【世界のハーブ vol.24】サフラン top

【世界のハーブ vol.24】サフラン

手作業でひとつひとつ摘み取られる、高価なスパイス

【世界のハーブ vol.24】サフラン01

紫色が美しいサフランの花と、スパイスとして使う深紅の雌しべ。雌しべは、ひとつの花につき3本しかない。

西南アジアや地中海沿岸を原産とするサフランは、アラビア語で「黄色」を意味する「ザファラーン」が語源
とされています。

古代インドではスパイスとして、古代ギリシャや古代ローマでは香水の原料として重宝されたほか、古代エジプトでは、クレオパトラが愛用した化粧品にも使用されていたという、歴史あるスパイス。

日本へは江戸時代末期、南蛮貿易によって生薬としてもたらされ、明治時代後半からは全国で生産されるようになりました。現在は、大分県竹田市で栽培されており、国内総生産のほとんどを占めています。

なお、世界的な生産地としては、主にイランやスペイン、ギリシャなど、地中海沿岸での栽培がさかんです。

古代より、サフランのスパイスは「雌しべ」を乾燥させて作られるのですが、この雌しべを1キロ収穫するためには、なんと数万個もの球根が必要となります。

【世界のハーブ vol.24】サフラン02

スペイン・トレドのサフラン農家で、収穫したサフランの花から、雌しべをひとつずつ摘み取る様子。

そのためサフランは、1グラムあたりの価格が500~1000円程度と、非常に高価なハーブとしても知られているのです。

それでもなお、サフラン特有の食欲をそそる鮮やかな色と独特の香りは人気が高く、主に地中海沿岸の料理には欠かせないスパイスとなっています。

サフランは、料理でどう使う?

独特の香りは魚介類によく合い、水に溶かすと鮮やかな黄色になるサフラン。

フランス・プロヴァンス地方の名物料理「ブイヤベース」や、スペイン料理の「パエリア」、イタリア料理の「ミラノ風リゾット」、モロッコ料理の「クスクス」、インド料理の「サフランライス」など、主に地中海沿岸の料理には欠かせないスパイスとなっています。

【世界のハーブ vol.24】サフラン03

イタリア・ミラノの伝統料理である、「ミラノ風リゾット」。米を煮る際にサフランを加え、仕上げにバターとパルメザンチーズを使ったシンプルな料理。

【世界のハーブ vol.24】サフラン04

生地にサフランを練り込んでS字型にして焼いたスウェーデンのパン「ルッセカット」。ドイツの「シュトレン」と同じく、クリスマス前のアドヴェントのお菓子として食べられる。

【世界のハーブ vol.24】サフラン05

スペイン料理の代表格「パエリア」にも、サフランは欠かせない存在。

【世界のハーブ vol.24】サフラン06

米をサフランやスパイスと共に炊き上げる「サフランライス」。

【世界のハーブ vol.24】サフラン07

南インド料理の「バサンディ」。煮詰めた牛乳にレモン汁、砂糖、サフランを加え、仕上げにカルダモンやナッツなどを加えた甘いドリンク。

【世界のハーブ vol.24】サフラン08

鶏肉、サフラン、ヨーグルト、米を合わせて作るペルシャ料理「タッシン」。

【世界のハーブ vol.24】サフラン09

北インドや西インドで食べられる甘いヨーグルトデザート「シュリカンド」。ヨーグルトにサワークリーム、砂糖、カルダモン、ナッツ、マンゴーなどのフルーツを混ぜ合わせ、サフランで色付けする 。

【世界のハーブ vol.24】サフラン10

イランで「チャイ」(紅茶)を飲む際に使われる、サフラン入りの砂糖「サフラン・ナバット」。

パーティや記念日に

サフランは非常に高価なスパイスなので、たとえ産地であっても、祝祭日や記念日といった特別な日の料理に使用されることが多いです。

たとえば、豆やトマトを煮込んだモロッコの伝統的なシチュー「ハリラ」は、イスラム教の儀式として断食を行うラマダーン明けに必ず食べられる料理。

いつもはサフランの代わりに人工着色料などを使う家庭が多いですが、ラマダーン後はぜいたくにサフランを使用するのだそう。

【世界のハーブ vol.24】サフラン11

モロッコの伝統的なシチュー「ハリラ」。

サフランの育て方

【世界のハーブ vol.24】サフラン12

サフラン畑。高さ20~30センチほどに成長すると、ひと株につき最大4つの花を咲かせる。

育てやすさ : ★★★★☆
植え付け :8~9月
花期 : 10~11月
収穫 : 10~11月

▪日当たりと水はけが良い場所を選ぶ
▪球根の植付け後は、乾燥気味に管理する

ABOUT THE HERB

和名 :サフラン、ヤクヨウサフラン
学名 :Crocus sativus
分類 :アヤメ科/多年草
原産地 : 西南アジア、地中海沿岸
草丈 : 10~20cm
使用部分 :花(雌しべ)
用途 : 染料、お茶、料理、クラフト、美容健康 など
効能 : 鎮静、鎮けい、通経、血行改善 など

キーワード