錆びついた大量の列車が眠る墓場
ボリビア南西部にある小さな町、ウユニ。ウユニ塩湖で有名ですが、町の南西部にはもうひとつの名所、廃棄され朽ちた列車が集まる「列車の墓場」と呼ばれる場所があります。

広大な原野のなかにこつ然と姿をあらわす、「列車の墓場」。大量の列車が捨てられている様子は、どこか現代アートのような美しさを感じさせる。(RPBaiao / Shutterstock.com)
ウユニはかつて、鉱山資源を運ぶ重要なルートのひとつでした。
1888~1892年にかけて、イギリスの会社の出資によって建設された鉄道網は、ウユニを通過して太平洋岸の港まで通っていたといいます。
しかし、チリとの領土戦争に敗れた結果、ボリビアは太平洋へと抜ける領土を失ってしまいます。その後もこの鉄道網は利用されていたのですが、1940年代に資源が枯渇すると鉱業は衰退し、それに伴って鉄道も廃棄されることとなったのです。
こうして使い物にならなくなった列車の多くが、そのままウユニに放置され、骨組みだけになった蒸気機関車や錆びついた列車が100両以上もあることから、やがて「列車の墓場」と呼ばれるようになりました。

車体部分には落書きが目立つ。

車輪が半ば地面に埋もれてしまっているものも。

未来の荒廃した世界を描いたSF映画の舞台のよう。

今にも倒れてしまいそうなほど、傾いてしまっている列車。(Gustavo Postal / Shutterstock.com)

ウユニの平坦な土地に、時が止まったかのようにたたずむ列車の姿は、とても美しい。

かろうじて枠組みだけが残った車両。鉄骨部分はすべて錆びついてしまっている。

どこまでもまっすぐに続く線路。列車だけでなく、こうした線路もまた、廃墟ファン心をくすぐる。

錆びて落ちてしまった列車のパーツも、大自然の景色と相まって、非常にアーティスティック。

ハイシーズンには、ウユニ塩湖の観光ついでに訪れた、大勢の観光客でにぎわう「列車の墓場」。まるで野外博物館のようになっている。(reisegraf.ch / Shutterstock.com)

特に規制や保護などは行われていないため、人々は自由に列車に触ったり乗ったりできるのも人気の理由のひとつ。SNS映えすること間違いなし。(Vadim Petrakov / Shutterstock.com)

かつて何かに使われたであろう列車のパーツがブランコのようになっていて、これに乗って写真を撮影するのが人気だそう。
DATA
◎アクセス:ウユニから徒歩で約20分。