ノルウェー南西部に位置するリーセフィヨルド。ノルウェー語で「光のフィヨルド」を意味する名前は、周辺に分布する花こう岩が、光る性質を持つことに由来しています。
リーセフィヨルドの全長は42キロに達し、高さ1000メートル以上の絶壁「シェラーグ」をはじめとする、垂直に切り立った巨大な岩壁に挟まれた海岸線が続く光景は、まさに絶景です。
垂直に屹立した断崖絶壁「プレーケストーレン」
リーセフィヨルド最大の見どころは、海面から鋭く切り立った、高さ約600メートルの一枚岩「プレーケストーレン」。アメリカの旅行サイト「Lonely Planet(ロンリー・プラネット)」で、「世界で最も息をのむ絶景スポット100選」に選ばれたことで有名になりました。
プレーケストーレンの頂上部分は約25メートル四方の正方形になっており、このことから「演説台」を意味する名前が付けられています。そして、この頂上から下をのぞき込むと、想像を絶する自然の驚異と造形美を堪能できるのです。
また、自然景観を保護する目的から、周囲には防護柵などが何も設けられていないため、視界をさえぎられることなく絶景を楽しめると同時に、今にも谷底へと吸い込まれてしまいそうな、ものすごいスリルも味わえるでしょう◎

「(教会の)演説台」を意味する名前の通り、真四角になっているプレーケストーレンの頂上。

ベストシーズンには多くの人々で混み合う頂上。柵がないので、くれぐれも要注意!(sssanchez / Shutterstock.com)

高さ600メートルの一枚岩、プレーケストーレンの頂からリーセフィヨルドを眺める。

プレーケストーレンの頂上から望む、リーセフィヨルドの雄大な眺め。
リーセフィヨルドでのアクティビティ
この「プレーケストーレン」の登山口から頂上まで行くためには、およそ2時間半のトレッキングが必要。急な坂道や険しい岩場もありますが、美しい沼や眼下に広がる雄大な景色は、苦労してでも見る価値があります。

草原や絶壁、まっすぐに続く海岸線が広がる、リーセフィヨルドの谷間。

登山の道のりも絶景のオンパレード。初級、中級、上級、熟練と4つの登山コースが用意されているので、自分の体調や体力に合わせたコースを選ぼう!

頂上まで登ればこの絶景が待っている。ちなみに山にはトイレがないため、事前に行っておこう!
また、壮大なリーセフィヨルドや絶壁の姿を真下から見上げることができる、観光クルーズ船もおすすめです◎

登山に自信がないという人でも、海上からのんびりと眺める景色だけでもじゅうぶん楽しめる。
「シェラーグ」や「プレーケストーレン」といった絶壁の宝庫であるリーセフィヨルドでは、最近特に、パラシュートを付けずに、ムササビのようなスーツを着て崖の上から滑空する「ベースジャンプ」が人気。
近年はベースジャンパーの聖地としても知られ、多くの人が訪れています。

高さ1000m以上の場所で2つの岩壁の間に挟まれた奇跡の岩、「シェラーグボルテン」。この場所は、ベースジャンプの人気サイトともなっているほか、この絶景写真を求めて並ぶ人々の待ち時間は、ときに1時間にもなるという。

ムササビのようなスーツを着て滑空するベースジャンパー。リーセフィヨルドは、ベースジャンプが合法的に楽しめる、世界的にもめずらしい場所として知られる。(Evgeniya Moroz / Shutterstock.com)

リーセフィヨルド観光の拠点となる、ノルウェー南西部にある街スタヴァンゲルも観光にオススメ。伝統的な木造・切妻屋根の家々が並ぶ景観は、一見の価値あり◎(saiko3p / Shutterstock.com)
DATA
◉ベストシーズン:6月~9月
◉アクセス:スタヴァンゲルからタウまでフェリーで約30分、そこからバスで約10分。