世界には、国や地域、民族、宗教などに由来する、たくさんのお守りがあります。
多くは幸運のお守りで、金運や恋愛などに特化したお守りも見られます。
その中でも、今回は「魔除け」としての働きが大きいアイテムやノウハウを、ピックアップ。
目に見えない悪を退ける、さまざまな魔除けたちをご紹介します◎
今回は日本! 区切りの時である年越し~お正月にかけては、特別な魔除けやお祓い法が見られます。
1.「冬至」

冬至にはカピバラも柚子湯でリラックス◎
「冬至」は、1年で昼がいちばん短く、夜がいちばん長い日。
毎年12月22日前後となります。この冬至を境に昼が長くなり始め、新しい循環が始まります。自然界では、冬至が新年といえる日なのです。
ところで、闇に包まれる夜は「魔」がたくさん出てくる時間帯であり、魔がやって来ると思われていました。冬至は夜がいちばん長い日なので、魔も出やすいとき。
そんな夜に対抗するのは、「太陽」。
冬至の夜にお風呂にユズ(柚子)を浮かべる「柚子湯」や、カボチャを食べる「冬至カボチャ」は、太陽の色である黄色のユズやカボチャを食べて、魔を祓っているのです。
また、同じく魔除けの色である赤い食材のアズキ(小豆)とカボチャを一緒に煮た「いとこ煮」も食されます。
このほかには、コンニャクを食べる地方も。お腹の中を掃除してくれるコンニャクは、”食べるお祓い”。スッキリと魔を払ってくれるでしょう◎
そして、この冬至を越えると、日本は一気に年越しムードを迎えます。
2.「大掃除」

玄関の盛り塩。
1年分のホコリには、「魔」も付いています。普段の掃除では取り切れていないところが要注意!
年末の大掃除は日本の風物詩でもあり、物理的な掃除と一緒に、塩や酒をまいてお清めも行います。
なかでも、魔除け効果抜群なのが「盛り塩」。玄関や部屋の隅に魔除けの塩を盛って、家の中に魔が入ってこないようにするのです。
盛り塩の効果は1カ月ほどと言われ、崩れてきたら新しい塩に替えるのがオススメ。小さなお皿に水を含ませながら盛ると、うまくいきます◎
3. 年越しの「大祓(おおはらえ)」
今年の厄は今年のうちに祓っておいて、すっきりとした心と体で新年を迎えたいもの。大掃除も大事ですが、神社で行う「大祓(おおはらえ)」も大事な行事です。
大祓とは、6月と12月の年に2度行うもので、6月は「夏越しの大祓」、12月は「年越の大祓」と呼ばれます。
魔を祓い、罪を清めるためのお参りで、「人形(ひとがた)」と呼ばれる人の形を模した紙に魔や罪を移して焼く、「お焚き上げ」をして祓います。
4.「注連飾り(しめかざり)」と「注連縄(しめなわ)」

神社の注連縄(しめなわ)。
神社の本殿などに張られている「注連縄(しめなわ)」は、”ここから先は神聖な場所である”という目印であり、「魔」が入ってこないように結界を張る役割を果たしています。
そして、「歳神様」を自宅にお迎えするお正月には、”注連縄を普通の家庭でも”と、簡易的に作られたのが「注連飾り(しめかざり)」。

お正月の注連飾り(しめかざり)。
注連飾りは、小さい注連縄と、シダの一種である「裏白(ウラジロ)」、ミカンの一種の「橙(ダイダイ)」などで作られます。
そして、29日と31日以外の日に飾り、「門松」などのお正月の松飾りを飾る元旦〜7日(15日)までの「松の内」を過ぎたらはずします。
5.「破魔矢(はまや)」

破魔矢。
年が明けて初めて神社に参拝する「初詣」の際、神社から授けてもらうことが多い「破魔矢(はまや)」。読んで字のごとく、”魔を破る矢”で、魔除けに効果がある縁起物です。
お正月ならではの存在のようになっていますが、じつはいつ授けていただいても良いもの。それでもやはり、これから1年間の魔除け祈願には、初詣の破魔矢がいちばんということになるでしょう。
ちなみに、破魔矢を飾るときは、矢先を上に向けてはいけません。「上」は「天国」を意味し、神様がいる場所だからです。そして、その年の「凶の方角」に飾れば、魔除け効果抜群と言われています。
できれば、目線よりも高い所に飾りましょう◎