私たち日本人の生活の一部となっている、“お祭り”。
日本古来のものもあれば、海外から輸入されたもの、新しく発生したもの、などなど、今ではさまざまなお祭りがありますが、あまりにもメジャーすぎて、“そもそも何のお祭りなの?” なモノも多くなっております。
このシリーズでは、そんな「おなじみなお祭り」を改めてひも解き、コアに派手に楽しむイロイロをご紹介!
今回は、冬の最大のイベント「クリスマス」◎ まずはクリスマスの基本を学ぶ、【その1】からお届けします!
そもそも「クリスマス」とは?

イスラエル・ベツレヘムにある、シェパード・フィールド教会に描かれた、「キリスト誕生」のフレスコ画。(meunierd / Shutterstock.com)
「クリスマス」とは、日本を含む世界的な認識では、神の子イエス・キリストのお誕生日。「キリスト生誕祭」です。
しかし、キリストの誕生日が本当に12月25日だったのかどうかについては、正確な記録がありません。夜が長い時期が終わる「冬至」や、”キリストが洗礼をした”と言われる1月6日を祝っているうちに、12月25日に落ち着いたようです。
その後研究が進み、『聖書』のなかにある季節の記述などから、”キリストは10月前後の生まれではないか”という説も有力となっています。
「サンタクロース」って誰?

サンタクロースといえば、この見た目。
「親」です。
……という現実的な話はさておき、「サンタクロース」とは、4世紀ごろ現在のトルコ、当時のギリシャに実在した司教「聖ニコラス(ミラのニコラオス、ミラの聖ニコラオ)」である、という説が有力。
「聖ニコラス」は、貧しく恵まれない人たちにお金やプレゼントをあげていたという聖人です。

3人の娘がいる貧しい家に、お金を投げ入れる聖ニコラスの絵(ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ画)。(パブリック・ドメイン)
この愛ある逸話がヨーロッパに伝わり、彼の命日が12月6日だったことから、やがて「クリスマス」と合体したんだそう。
なぜ「モミの木」の「クリスマスツリー」を飾るの?

子どもにとっても一大イベントのクリスマスツリー!
昔、デンマークのある村に不思議な力を持つ木があり、その木に”リンゴを吊るすと願いが叶う”という伝説があったそうです。そして、その木にはさまざまな捧げものが吊るされるようになったんだとか。
この伝説が、「クリスマスツリー」のはじまりとされています。
そして「クリスマスツリー」といえば、「モミの木」。

欧米には、その年のクリスマスツリーに使うモミの木を自分たちで選べる、「クリスマスツリー農場」もある。
真冬でも枯れずに青々とそびえたつその姿から、「高潔」「不死」「忠実」「再生」がイメージされ、さらに枝が「十字」のように広がっていることからキリスト教と結びついて、「聖なる緑の木」と言われるようになったのだそうです。
いちばん盛り上がるのは「クリスマスアドベント」

木製のアドベントカレンダー。引き出しの中にはチョコレートが。これなら毎年使い回せる!
クリスマス前日までの約1カ月間は「アドベント(Advent)」と呼ばれ、キリストの誕生を今か今かと指折り数え楽しみながら待つ期間。
「アドベント」とは「キリスト降誕」のことで、キリスト教圏ではクリスマス当日よりも盛り上がります。
そんな「クリスマスアドベント」に欠かせないのが、「アドベントカレンダー」。クリスマスまでのカウントダウン・カレンダーです。
アドベントカレンダーは1日ごとに紙がめくれるようになっていて、めくると中に絵やメッセージが描いてあります。また、立体のアドベントカレンダーもたくさんあって、その日の紙をめくると中にお菓子やらコスメやらオモチャやら!

各家庭によって、手作りのアドベントカレンダーを作ることも。こんなカレンダーならクリスマスデコレーションとしてもオシャレだし、ひとつずつ袋を開ける楽しみも◎
子どもだけでなく、大人も楽しめるカレンダーです◎
そして、アドベント期間は街も大にぎわい。ヨーロッパでは、大々的に「クリスマスマーケット」が開かれます。最近では、日本でも開催される場所が多くなってきましたね!

世界遺産ドイツ・ケルン大聖堂の前でもこんな美しいクリスマスマーケットが開かれる。
このクリスマスマーケット、元はといえば、本格的な冬の前に、生活必需品を物々交換したり売買したりするためのマーケットだったのですが、今ではクリスマス雑貨や季節の食べ物が楽しめる、ビッグイベントとなっています。

クリスマスマーケットの本場といえば、ドイツ。こちらはフランクフルトのマーケット。なんとメリーゴーランドまである!
さて、クリスマスの基本が分かったところで、次回は「絶対行きたいクリスマスマーケット」についてご紹介します!