タイの首都バンコク近郊に住み始めて10年。いつか日本に帰ろうと思いつつ、タイ人と結婚して、娘も授かったと思ったら、日本に帰るどころか母までタイに呼び寄せて、現在は旦那、娘、母と4人暮らし。
タイ生活でのハプニング、タイの美味しい物、タイの楽しい所などなど、生のタイ情報をお届けします◎
今回は、タイを代表するお祭りのひとつであり、”タイで最も美しいお祭り”と称される「ロイクラトン祭り」についてご紹介しましょう!
「ロイクラトン祭り」とは?

世界遺産「スコータイ歴史公園」で開かれたロイクラトン祭り。タイ北部に位置する街スコータイは、タイ族最初の王朝といわれるスコータイ王朝の都があった場所で、ロイクラトン祭り発祥の地ともいわれています。
タイのお祭りといえば、旧正月に行われる「ソンクラーン祭り」、いわゆる「水かけ祭り」が有名ですが、毎年旧暦の12月(現在の10月か11月)の満月の日に行われる「ロイクラトン祭り」も、それに並ぶお祭りとして、「ソンクラーン祭り」に劣らないにぎわいを見せています。
「ロイクラトン祭り」は農業の収穫に感謝して行われる仏教のお祭りで、バナナの葉っぱなどで作った灯籠を、花やロウソク、お線香などで華やかに飾りつけして川に流し、水の女神コンカーに祈りをささげたり、日頃の罪を謝罪して水に流したりします。
そのため、ロイクラトン祭りが行われるのは、川や公園の池、水路など、水のある場所で行われることになり、タイの至る所で開かれます。
最近では特に、「コムローイ(天燈)」と呼ばれる無数の灯篭が空に舞う、タイ北部の街チェンマイの「イーペン祭り」で世界的に知られるようになりました◎

別名「イーペン祭り」とも呼ばれる、チェンマイのロイクラトン祭りの様子。無数の巨大なランタンが空に舞う様子は、とても幻想的。(gagarych / Shutterstock.com)

チェンマイの「ワット・パン・ターオ」でランタンを掲げる仏教僧たち。(nuwatphoto / Shutterstock.com)
バンコクの「ロイクラトン祭り」

バンコクのチャオプラヤー川沿いで開かれるロイクラトン祭りの様子。川沿いに建つ寺院「ワット・アルン」を中心に、ランタンやレーザー、音楽などが華やかに彩ります。
そして、バンコクの「ロイクラトン祭り」といえば、最も有名なのはやはりチャオプラヤー川沿い。
以前ご紹介したチャオプラヤー川沿いにあるナイトマーケット「アジアティーク・ザ・リバー・フロント」や、川沿いのホテル、またリバークルーズなどでも灯篭流しを楽しむことができます。
このほかには、観光客が集まるバンコクBTS(電車)プロンポン駅のすぐ近くにある「ベンチャ・シリ公園」や、アソーク駅近くにある「ベンチャ・キティ公園」の池でも灯籠を流せます◎
近所の水路が大変身!
↑ 筆者の家の近くで開かれた「ロイクラトン祭り」の様子。勢いをつけて流しやすいよう、水の流れる台で灯篭を流せるようになっていました。(筆者撮影)
そんな「ロイクラトン祭り」、今年2018年は11月22日に開催されたのですが、家の近くの大きな水路で灯篭を流せるということで、筆者も行ってみることに。
ふだんは何の変哲もない水路なのですが、この日だけはきらびやかに飾られて、歩行者天国となった周辺の道路は、地元の人たちで大にぎわい!
さらには花火も打ち上げられたり、大音量で音楽が流れていたりと、いつもの様子からは想像もできないほど大変身していました(笑)

お祭りにあわせ、タイの伝統衣装を着たタイの子どもたちもいました◎(筆者撮影)
豊富すぎる灯篭デザイン

ロイクラトン祭りで流す灯篭づくりの様子。まるでケーキのよう!
筆者もさっそく灯篭を流そうと、道路脇で売られている灯籠を購入しようとしたお店に行ってみたところ、あまりに灯篭の種類がありすぎて、選ぶのに悩んでしまうほど。
しかもその灯籠を売っているお店自体もズラーっと並ぶほどあり、色とりどりの美しい灯籠を眺めているだけでも楽しめました◎
たとえば、バナナの葉や花で作った一般的な灯篭も、花が1つだけというシンプルなものからたくさんの花で彩られた大きなものまで色々あり、20バーツ(約70円)~500バーツ(約1700円)とサイズによって値段もさまざま。
こうした一般的な灯篭に加えて、水中の魚が食べられるようにと、パンやアイスクリームのコーン、お麩のような物で作られている灯篭もあり、そのうえ見た目が人形や動物になっているため、子どもたちも大喜びでした◎

色とりどり、いろんな形の灯篭は、眺めているだけでも楽しめます。(amnat30 / Shutterstock.com)

造花で飾られた線香と、お麩のような素材を使って作られた、動物の形の灯篭。思わず食べたくなってしまいます(笑)(筆者撮影)

女の子が喜びそうな、人形の形の灯篭。ドレスのスカートは、アイスクリームのコーン!(筆者撮影)
そして、ようやく灯篭を選んで水辺に行った筆者ですが、あまりの人の多さに圧倒され、お祈りや罪を謝罪することもすっかり忘れて、ただただ灯籠を流すことに必死になってしまいました(笑)
さすがに信心深いタイ人たちは、きちんとお祈りをしてから流していました◎
水のある場所ならどこでも楽しめる!

祈りをささげながら灯篭を流すタイの人々。(501room / Shutterstock.com)
そんなまさにお祭り騒ぎの「ロイクラトン祭り」の帰りに、家の団地にある池でも灯篭流しができると聞いて立ち寄ってみたのですが、そこでようやく静かに落ち着いて灯籠を流すことができました。
ちなみに、筆者が昔住んでいたコンドミニアムには大きな池があったのですが、そこでも「ロイクラトン祭り」の日には屋台が出たり灯籠を流したりと、コンドミニアム主催のイベントが開かれていました。
「ロイクラトン祭り」の日には、タイ全土、水がある所ならどこでも灯篭流しを楽しめるようです◎