10月31日。秋の終わりで収穫を祝う日、1年最後の日、新年を迎える日、あの世この世の境が最も薄くなり、死者が戻ってくる日、そして魔力が最も高まる日……。
ハロウィンは、神話と伝説に彩られたケルトの暦の上で、最も重要といっていい日で、ケルトでは「サウィン(Samhain)」と呼ばれます。
ちなみに「ケルト」とは、古代ヨーロッパに広く分布した文化のこと。現在では、アイルランドやイギリス北部にその名残を多く見ることができます。
そんなケルトの占いやおまじないの要素は、ケルト神話や、”失われた文字”と呼ばれる「ルーン(Runes)」に集約されます。自然とのつながりが深いケルトのシンボルたちは、サウィンのとき、人の距離が最も近くなるのでしょう。
今回は、ハロウィン、つまりサウィンの日にケルトで行われていた、願いを叶え幸せをもたらす、伝統的なルーンのおまじないと占いをご紹介します◎
「ルーン(Runes)」とは?

木片に彫られたルーン文字。
「ルーン文字(Runes)」とは、古代から中世にかけて、北欧を中心に使用されたアルファベットです。
神話によると、大神オーディンが、世界樹ユグドラシルに自らを9日間吊るす苦行を行ったときに、ルーン文字を発明したとされています。
現代では日常的に使われることはほぼなく、アイルランド語の一部に残るのみ。”失われた文字”というキャッチーで神秘的なところがウケて、占い道具としても普及しています。

スウェーデンに残る、ルーン文字で銘が刻まれた石碑「ルーン石碑」。700年~1100年ごろのヴァイキング時代に最も多く作られ、現在6000のルーン石碑が発見されている。石碑には、海外へ行って死んだ人物を知らせる内容などが刻まれているという。
伝統的なルーン占い「ルーン・キャスティング」

「ルーン・キャスティング」の様子。
小石や木片などにルーン文字を刻み、それを投げて(=CAST/キャスト)、表になった文字を読み取って占います。
ちなみにルーン文字は、ひと文字ずつ意味を持っています。
たとえば、アルファベットの「X」と同じ形の「X(GEOFE/ギューフ)」は、以下のような感じ。
■ 数字:7
■ 色:赤・深紅
■ アルファベット:G
■ 生まれ:9月28日~10月12日
■ 意味:キスのマーク。愛情・友情を意味する。
そして、ルーンを投げてこの「ギューフ」が表になったら、『「7」のつく日に理想の男性と出会えるかも! その人のイニシャルは「G」で、「秋」生まれ。運命の日のラッキーカラーは「赤」』といった感じで読み取ります。
占いで使うルーン文字は、24文字。「愛情」を表す「ギューフ」のほかに、「お金」を表す「フェオ(FEOH)」、「欠乏」や「束縛」を表す「ニイド(NIED)」など、さまざまな占い結果を導き出せる要素がそろっています◎

ルーン占いで使用される、24文字のルーン。
「ルーン」のおまじない

エルク(ヘラジカ)のツノに、「移動」や「遠方からのメッセージ」を意味するルーン文字「ラド(RADO)」が刻まれたキーチェーン。
ルーンは、ひとつひとつが力を持つ「魔文字」でもあります。つまり、ルーン文字を刻んだモノを持っているだけで、御利益があったり、魔除けになったりするのです。
たとえば恋愛を成就させたいなら、「愛情」のルーンである「X(ギューフ)」のお守りを持ちます。
手に入れるのが難しければ、紙に書いたり、体のどこかにペンで書いたってOK! ルーンのおまじないは、とっても手軽にできちゃうのです◎