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【モンテネグロ】コトル「”世界一美しい湾”の奥深くに築かれた、中世の要塞都市」

アドリア海を挟んでイタリアと向かい合う国、モンテネグロ。その南西部にはアドリア海が陸地に入り込み、フィヨルドのように複雑な入り江を形成しているコトル湾があり、その風光明媚な景観から、「世界一美しい湾」とも称されています。

そんなコトル湾の最奥に位置するコトルは、起源を紀元前に持つという歴史ある街で、中世にはヴェネツィア共和国領として繁栄しました。

こうした景観の美しさや歴史から、1979年には「コトルの自然と文化歴史地域」として世界遺産に登録されました。

岩山と城塞に守られた街「コトル」の歴史

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コトル湾と、湾の奥に築かれたコトルの街並み。フィヨルドのようにも見えるが、じっさいはリアス式海岸の一部だそう。

周囲を総延長4.5キロにおよぶ、ヴェネツィア領時代の城壁に囲まれたコトルの街には、石畳の路地に沿って12~14世紀頃に建てられた中世の建造物が立ち並び、穏やかなコトル湾の景色とともに美しい街並みを織り成しています。

また、コトルはカトリック教会と正教会の文化圏が重なる場所に位置していることから、街に双方の教会が混在しているのも大きな特徴となっています。

4世紀にわたってヴェネツィア領として繁栄したコトル。途中、トルコやオーストリア、イタリア、フランス、ロシアなど、さまざまな国の支配下となったほか、20世紀には地震やユーゴスラビア内戦で大きな被害を受けましたが、徐々に復興が進み、1979年に世界遺産に登録された後、2003年に拡大登録されました。

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家々のオレンジ色の屋根が、アドリア海沿岸都市の特徴を表している。

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コトル湾の周囲は遊歩道が設けられ、散策やカフェでのんびり過ごす人々でにぎわっている。

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中世の建物が立ち並ぶ、コトル旧市街の広場。散策の合間にはオープンカフェでひと休み。

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それぞれの建物を見上げて、アンティークな窓やそれを飾る草花を眺めるのも楽しい。(mama_mia / Shutterstock.com)

コトルの見どころ

日本ではまだあまり知名度が高くないコトルですが、年々観光客が増加しており、近年注目の街となっています◎

たとえば、コトルを代表するカトリック教会で1166年に建てられた「聖トリプン大聖堂」、モンテネグロ正教会(セルビア正教会)で1195年に建てられた「聖ルカ教会」など、様式の異なる教会が混在する街並みは、眺めているだけでも楽しむことができます。

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ロマネスク・ゴシック様式の「聖トリプン大聖堂」。ヴェネツィアの商人がトルコのコンスタンティノープル(イスタンブール)から運び込んだ貴重な遺物などが収蔵されている。

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ロマネスク様式の「聖ルカ教会」。内部には貴重なイコンなども多く保存されている。(Iuliia Serova / Shutterstock.com)

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コトルのランドマークとなっている、中央広場の時計塔。1602年に建造されたもので、人々の待ち合わせ場所としていつもにぎわっている。(Cezary Wojtkowski / Shutterstock.com)

また、街を囲む城壁に登り、コトル湾とコトルの街を一望するのもおすすめ。ただし、城壁散策というよりは登山に近く、かなり険しい道のりになるため、しっかりと準備して臨みましょう◎

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9世紀に建設が始まり、15世紀頃に現在の姿が完成したという、コトルの城壁。街の背後にそびえる岩山に沿って石畳の階段が続いており、頂上の「聖ジョバンニ要塞」までは、1時間程度の登山が必要になる。

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城壁へと続く入り口のひとつである、「北門」付近にあるメインの入り口。もう1カ所は「サラダ広場」にある。この入り口を道なりに進んでいくと、入場チケットを売るカウンターがあり、入場料を払って登るしくみ。(Vera Petrunina / Shutterstock.com)

なかでも人気のスポットとなっているのが、コトル湾に並んで浮かぶ、「セント・ジョージ島」と岩礁。それぞれの島に修道院と聖マリア教会が建ち、美しい緑の湾に浮かぶようにしてたたずむ景観は、とても幻想的です。

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コトル湾に浮かぶセント・ジョージ島。島の修道院には修道僧しか上陸す ることができない。

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セント・ジョージ島の隣にある島の聖マリア教会。こちらは一般人も上陸することができる。

DATA

◉ベストシーズン:4月~10月

◉アクセス:クロアチアのドゥブロヴニクから、バスで約2時間。

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