トルコ南西部のエーゲ海に面する観光都市、フェティエ近郊の巨大ゴーストタウン、「カヤキョイ」。
カヤキョイは、かつて「リュキア」と呼ばれていた時代の古代都市の跡に、18世紀頃移住してきたギリシャ人によって造られた村です。
かつてギリシャ人が住んでいた、丘に広がる石造りの村

丘の斜面に広がる巨大なゴーストタウン、カヤキョイ。周囲には観光客をもてなすカフェや土産物屋もある。
カヤキョイに暮らしていた住民の多くはギリシャ正教徒で、村には20以上におよぶ石造りの教会や礼拝堂、家々が建てられていたといいます。
その後、19世紀中頃に起きた地震と火災によって大きな被害を受けるも、1923年までは人々が暮らしていたといいます。
しかし、1919~1921年にかけてギリシャ王国とトルコの間で起きた「希土(きと)戦争」後、政府間で住民交換協定が結ばれると、カヤキョイに暮らしていたギリシャ人たちは、ギリシャに移住することとなったのです。
こうして空っぽになったカヤキョイでしたが、その後この地に住み着く人がいなかったことから、そのまま廃墟となり、ゴーストタウンと化すこととなったのです。

急斜面に密集するようにして、石造りの家々が立ち並んでいる。なかには今にも崩れてしまいそうな建物も。

うえから見たカヤキョイ。ほとんどの建物は、天井が抜け落ちてしまっている。

石畳がはがれ、敷地内の樹木が道の方にまで伸びている、カヤキョイの路地。

かつて人々が海へ行くために使っていたと思われる階段。エーゲ海に面する村だけあって、そばには美しい海が広がっている。

かつて噴水として使用されていた建物。

村の中心に位置する、廃墟となったギリシャ正教会。かつては人々が集う祈りの場だった。教会は非常に頑丈な造りになっていたため、保存状態も民家などに比べると格段に良い。

雰囲気満点のギリシャ教会内部。壁面などは一部崩れてしまっているが、かつての美しい面影は残っている。(MehmetO / Shutterstock.com)

同じく、天井のアーチが美しいギリシャ教会内部。ガラスのなくなってしまった窓や、扉もない入り口から差し込む光が、むしろ神々しく感じられる。(Arzi / Shutterstock.com)

ギリシャ教会内部の大理石に残された宗教画。今もなお当時の色鮮やかな状態を保っている。(irdes Sayilan / Shutterstock.com)
DATA
◎アクセス:フェティエから車で約30分。