世界各地で行われる「クリスマスパーティー」! スイーツは絶対欠かせないお楽しみです◎
日本でクリスマスといえば、趣向を凝らした「クリスマスケーキ」が主役ですが、ほかの国では違うんです。というか、国によって、全然違ったりもするのです!
今回はポルトガル! ポルトガル国民のほとんどがカトリックですので、クリスマスは本当に大切な行事。そして、ポルトガルはじつはスイーツ王国でもあります。
キリスト教の布教とともに、「カステラ」や「金平糖」などなどが、ポルトガルから日本に伝わりました◎
01.「ボーロ・レイ(Bolo rei)」

ドライフルーツがたっぷり入った、カラフルなボーロ・レイ。
ポルトガルのクリスマスに絶対なくてはならないクリスマススイーツといえば、「ボーロ・レイ(Bolo rei)」!
ポルトガル語で「王様のケーキ」という意味で、赤や緑が鮮やかなドレンチェリーと、アンゼリカなどの砂糖漬のフルーツやナッツが表面に飾られた、王冠のように華やかなスイーツパンです。
パン生地自体にも、砂糖漬けのフルーツがたくさん練り込まれていて、食べごたえもじゅうぶん!
昔は、ボーロ・レイの中に「ブリンデ(BRINDE)」と呼ばれる陶器や金属のオモチャとソラマメが入っていて、”オモチャならアタリ、ソラマメならハズレ”、という遊びもあったそうです◎

ボーロ・レイの中に入れられる、陶器のブリンデ。可愛い◎

半分にカットして、間に生クリームを挟んだタイプも。

ポルトガルの都市オリョンでは、毎年シェフが巨大なボーロ・レイを作り、最後に街の人々に配るという一大イベントがある。(Mauro Rodrigues / Shutterstock.com)
02.「フィオス・デ・オヴォシュ(Fios de ovos)」
↑ まさに鶏卵素麺!
福岡の銘菓「鶏卵素麺(けいらんそうめん)」のご先祖様が、この「フィオス・デ・オヴォシュ(Fios de ovos)」。
訳すと「卵の糸」という意味で、砂糖を加えた卵黄を細く垂らしながら、沸騰した糖蜜でゆで上げます……。ので、とてもとても甘~いお菓子になります!
ポルトガルでは、結婚式などクリスマス以外のお祝い事のときにも食べられますが、ケーキやパンのトッピングとしてもメジャーな存在です。
フィオス・デ・オヴォシュは、貿易によって日本だけでなくアジア各国にも伝わりました。タイでは「フォーイ・トーン(金の糸)」と呼ばれ、縁起菓子として広まっています◎
↑ ケーキのトッピングとして使われたフィオス・デ・オヴォシュ。
03.「フィーリョス(Filhós)」

平たいドーナツのようなフィーリョス。確かに、がんもどきっぽく見える。
小麦粉と卵を混ぜて揚げたのが、「フィーリョス(Filhós)」。最後にシナモンシュガーをまぶして食べる、ドーナツのようなクリスマススイーツです。
じつはこちら、「がんもどき」の別名である「飛龍頭(ひりゅうず)」の語源。16世紀にポルトガルから長崎に伝わり、関西へと広がる過程で、”がんもどきと見た目が似ている!”と認識され……。
その結果、がんもどきの呼び名が「フィーリョス」~「フィリオース」~「フィロウス」……「ひろうす」~「ひりょうす」~「飛龍頭(ひりゅうず)」となったと言われています。
江戸時代には、モチ粉を揚げて砂糖をまぶした「飛龍頭(飛龍子)」というお菓子もあったそう。
名前の由来や伝播の仕方はいまだに不明ですが、ポルトガルの特別なお祝い菓子・フィーリョスが日本に伝わったのが始まりなのは、間違いないようです◎

形にいろんなバリエーションがあるフィーリョス。こちらは生地を薄く伸ばして花のような形にしたもの。