世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。縁起が良かったり、ご利益があったり、魔よけになったり、その効用はさまざまです。
そんな数あるラッキーチャームのなかから、このシリーズでは形や自然現象などのモチーフをピックアップ!
今回は、「ハロウィン」に続く特別編! 「クリスマス」のシンボルをご紹介する第1弾です◎
クリスマスアドベントは、クリスマスモチーフでいっぱい!
クリスマス前の約1カ月間は、クリスマスまでをカウントダウンで楽しむ「アドベント」の期間。この時期、さまざまなクリスマスモチーフで街は彩られますが、そのひとつひとつにはさまざまな意味が込められています。
これらのモチーフには、いったいどんな意味があるのでしょう?
クリスマスのチャーム その1「サンタクロース」
サンタクロースは、貧しい子どもを守護していたというキリスト教の聖人、聖ニコラウスの伝説が起源といわれています。
そして、サンタクロースといえば赤い衣装で有名ですが、これは、1931年にアメリカのコカ・コーラ社が広告キャラクターとしてサンタクロースを起用した際に設定された衣装が、世界中に広まったもの。
広告のモデルは、アメリカの風刺漫画家トーマス・ナスト(Thomas Nast)の作品でした。トーマス・ナストはサンタクロースを描き続けた漫画家として知られるほか、「アメリカ漫画の父」とも称されています。

1881年にトーマス・ナストによって描かれたサンタクロース。(パブリックドメイン)
そんなサンタクロースに会える場所が、フィンランド北部にあるロヴァニエミ市。ここから8キロほど北にある北極圏の入り口に、「サンタクロース村」があります。
この村は、サンタクロースの家やサンタクロース郵便局など、まさにサンタづくし! 子どもだけじゃなく、大人も童心にかえって楽しむことができます◎

フィンランドのサンタクロース村。(Roman Babakin / Shutterstock.com)

サンタクロースの仕事部屋をイメージした部屋。(Roman Vukolov / Shutterstock.com)
クリスマスのチャーム その2「靴下」
サンタクロースがクリスマスプレゼントを入れるために使われる、暖炉の前に吊るす靴下。この靴下には、次のような逸話があります。
サンタクロースのモデルである聖人ニコラウスは、生前貧しい子どもたちを救っていたそうです。そして、ときに煙突に金貨を入れて渡すことも……。
そんなある日、貧しい3姉妹が暖炉のそばに衣類を干したまま眠ったところ、翌朝、そのなかの靴下に金貨が入っていたといいます。

3人の娘がいる貧しい家に、お金を投げ入れる聖ニコラスの絵(ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ画)。(パブリック・ドメイン)
この言い伝えから、靴下を吊るしてサンタクロースを待つようになったといわれています。
クリスマスのチャーム その3「トナカイ」
サンタクロースの乗るソリをひく動物といえばトナカイですが、もともと聖人ニコラウスは、ロバや馬に乗って子どもたちの家をまわっていたそうです。
しかし、1823年にアメリカで出版された、クレメント・クラーク・ムーア(Clement Clarke Moore)の作品とされる『サンタクロースがきた(A Visit from Saint Nicholas)』(別題『クリスマスの前の晩(Twas the Night Before Christmas)』)という詩のなかに、「みんなが寝静まるクリスマス・イヴの夜に、8頭のトナカイがひく小さなソリに乗った……」というサンタクロースの描写があり、そのサンタクロース像が世界的に広まったことから、それ以降トナカイになったといわれています。

『サンタクロースがきた』の詩が収録された、1912年発行の本。(パブリック・ドメイン)
クリスマスのチャーム その4「クリスマスツリー」
デンマークのある村に不思議な力を持つ木があり、その木にリンゴなどを吊るして祈りを捧げると願いが叶う、という伝説がありました。
その木はやがて、人々からの棒げ物でいっぱいになり、これがツリーのはじまりになったとされています。
クリスマスツリーにはたくさんのクリスマスモチーフが飾られますが、ツリー自体もまたクリスマスモチーフなのです。