さて。これまで「新・世界七不思議」、そして「新・世界七不思議 自然版」についてはすでにご紹介してきましたが、今回でいよいよ最後。「新・世界七不思議 都市版」です。
一応、「新・世界七不思議」について再度ご説明すると、2007年、スイスに本拠地を置く「世界七不思議財団」が、世界中からの投票によって現代版の「新・世界七不思議」を決定。その第2弾として4年後に「新・世界七不思議 自然版」が選出されました。
今回ご紹介する“都市版”は、その第3弾として2014年に選ばれたものなんです。
選ばれたのは、どれも近年めざましい発展を遂げている注目の街ばかり。日本ではまだあまり知られていない街もあるので、この機会にぜひチェックしてみてください◎
1. ダーバン【南アフリカ】

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さっそくあまり聞きなじみのない街、「ダーバン」から。南アフリカの北東岸に位置し、ヨハネスブルグ、ケープタウンに次ぐ同国第3位の都市であるダーバンは、古くから高級リゾート地としても知られ、海沿いには大型のリゾートホテルが建ち並んでいます。
このためスポーツ施設や交通インフラも整っており、スポーツの世界選手権や国際会議の開催地として選ばれているほか、2010年のワールドカップでは会場のひとつにもなりました。
2000年から2014年のわずか4年の間に、富裕層の数が200%も上昇したというダーバン。近年、発展著しい南アフリカのなかでも特に発展している街となっています。
2. クアラルンプール【マレーシア】
マレーシアの首都であり、東南アジア有数の世界都市である「クアラルンプール」。
多民族が平和的に共存するマレーシアの首都らしく、多彩な文化が混ざり合ったにぎやかな雰囲気と同時に、近年の急速な発展にともなってインフラ開発が進み、豊かな緑のなかに高層ビルが林立する、東南アジア有数の近代都市となりました。
また、市街地が清潔で治安が良いという特徴から、リタイア後に移住する日本人も非常に多くなっています。
アメリカのシンクタンクが2017年に発表した世界都市ランキングにおいては、東南アジアではシンガポール、バンコクに次いで世界49位の都市と評価された、これからさらに発展が見込まれる都市です。
3. ドーハ【カタール】
日本では、1993年にサッカー日本代表がロスタイムで同点に追いつかれてワールドカップ初出場を逃した「ドーハの悲劇」でおなじみの都市ですが、一方で、中東の“超お金持ち国家”カタールの首都であり、同国で最も急速に成長している中東有数の世界都市でもあります。
そんなドーハは、同じ中東の都市ドバイなどとは違い、観光産業ではなく文化・教育・放送面に力を入れていることが特徴。
外国人が数多く暮らすドーハでは、近年市民権がなくても不動産を購入できるようになったことから、毎月1万人以上もの人口増加が起きており、現在は深刻な住宅不足が問題になっています。
4. ベイルート【レバノン】
レバノンの首都であり、地中海沿岸の半島に位置する「ベイルート」は、同国最大の主要港として発展しました。
また、キリスト教やイスラム教のさまざまな宗派の人々が暮らしていることから、中東で最も文化的に多様な都市のひとつにもなっています。
1975年に内戦が勃発すると、ベイルートの街は無残なまでに破壊されてしまいましたが、現在は復興が進み、「中東のパリ」と呼ばれたかつての美しい街並みを取り戻しつつあります。
5. ラパス【ボリビア】
ボリビアの首都「ラパス」は、標高約3650メートルという高地に位置し、”世界で最も高い場所にある首都”として知られています。
その立地から、別名「雲の上の街」とも呼ばれ、すり鉢状になった街は、谷底と最も高い場所とでは700メートルもの標高差があるそう。
近年の経済発展にともなって急速に人口が増加しており、すり鉢の内側はほぼ飽和状態となってしまったため、隣のエル・アルト(El Alto)にまで市街地が拡大している状態です。
6. ビガン【フィリピン】

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フィリピンの首都であるマニラの北、およそ400キロの場所にあるビガンは、16世紀からのスペイン統治時代、1574年に「シウダー・フェルナンディナ (Ciudad Fernandina)」という名前で建設され、商業・貿易の拠点として栄えた街です。
第二次世界大戦中、奇跡的に戦禍を逃れたことから、スペイン、中国、ラテンアメリカの影響を受けたユニークな街並みがそのまま残されており、1999年には旧市街が世界遺産に登録されました。
7. ハバナ【キューバ】

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キューバの首都ハバナは、約200万人もの人口を抱えるカリブ海エリア最大の都市。
16世紀にスペイン人によって創設されたこの街は、戦略的な立地から、スペインの新大陸における植民地経営の中心地として発展しました。
旧市街である「オールド・ハバナ」には、その頃建設された砦や城塞のほか、バロック建築と新古典主義建築の建物が残されており、街を走るヴィンテージ・カーと共にキューバを象徴する光景となっていて、毎年百万人以上の観光客が訪れています。
近年は、長年敵対関係にあったアメリカとの関係改善が進んでいるキューバ。半世紀にわたって入ってこなかったアメリカ文化が入りこんでくることによって、ハバナの街も急速に近代化が進むだろうと予測されています。