世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。縁起が良かったり、ご利益があったり、魔よけになったり、その効用はさまざまです。
そんな数あるラッキーチャームのなかから、このシリーズでは形や自然現象などのモチーフをピックアップ!
今回は、馬のひづめを守る「蹄鉄」を紹介しましょう◎
「蹄鉄」とは?

馬のひづめ(蹄)に着けられた蹄鉄。
「蹄鉄(馬蹄、ホースシュー)」とは、馬のひづめを守るためのU字型の金属。
ひづめの裏(地面に触れている部分)に打ち付けて使われるのですが、神経の通ってない場所に鋲(びょう)を打つので、馬は痛くありません◎

馬に蹄鉄を着ける様子。( Arne Beruldsen / Shutterstock.com)
そんな蹄鉄は、魔を封じ幸運を呼ぶラッキーチャームでもあります。
悪魔に蹄鉄を打って悪さをしないようにさせたとか、馬は人を踏まないから安全のお守りになるとか、さまざまな説が世界各国にある、開運アイテムなのです。

アンティークの蹄鉄は味があってインテリアとしてもオシャレ。
「蹄鉄」がラッキーなワケ
かつて蹄鉄が生活用品だった頃、外れてしまった蹄鉄が道に落ちていることもありました。当時は蹄鉄自体も貴重品でしたし、金属も貴重だったので、それを拾えたらとてもラッキー! 運が良い!
ということで、ラッキーチャームへの道を歩み始めました。
U字型の蹄鉄を飾ると幸運が引き寄せられるわけですが、飾り方によって2つの意味合いがあります。
「U」の開いている方を上に向けて飾ると幸運が溜まっていき、開いている方を下に向けて飾ると幸運を人に与えるという意味になるんだそうです◎

鈴を付けてドアベルとして玄関に飾るのも◎
蹄鉄のチャーム その1「エルメスとグッチの蹄鉄」
なかには数百円の蹄鉄アクセサリーもあるなど、すっかりラッキーチャームのお手軽モチーフとなった蹄鉄ですが、フランスはパリの「エルメス(HERMES)」と、イタリアはフィレンツェの「グッチ(GUCCI)」の蹄鉄モチーフは別格です。

ロゴマークにも馬のイラストが描かれている、エルメス。(Targa56 / Shutterstock.com)
もともと、馬具・皮革用品のお店として始まった歴史を持つ、エルメスとグッチ。蹄鉄モチーフの商品は、リング、ネックレス、バッグチャームなど、たくさん発売されています。
特に、グッチのバッグやお財布にデザインされている蹄鉄モチーフは、とても印象的です◎

蹄鉄モチーフがクールな、グッチのバッグ。(andersphoto / Shutterstock.com)
蹄鉄のチャーム その2「競走馬の蹄鉄」
究極のラッキーチャームが欲しいなら、実際に馬に使用される蹄鉄はいかがでしょうか?
現在使われている蹄鉄といえば、「競走馬の蹄鉄」となるわけで、しょっちゅう交換が必要なこともあって、じつはかなりの量の蹄鉄が生産されています。
そして、使い古された蹄鉄をラッキーチャームとしてよみがえらせ、販売しているのが「栗東蹄鉄」や「今井製作所」など。ほかには、各地の競馬場やイベントで買える場合もあります。

大量に積まれた、使用済みの蹄鉄。
気になるお値段はわりと手頃で、未使用の蹄鉄や、完全に装飾用としての蹄鉄も買うことができますよ◎
ラッキーチャームを見に行こう! ~アメリカ「ナイアガラのホースシュー滝」~
自然の造形が偶然U字の蹄鉄型になっている場所はいろいろありますが、湾曲を描く滝に蹄鉄(ホースシュー)の名がついているものを、世界に見ることができます。
こうした滝は「ホースシュー滝(Horseshoe Falls)」と呼ばれ、アメリカ、カナダ、アフリカ、オーストラリアのタスマニア島、イギリスなどにあり、なかでも世界三大瀑布であるナイアガラの滝の一部の「カナダ滝」は、見事な蹄鉄型を描いています。

美しい蹄鉄型を描く、ナイアガラの「カナダ滝(ホースシュー滝)」。