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身近な食べ物に隠された、「え?そうなの?」なお話 #8

ふだん何気なく口に運んでいる食べ物には、さまざまな逸話が隠されています。

そう、私たちの身体を作る食べ物には、それぞれに歴史があるのです。

ここでは、身近な食べ物に隠された、「え? そうなの?」なお話をご紹介! 新しい発見を通して改めて食べ物を見てみると、また違った味わい方ができるかもしれません◎

01. 「タラコ」は「鱈」の子。「明太子」は「明太」の子。

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別名「赤いダイヤ」とも呼ばれるタラコ。

「タラコ」が魚の「鱈(タラ)」の卵であることは、周知の事実。

日本では、地域によってタラコの呼び方に差があり、九州~西日本では「タラコ」=「明太子」となります。しかし、明太子といえば「辛味の付いたタラコ」=「辛子明太子」というのが、現在一般的になっています。

つまり、「タラコは辛くないやつ」、「明太子&辛子明太子は辛いやつ」、という感じです。

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タラコをトウガラシなどで漬け込んだ「辛子明太子」。

ところで、ふだんあまり気にせず使っている「明太子」の、「明太」ってなんだと思います?

じつは、「スケトウダラ」を韓国語で言うと、「明太」。「ミョンテ」、と発音します。

そうなんです! 日本で普通に食べられているタラコは、このスケトウダラの卵。「マダラ(真鱈)の卵」ではないのです。

ちなみにマダラの卵は「真子(マコ)」と呼ばれ、タラコのように調理することも可能ですし、煮つけにするとよりオイシイです◎

さらに範囲を広げると、ロシア語でスケトウダラは「ミンタイ」。中国語では「明太鱼」。同じだったり、似通っていたり。明確に”どれが由来の源か”、という結論はありません。

北の海を漁場に、海の幸を共有してきた各国ですので、呼び名が行ったり来たりしたのでしょう。

02. 「トマト」は「最凶の媚薬」だった

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真っ赤なコロンとしたフォルムが可愛いトマトだけど……?

真っ赤でぽってりとしたフォルムが可愛い、トマト。今ではキャラクター化されちゃってるくらいの愛され野菜ですが、中世の時代には、今とはまったく違うイメージでした。

トマトは、南米アンデスで生まれ、メキシコで食用として栽培されて各地に広まっていきました。その後、スペイン人によってヨーロッパに伝わったのが、16世紀。中世真っ只中です。

今ではトマトの魅力となっている真っ赤な色と強い香りが、中世のヨーロッパ人にとっては刺激が強すぎたようで、”媚薬効果がある”(同じく媚薬効果があるとされたリンゴとイメージがかぶったため、当時は「愛のリンゴ」とも呼ばれました)とか、”毒がある”とかいう判断が下されることに……!

そのうえ、当時ヨーロッパを席巻していた「魔女狩り」の風潮にも巻き込まれたことで、”トマトは猛毒で催淫効果のあるモノ”という認識になってしまったのです。

しかし、近代になってイタリアで「トマトソース」が誕生し、さらにその後アメリカで「ケチャップ」が誕生するなど、徐々に人々の生活に馴染んでいったことで、「最凶の媚薬」という過去は吹き飛んだのです。

03. 「醤油」=「ケチャップ」な国がある

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現在ケチャップを代表する「トマトケチャップ」。

インドネシアでは、「醤油」のことを「ケチャップ」と呼びます。

もっと細かく説明しますと、「醤油」は「ケチャップ・アシン」、「魚醤」は「ケチャップ・イカン」、「甘タレ」は「ケチャップ・マニス」といった具合。つまり、インドネシア人はよく使う液体調味料のことを、「ケチャップ」と呼んでいるのです。

さらに突き詰めると、「ケチャップ」という言葉のもともとの由来は、東南アジアや中国南部で「魚醤」のことを「ケチァップ」と呼んでいたからだとか。

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タイの魚醤「ナンプラー」。(linyoklin / Shutterstock.com)

というわけで、甘かったりしょっぱかったり、いろいろな味の「ケチャップ」が生まれました。

その後、トマト味のケチャップ「トマトケチャップ」を作って世界に普及させたのが、アメリカの「HEINZ(ハインツ)」社。

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ハインツ社のトマトケチャップ。(Oliver Hoffmann / Shutterstock.com)

こうして、トマトケチャップはケチャップの代表選手となったのです。

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