”外国人旅行者のバイブル”とも言われるガイドブック、「lonely planet(ロンリープラネット)」。日本人が「るるぶ」や「地球の歩き方」を持ち歩くように、海外の旅行者はこの「ロンリープラネット」を持ち歩いています。
このたび、そのロンリープラネットが「2019年に行くべき地域」を発表したのですが、その栄えあるNo.1に輝いたのが、イタリア・ピエモンテ州だったのです。
とはいえ、「イタリアのピエモンテ州」と言われても、地理的な位置や見どころなどをすぐに思いつくのは難しい…..。あまり馴染みもないし……。
ということで今回は、現在大注目のイタリア・ピエモンテ州の見どころについて、お届けしちゃいます!
ヴェネツィアやミラノ、フィレンツェ、ナポリなどなど、数えきれない見どころを抱えるイタリアのなかで、まだ観光客の少ない今のうちに、ピエモンテ州について予習しておきましょう◎
そもそも「ピエモンテ州」とは?
↑ こちらの赤く囲まれたエリアがピエモンテ州。
ピエモンテ州は、イタリア北西部、アルプス山脈南西麓に広がるエリアに位置しており、その場所のとおり、「ピエモンテ(Piemonte)」という名前はイタリア語で「山の麓」を意味します。人口は90万人、イタリア国内では第4位の大都市エリアです。
州都は「トリノ」。2006年には冬季オリンピックが開催され、フィギュアスケート女子シングルスで荒川静香選手が金メダルを獲得したことで、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか?

美しいトリノの街並み。右手に見えるのは、高さ121メートルの高さを誇る街のシンボル「モーレ・アントネリアーナ」。内部には「国立映画博物館」があり、”世界で一番高い博物館”との異名を持つ。
ピエモンテ州にある有名な企業は、自動車会社の「FIAT(フィアット)」、そして「組み立てられる○○」で知られる出版社の「De Agostini(デアゴスティーニ)」などが挙げられます。
「ピエモンテ州」の見どころは?
1. ヨーロッパ最大級の「青空市場」がある!
トリノの「Mercato di Porta Palazzo(メルカート・ディ・ポルタ・パラッツォ)」と呼ばれる青空市場は、ヨーロッパ最大級を誇る巨大な市場。
しかも、日曜日を除いて毎日(!)開催されているんです!

「Mercato di Porta Palazzo(メルカート・ディ・ポルタ・パラッツォ)」の様子。食品や雑貨、洋服、古書など、あらゆるものが売られている。(CatwalkPhotos / Shutterstock.com)

屋根のある建物の中では、チーズや肉製品も充実!(CatwalkPhotos / Shutterstock.com)
2. 「世界遺産」が4つもある!
世界遺産だらけのイタリアですが、なんとピエモンテ州には、4つもの世界遺産があるのです!
①サヴォイア王家の王宮群

トリノ市内中心部カステッロ広場にある、サヴォイア家の王宮(16~17世紀建設)。サヴォイア家とは、イタリア統一運動の主力となった貴族で、首都をトリノに定めてさまざまな建築物を建てた。(dav76 / Shutterstock.com)
②ピエモンテのブドウ園景観 : ランゲ=ロエロとモンフェッラート

ランゲ地方の丘陵地帯に築かれた町バローロと、ブドウ畑。ワインの名産地として知られる。(Rostislav Glinsky / Shutterstock.com)
③ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ

ピエモンテ州ヴェルバーノ・クジオ・オッソラ県にある、「ドモドッソラのサクロ・モンテ(カルヴァリオのサクロ・モンテ)」。「サクリ・モンティ」とは「聖なる山」を意味し、16世紀後半~17世紀、オスマントルコの脅威により聖地エルサレムへの巡礼ができないキリスト教徒のために建てられた、山上の礼拝堂や聖堂のこと。
④アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群

ピエモンテに残る「杭上住居 」。「杭上住居 」とは、紀元前5000年頃~前500年頃、アルプス山脈周辺で建てられた高床式の住居の一種で、世界遺産には、イタリアを含む6か国111件が登録されている。
「ピエモンテ州」は美食グルメだらけ!
1. 白トリュフ
ピエモンテ州で一番のグルメといえば、高級食材としても名高い「白トリュフ」!
白トリュフは、トリュフのなかでも最高ランクとして知られる食材で、ピエモンテ州の都市アルバは、毎年「世界白トリュフ祭り」が開催されることで有名。
しかも、ブタさんと一緒にトリュフ狩りに行けるツアーまであるんです!
自分で採ったトリュフを本場イタリア料理で味わう……。なんとも素晴らしい響き!(筆者はかなり興味があります!)

アルバの「世界白トリュフ祭り」で、白トリュフを吟味する女性。(Yulia Grigoryeva / Shutterstock.com)

白トリュフをぜいたくに使ったパスタ。シンプルに味わうのが、これまた最高!
2. ワイン
ワインの産地としても、超!有名なピエモンテ州。
豊かなアルプスの雪解け水で育てられたブドウを使った、ピエモンテ州のワインには、”ワインの王様”と称されるかの有名な赤ワイン「バローロ(Barolo) 」、対して”ワインの女王様”と称される赤ワイン「バルバレスコ(Barbaresco)」、”イタリアを代表する白ワイン”と称される「ガヴィ(Gavi)」など、絶品ワインがわんさかあります。
ということで、試飲もできるワイナリーの見学はとても人気がありますし、どこまでも続くブドウ畑の景色は非常にロマンチックで、SNS映えも間違いありません!

SNS映え間違いなしの、ブドウ畑。(Giorgio1978 / Shutterstock.com)
3. バーニャ・カウダ
日本では前菜として知られている、「バーニャ・カウダ」。じつは、ピエモンテ州の郷土料理なんです!
バーニャ・カウダとは、ピエモンテ語で「熱いソース」を意味するとおり、「フォイョ」と呼ばれるテラコッタの鍋に、アンチョビやニンニク、オリーブオイルなどを混ぜたソースを温め、そこに野菜や肉、魚などをディップして食べる料理。
地元では冬の鍋料理の代表格として、メインとして食べられることもあるほど。本場のバーニャ・カウダを食べたら、日本の味にはもう戻れないかも!? というほど美味です◎

本場のバーニャカウダ!
まとめ

ガルダ湖やマジョーレ湖、コモ湖など、湖畔の高級リゾート地を多数擁するイタリア湖水地方。ピエモンテには、オルタ湖があり、湖上に浮かぶサン・ジューリオ島(写真)は、「緑に包まれた小さな宝石」と称されるほど、景観の美しさで知られている。
さて、見どころ満載のイタリアのピエモンテ州、いかがでしたか?
2018年も残りわずか。2019年は5月の10連休も控えていますし、来年の旅行計画に、今”激アツ”のイタリア・ピエモンテ州を加えてみてはいかがでしょうか?
■ 参考サイト:Lonely Planet