世界各地で行われる「クリスマスパーティー」! スイーツは絶対欠かせないお楽しみです◎
日本でクリスマスといえば、趣向を凝らした「クリスマスケーキ」が主役ですが、ほかの国では違うんです。というか、国によって、全然違ったりもするのです!
今回はイタリア。かの国はケーキではなく、スウィーツな”パン”が主役となります!
01.「パネトーネ(Panettone)」

さまざまなドライフルーツを入れて焼き上げる「パネトーネ」。食べごたえバツグン!
イタリア語で「パネ」が「パン」、「トーネ」が「大きい」で、「パネトーネ(Panettone)」は「大きなパン」という意味。イタリア北部の都市ミラノが発祥とされる、伝統ある菓子パンです。
生地に、レーズンやオレンジピールなどのドライフルーツをたっぷり入れて焼き上げるパネトーネ。古くからの伝統的な形は大きなドーム型ですが、最近はマフィンサイズの小さなタイプもあるようです。

マフィンサイズのパネトーネとパンドーロ。
ちなみにこのパネトーネ、イタリアの自然酵母「パネトーネ種」が使われていないと、「パネトーネ」と名乗ってはいけないといいます。
その理由は、パネトーネ種の扱いには大変な技術が必要で、北イタリアのコモ湖周辺でないと培養が難しいのだとか。
そしてなにより、パネトーネ種は保水性・防腐性・防菌性に優れていることから、できあがったパネトーネは長期保存が可能。上手に保存すれば、数か月はもつそうです。
そんな特別な酵母なので、家庭ではあまり作られなくなってきてしまいましたが、イタリアのクリスマスでは今もなお大定番のスウィーツなのです◎

クリスマスシーズンになると、イタリアのスーパーマーケットにはパネトーネやパンドーロが山積みに!フレーバーもバリエーション豊かです。(Cenz07 / Shutterstock.com)
02.「パンドーロ(Pandoro)」

粉砂糖をふりかけるとさらにクリスマス感がアップする、パンドーロ。
さきほどの「パネトーネ」と並ぶ、イタリアのクリスマスの定番スウィーツが、「パンドーロ(Pandoro)」。「黄金のパン」という意味です(「黄金」の由来は諸説あり)。
八角形の星を縦に延ばした円錐形で、粉砂糖を全体にまぶします。それを縦に切って食べるのが伝統的な食べ方ですが、輪切りにしてちょっとずつズラして積み重ね、「パンドーロタワー」にするのもステキ!

縦に切って食べるのが伝統的な方法。

輪切りにしたパンドーロをズラしながら重ねると、クリスマスツリーのようになります◎
ちなみに、パネトーネとの違いは、”ドライフルーツが入っていない”こと。「パネトーネ種」を使うところは同じで、基準を満たしているものだけが「パンドーロ」と呼ばれます。
プレーンケーキみたいな感じなので、好みのクリームやジャムでバリエーション豊かに食べることができます◎
03.「トッローネ(Torrone)」

さまざまなナッツが入った、硬いタイプのトッローネ。
「トッローネ(Torrone)」とは、溶かした砂糖やハチミツと卵白を混ぜ、アーモンドなどのナッツを絡めたヌガーのこと。イタリア全土で食べられるポピュラーなお菓子ですが、クリスマス時期になると俄然、存在感を出してくるお菓子です。
地域によって作り方は違い、かたーいトッローネもあれば、やわらかいトッローネもあります。

ベリーのドライフルーツを加えてアレンジした、やわらかいタイプのトッローネ。
なかでもトッローネで有名なのが、北イタリアにある都市クレモナ。クレモナの貴族の結婚式に出されたのがトッローネの始まりと言われています。
その後、クレモナからミラノに贈られたりして、イタリア各地に広まっていったようです。

クリスマスシーズンのお菓子屋さんに並ぶ、たくさんのトッローネ。