世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。縁起が良かったり、ご利益があったり、魔よけになったり、その効用はさまざまです。
そんな数あるラッキーチャームのなかから、このシリーズではアニマルをピックアップ! 今回は、“ブタ”をご紹介します◎
ブタは豊かさの象徴
一度に10匹ほどの子豚を産む。
ヨーロッパでは、ブタは”幸運のマスコット”。
人間の生活(肉から血、皮まで使える!)に不可欠なことと、多産であることから、ブタは豊かさの象徴として扱われ、金運を上げるされています。
また、中国においても、ブタは”富をもたらす動物”として大事にされてきました。
中国語で「ブタ」は「猪(イノシシ)」と書きます。このため、”イノシシ年に生まれると、お金に不自由しない”と言われたりしているのです。
来年(2019年)はイノシシ(豚)年!
ヨーロッパや中国だけでなく、その有用性からブタは世界中で豊さのシンボルとなっています◎
「ブタ」のチャーム その1 「ドイツの"ブタ&コイン"」
ドイツのブタとコインのラッキーチャーム。
特にブタのラッキー度が高いのが、ドイツ。ドイツでは、新年の縁起といえばブタ(豚肉)ですし、幸運を表すことわざにも登場するほど。
金運のお守りであるコインにブタがくっついていたり、ブタがコインをくわえていたりするチャームが有名です◎

ラッキーユーロ☆ピッグ
Buy for Amazon「ブタ」のチャーム その2 「台湾の”開運臻寶 諸事大吉”」
一度見たら忘れられない見た目のの「開運臻寶 諸事大吉」。(IMUより)
台湾でお正月(旧正月)に縁起物で登場するのが、この「開運臻寶 諸事大吉(かいうんしんぽう しょじだいきち)」。
四文字熟語ではありますが、「カキ(柿)+ミカン+ブタ」を組み合わせたアニマル(?)チャームでもあります。
「諸事」とは、「たくさん”事”がある」という状態で、物事がうまくいく象徴。
そして、この「事」と「カキ(柿)」の発音が同じなのです。冬に向かう寒さにも負けずに実を付けるカキは、縁起の良い果物とされています。
また、ミカンは柑橘類の「橘」と書き、「吉」と発音が非常に似ています。となると、「大きいミカン(橘)」と「大吉」の発音も似ることになります。
この3つの要素がいい具合に混ざり合ったのが、「諸事大吉」。非常に、ものすごく、とっても縁起がよいため、「開運臻寶」と頭に付くのです。
キメラ感がすごいですが、一度見たらずっと心に引っかかる縁起ものです◎
「ブタ」のチャーム その3 「日本の"ピギーバンク"」
昭和レトロが一周周ってキュートな「ピギーバンク」。
貯金箱といえば、ブタ。
これはヨーロッパの「ブタは豊かさのシンボル」というイメージが元になっているためで、日本だけでなく、ブタの貯金箱は世界中にあるのです!
そして、日本のブタの貯金箱でイチオシなのは、「ピギーバンク」。ちょっとレトロなデザインで昭和40年代に爆発的に売れました。実家にある貯金箱といえば、なぜかコレだったのです。
正規品は市場にあるのみという現状だそうなので、ひとめぼれした人やなつかしくなった人は、早めにチェックした方がいいかも!?

ピギーバンク 豚 貯金箱(特大)
Buy for Amazonラッキーチャームに会いに行こう!~ヨーロッパ「マタンサ」~
農民がブタを屠殺するマタンサの風景(ピーテル・ブリューゲル 画)。(Sailko)
人間は長い歴史のなかで、ブタの命をいただいて生活を成り立たせてきました。その度合いが色濃かったヨーロッパにおいて、冬の初めのクリスマス前に行う年中行事が「マタンサ」。
マタンサとは、スペイン語で「Matanza」、ポルトガル語で「Matança」と書き、「殺すこと」を意味する言葉。
ブタを伝統的な方法で屠(と)殺するところから始まり、解体・食肉処理を行って、最後はサラミやソーセージなどにするという行事で、特に、有名なイベリコ豚を生み出したスペインやポルトガルといった、イベリア半島の国々が本場となっています。
スペインの街アルダレスの「マタンサ」で、ソーセージを作る人々。(Hans wrang / Shutterstock.com)
豚肉を食べるにあたって当然の必要行為ながらも、一般家庭でのマタンサはさすがに少なくなってきていて、現在は村や町単位で行われる、楽しい豚肉フェスのような形式のマタンサも増えているそう。