【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」top

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」

ペルー南部、アンデス山脈と太平洋に挟まれた砂漠地帯に点在する、「ナスカの地上絵」。世界遺産でもある、あまりにも有名なこれらの地上絵は、紀元前2世紀~6世紀にこの地に栄えた、ナスカ文明の時代に描かれたとされています。

その数、なんと数百。しかし、その巨大さゆえに地上からは識別することができず、数千年という長きにわたって誰にも気付かれることなく放置されていたのですが、20世紀に入って飛行機が発明されたことで、ようやく発見されることになりました。

ちなみに、11月11日に放送されたテレビ番組「世界の果てまでイッテQで、新たに発見されたナスカの地上絵を手越画伯が真似して描くという企画でも話題になりましたが、ナスカの地上絵はすべて発見されているわけではなく、今もなお新しい地上絵が次々に発見され続けているのです。

地上絵を世界に紹介した、マリア・ライヒェ

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」01

ナスカの地上絵と、ナスカ平原を切り裂くようにして走る高速道路、「パンアメリカンハイウェイ」。この道路は地上絵が発見される前に造られたため、地上絵の中心部を貫いてしまっている。

初めてナスカの地上絵が発見されたのは、1939年のこと。アメリカ人考古学者のポール・コソック博士によって発見されました。そして、彼の研究を引き継いだのが、ドイツの数学者マリア・ライヒェでした。

彼女はこの地に住み着き、その終生を地上絵の解明作業と保護に費やしました。ナスカの地上絵が世界に知られるようになったのも、彼女の功績に寄るところが大きいといわれています。

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」02

ナスカの近くにある「マリア・ライヒェ博物館」。彼女が生前住んでいた家が、現在博物館として公開されている(Mark Pitt Images / Shutterstock.com)

意外にシンプルな描画方法

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」03

高速道路の隣に建てられた、高さ20メートルの展望台からの眺め。 この展望台はマリア・ライヒェが私財を投じて建てたもので、ここからは長さ70メートルほどの「木」と、50メートルほどの「手」の絵を見ることができる。

ナスカの地上絵は、長年太陽に照らされたことで酸化し、黒くなった地表部分の岩石を、幅1~2メートル、深さ20~30センチ程度取り除き、その下にある酸化していない明るい色の部分を露出させることで描かれています。

つまり、「地面の表面を削っただけ」という、とってもシンプルな方法。

保存するために固めたり、ものすごく深く掘ったりしたわけでもないのに、数千年もの間その形を保っているというのも驚きですね!

最大の地上絵は285メートル

さて、地面を削るだけなら誰でも簡単にできるのですが、ナスカの地上絵のすごいところは、その規模があまりに大きいという点。

地上絵には、動植物や道具、人間などが描かれているのですが、主な地上絵の規模としては、長さ46メートルのクモ、96メートルのハチドリ、55メートルのサル、65メートルのシャチ、180メートルのイグアナ、135メートルのコンドルなどが挙げられます。

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」04

長さ46メートルの「クモ」。

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」05

長さ55メートルの「サル」。

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」06

最も有名な「ハチドリ」の地上絵。全長は110メートル、横幅は96メートルにおよぶ。

なかでも最大のものは、ペリカンかサギ、もしくはフラミンゴを描いたと推測される地上絵で、その長さはなんと285メートル!

これはもうかなりの高度からでないと、判別できないほどの巨大さなのです。

どうやってそんなに大きく描けるの?

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」07

山肌に描かれている「宇宙飛行士」の地上絵。

現在のような技術や道具を持たないナスカ人が、どのようにこれらの巨大絵を描けたのか?

現在有力な説は、「種まき応用法」と「拡大法」の2つです。

「種まき応用法」は、ナスカで現在も行われている地上絵の作成に用いられる方法。

絵を描く際に数人が横並びになり、歩幅を合わせながら前進していきます。そしてこの歩幅によって距離を測定しながら均等に地上絵を描いていくのです。

しかしながら、この方法では全長50メートル以上の絵を描くことは難しいため、それ以上大きい絵には次の「拡大法」が用いられたと考えられています。

「拡大法」は、最初に地上絵のモデルとなる原画を描き、それを元にさらに大きな絵を描いていく方法。

原画に支点となる木の棒を打ち込んで、拡大したい長さの紐と、絵を描くためのもうひとつの木の棒を取り付けます。これによって、原画とまったく同じ線を拡大して描くことが可能になるのです。

しかし、この方法にもまた限界があって、200メートル以上の絵は描けないのです……。

ということで、200メートル以上の地上絵の描き方については未だに解明されておらず、研究が続けられています。

そもそもなんで描いたの?

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」08

長さ63メートルの「クジラ」。

問題はそこです。そもそもなんで、そんな巨大な絵を描く必要があったのか?

これもまだ未解決ですが、いくつかの説がありますのでご紹介。

■ 暦を知るため

ナスカの地上絵の線には、意図的に太陽の動きや星の動きを表していると思われるものがあり、農業をするためのカレンダーとして描かれたのではないか? という説です。

でも、暦を示す線は一部分だけであってそれ以外は関係ないですし、そもそも巨大絵にする理由がありません……。

■ 公共事業と食糧難対策のため

続いては、地上絵が「公共事業」の一環だったとする説。

食べ物が足りないときに備えて、”地上絵の制作に従事した労働者には食糧を支給する”という建前で、国じゅうの食糧を回収・管理することで、いつか訪れる食糧難の対策としたのではないか? という考えです。

■ 雨乞いの儀式のため

ナスカでは、”楽器を鳴らしながら同じ道を練り歩く”という雨乞いの儀式が、現在も行われています。また、地上絵はすべて一筆書きで描かれていることから、その儀式用の道として使われていたのではないか? とする説。

地上絵の周辺から、この雨乞いの儀式で使用する特別な貝の破片が見つかっていることも、理由のひとつになっています。

結局まだまだ謎だらけ

以上のように、ナスカの地上絵にまつわる仮説は数多くあり、また今もなお新たに発見され続けているということにより、ミステリー好きを魅了し続けているのです。

ナスカの地上絵を見に訪れた際は、ぜひセスナに乗って、はるか上空から神秘に満ちた巨大な地上絵を眺めてください◎

【ペルー】ナスカの地上絵「古代ナスカ人が残した、”人類最大の謎”」09

ナスカ周辺の街には、遊覧飛行ツアー会社がたくさん。遊覧飛行する飛行機にはいくつか種類があるが、小型セスナなら全員窓から地上絵を眺められる。(Eteri Okrochelidze / Shutterstock.com)

DATA

◉ベストシーズン:通年

◉アクセス:首都リマから長距離バスで6~7時間。

キーワード