ソー・エキサイテッド!」を最初に観た時は、ビックリしちゃった。まるで1970年代につくられていた、東映のドタバタ喜劇「アチャラカ艶笑喜劇」みたいだったから。

反面、ペドロ・アルモドバル監督といえば、しばらく「オール・アバウト・マイ・マザー」や「バッド・エデュケーション」、「ボルベール〈帰郷〉」、「私が、生きる肌」と、わりと眉間にシワ寄せてつくるような作品が多かったから、「バチあたり修道院の最期」や「神経衰弱ギリギリの女たち」みたいな初期作品的ドタバタコメディで、ちょっとガス抜きしたかったんだろうなぁ……とも思ったわ。

気になるあらすじは……?

「アイム・ソー・エキサイテッド!」の舞台となるのは、スペイン・マドリード発、メキシコ・メキシコシティ行きの飛行機。

機体トラブルのために空港に着陸できず上空にとどまっていて、乗客たちはしだいにイライラ……。そんな彼らを落ち着かせようと、ビジネスクラスを担当するCA(客室乗務員)でゲイの3人組が手練手管で落ち着かせようとするんだけど、個性的すぎる乗客たちのストレスは限界に達して……。

さて、飛行機は無事に着陸することができるのできるのか? はたまた最悪の結末を迎えてしまうのか!?︎ って話。

◎ペドロのチカラワザにヤラレちゃうw

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チーフCAのホセラを演じるハビエル・カマラ。ペドロ・アルモドバル監督とはよく一緒に仕事をしていて、2002年公開の『トーク・トゥ・ハー』の看護師役で人気俳優の座を確立した。(Denis Makarenko / Shutterstock.com)

ペドロ・アルモドバルの映画に登場するキャラクターって、「大木こだたひびき」の漫才じゃないけど「そんなヤツ、おらへんやろ〜」って設定が多いのよね。

過去の作品でも、ジャンポール・ゴルチエがデザインしたエッジの効いた衣装を身につけ、強引に事件現場に乗り込む神経の振り幅のデカいアナウンサーや、穴と見りゃ性欲の強さのまま男女問わずヤリまくる青年、倫理観ズレまくりの修道女などなど、設定が突飛すぎることが多々あるものの、当たり前のようにそのキャラクターが動き回り話を引っ張っていったりするし、監督自身が、「こういうヤツがいるんです」と一点の疑いもなく演出しているから、説得力・整合性うんぬんというよりもチカラワザでねじ伏せ、いつの間にか「スペインならそんな人いるだろうし、仕方ないよね」って妙に納得しちゃうのよね。

今作「アイム・ソー・エキサイテッド!」のストーリーも、ある意味機内で繰り広げられる密室劇なんだけれど、機長をはじめ、CA、乗客と、「ここまでクセの強い人いないでしょ」ってキャラばかり。

まずなんといっても、”ビジネスクラスを担当するCA3人組が全員オネェ”という、コンデンスミルクばりの超特濃ぶりなんですもの。

◎衝突事故のようなハートブレイク……。知らんがなッ!

それにしても、確かにCAってオネェさん多いわぁ……。

そういや以前、タイへ友人たち6人と旅行したとき、オネェアンテナが働いて、バンコクへ向かう機内に乗り込んですぐ、「絶対にオネェがいるわね!」なんて友人と探していたら、2人のちょいポチャとエレガントなお仲間を発見!

でも2人まとまってではなく、それぞれ違うエリアを受け持ってたの。だから「アタシたちの担当はどちらかしら?」とちょっとワクワクしてたら、エレガントな方!

彼をチェックしていたら、それはそれは歩き方から指先まで神経が行き届いてらっしゃって、歌舞伎の女形の至芸を見てるようで感心しきり。ドリンクや機内食のサービスの時も、「何か憑依してるの?」ってくらい芝居がかった立ち居振る舞いで、アタシたちも目が離せない状態(いまだにその方のモノマネできるわ)。

で、しばらくして、アタシがトイレに行こうと「ギャレー(CAが食事やドリンクを用意したり小休憩したりする小さなスペース)」の前を通ると、女子社員の給湯室みたく、さっと引いたカーテンの向こうでCAたちが集まって何やら話している様子。

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ボーイング787-8ドリームライナーのギャレー(Jordan Tan / Shutterstock.com)

そしたらそのエレガントな方が思いっきりホゲてて、明らかにアタシたちゲイチームをチェックして、「誰がタイプ?」みたいな話してるのが聞こえてたの!

で、カーテンの隙間からアタシと目が合った途端、そのエレガントCAが慌てて「オゥ・マイ・ゴッ! ユー・アー・ノ〜〜〜ット」って、カーテンぴっしり閉め直したの。

つまり、「あなたじゃな〜〜〜い」って……。

「ま、アタシもタイプじゃないし」って思いながらも、面と向かって言われたというムカつきも出てきて、複雑な気持ちで用を足して席に戻ったら、友人が「あのオネェの子がすみませんって、それ置いていったわよ」って言うじゃない。

見ると、ゲロ袋の中に白ワインのハーフボトルとジンのミニボトルが数本入ってたってことがあったわ(すぐにギャレーでのことをネタにしてみんなで飲んだけど)。

◎異次元の出来事に巻き込まれていっちゃうw

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CA3人組のひとり、ウジョアを演じるラウール・アレバロ。自身も監督をしており、初監督作品『静かなる復讐』は、第31回ゴヤ賞で11部門にノミネートされ、アレバロは新人監督賞・作品賞・脚本賞を受賞した。(Beatriz Zambrana / Shutterstock.com)

そんな経験もあったもんだから、「アイム・ソー・エキサイテッド!」に登場するスペイン人オネェCA3人組のやりたい放題ぶりはある意味想定内で、観ながら大笑い。

しかも古いゲイには涙モノの名曲、ポインター・シスターズの「I’m So Excited」を、イライラしているお客さんたちに喜んでもらおうと歌い踊る姿には、ゲイのサービス精神の究極を見たような感じ(言い過ぎかしら)。

サビの「コントロールできなくなりそう! この感覚好きだけど」てな感じの歌詞も映画の展開を表してて、ちゃんと意味あるのがイイわね◎

ちなみにこの曲がきっかけでオネェ3人組が起こすことが、さらにとんでもないことなるんだけど、こればかりは「そんなアホな〜〜〜〜」展開。だけど、「自分もちょっと参加してもいいかな?」と思ってみたりして……。

てことで、ペドロ・アルモドバル監督のやりきった感と、それに付き合った俳優さんたちの吹っ切れ感を、ぜひ楽しんでほしいわぁ◎

MOVIE DATA

「アイム・ソー・エキサイテッド!(Los amantes pasajeros)」

■ 監督 …… ペドロ・アルモドバル

■ 出演 …… ハビエル・カマラ、アントニオ・デ・ラ・トーレ、ラウール・アレバロ ほか

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アイム・ソー・エキサイテッド(字幕版)

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