近年、日本でも「ワーク・ライフ・バランス」が注目され、「仕事と生活の両立」を可能にするための議論や、「働き方改革」などの取り組みがなされるようになってきています。
ところが、日本人の特徴として、不満があっても我慢してしまう傾向が強く、自分から進んで環境の改善を試みようと行動に移す人が少ないこともあり、現在においても満足のいく「ワーク・ライフ・バランス」は達成できていないのが現状といったところです。
一方で、”「ワーク・ライフ・バランス」の先進国”と言われるヨーロッパですが、じつはそもそも「ワーク・ライフ・バランス」という言葉自体が存在していないそうなんです!
もともと、仕事と生活のバランスを上手く取っている人が多いため、あえてこの言葉を使って働き方の改善に取り組む必要がないからだと言われています。
では、そんなヨーロッパ人は普段からどんなライフスタイルを送っているのでしょうか?
今回は、彼らが”「ワーク・ライフ・バランス」の達人”であることを証明する、ヨーロッパ人の「働き方」についてご紹介しましょう◎
休暇は仕事と切っても切り離せない関係
ヨーロッパにおいて、「休暇」は理由もなく存在しているわけではありません。
ヨーロッパ諸国の多くでは、健康を維持して仕事に取り組む環境を作るため、雇用主は社員に対して「きちんと休暇を取る義務」を課しています。
たとえば、フランスやフィンランドでは40日の有給休暇があり、スウェーデンでは一般的に1年で5週間ほどの休暇を取る人が多いそうです。
しかも、これらの休暇は「クリスマス休暇」や「イースター休暇」を除いた日数だというから驚きですよね!
また、日本の有給休暇のように「取りたくても取れない……」というような雰囲気はまったくなく、逆に有給休暇は必ず消化するように、法律で保障されているんだとか。
仕事は時短でこなすことも多い
日本やアメリカの職場では、いちばん最初にオフィスに着き、いちばん最後にオフィスを出る人が「仕事熱心な人」だと評価されることがよくありますが、ヨーロッパでは違うそう。
たとえばスウェーデンでは、「1週間の労働時間の上限が48時間まで」とされており(どうしても終わらない仕事がある場合は、家に持ち帰ることもあるそうですが)、17時以降までオフィスに残っている人はほとんどいないと言われます。
また、子どもを持つ両親は、自分の子どもたちを学校へ迎えに行くため、16時にはオフィスを出てしまうそうです。
そのため職場や取引先の人に、「子どもを迎えに行くので、15時30分以降は電話に出られません」と、前もって伝えておく人も少なくないといいます。
フレキシブルな労働時間
ヨーロッパの国々の多くでは、自宅からでも仕事ができるフレキシブルな労働時間を採用しており、個人個人のライフスタイルに合ったスケジュールで仕事が行えるシステムを作っている企業が増えているといいます。
社員の健康を維持するために必要な労働環境を保障することで、労働の能率も上がると言われており、そのためにも社員のプライベートな時間を尊重することが、雇用側の責任であると考えているからだそうです。
休暇中は仕事を忘れる
ヨーロッパで仕事をしていると、「4週間後にまた連絡してください。現在休暇中です」とった内容のメールを受け取ることがよくあります。
日本では、自動返信用の仕事メールで「休暇中です」と堂々と宣言する人に対して、社会が必ずしも寛容であるとは限らないため、休暇中でもどこか後ろめたい気持ちになってしまうこともありますよね?
それとは対照的に、ヨーロッパ人が休暇を取るときは、徹底的に休むのが鉄則!
家族や友人とビーチでのんびりしながら、仕事のメールをチェックしようなんて、彼らは夢にも考えていないはずです。
まとめ
「休むために働く」とも言われるのが、ヨーロッパ人のライフスタイル。
必ずしも日本人にフィットするかどうかは分かりませんが、少なくとも、健康を維持できるだけの労働時間を守ることは、仕事の能率を上げるカギとなるのは間違いなさそうですね◎