世界中にたくさん存在する、幸運のしるし『ラッキーチャーム』。特に、生活に密着している野菜や果物、お花などの植物には、幸運を意味する伝説や歴史・風習を持つラッキーチャームが多く見られます。
そんなラッキープラントのなかから今回は、「小さな赤い実」である“ナナカマド(七竈)&ナンテン(南天)”をご紹介します。
「赤い実」の縁起
「赤い実」と聞いてパッと思い浮かぶのは、「リンゴ」ではないでしょうか? リンゴは神話や歴史のなかにも多く登場するラッキープラント。「赤い実」には、”特別な何か”があるのです◎
そんなリンゴが小さくたくさん実ったようなイメージの「ナナカマド(七竈)」や「ナンテン(南天)」も、やはりラッキーや縁起の逸話をたくさん持っています。
「ナナカマド(七竈)」のラッキー

ナナカマドの葉と実。英名の「ローワン(Rowan)」は、北欧の言葉で「魔除け」を意味する「Runa」に由来しているんだとか。
「ナナカマド(七竈)」はとっても堅い木で、”カミナリが落ちてもビクともしないし、7回かまど(竈)に入れても燃えない”というのが、名前の由来です。
英語では「ローワン(Rowan)」と呼ばれ、日本でも西洋でも、カミナリ除けや火事除け、そして全般的な魔除けの木とされてきました。
また、ナナカマドは寒さにも強く、雪の中でも赤い実をつけ続けます。食料の少ない冬、鳥たちの格好のごはんにもなりますが、人間もジャムなどにしてナナカマドの実を楽しむことができます。
ちなみにケルト神話では、”ナナカマドの実を食べれば若返る”という言い伝えもあるそう◎

紅葉したナナカマド。真っ赤な実は鳥たちの大好物!

ナナカマドの実で作ったジャムは、独特の苦い風味が特徴。
「ナンテン(南天)」のラッキー

ナンテンの葉と実。葉の形が、ナナカマドとの大きな違い。
「ナンテン(南天)」の実の赤は、縁起が良く魔を除ける特別な色です。さらに、「ナンテン=難を転じる」ということで、縁起は倍増! 日本のお正月飾りや、お正月の生け花などに使われます。
その魔除けの効果から、悪夢除けとしても頼られてきました。悪い夢を見たらナンテンの実に夢の内容を話せば祓ってくれ、悪夢を見ないようにしたいなら枕の下にナンテンの葉を入れるとよいそうです◎
そして、お赤飯に飾られている葉っぱ、見たことがあるでしょうか? じつは、あれはナンテンの葉。縁起を担ぐという理由もありますが、抗菌作用に優れているからという薬用的な理由もあるのです。

お赤飯の飾りとして使われる、ナンテンの葉。
そんなナンテンの抗菌作用を知ってか知らずか、昔の人たちはトイレの近くにナンテンを植えて、用を足した後にナンテンの葉で手を拭き洗いしていたとか……。その名残りで、昔ながらの日本家屋にはナンテンの木が1本はあったものです◎
また、ナンテンの実の方には咳止めという薬用効果も。ノドのいたみには、「ナンテンのど飴」をぜひ!

日本家屋に欠かせない、ナンテンの木。
まだまだある「小さな赤い実」のラッキー

センリョウの葉と実。葉先がギザギザしているのが特徴。
ナナカマドやナンテンと似ているのが、「センリョウ(千両)」。
センリョウはセンリョウ科の小さな木で、”赤い丸い実は縁起が良く、値千金である”としてこの名がつけられました。
そしてなんと、千両にとどまらず、種は違いますが万両・百両・十両・一両とあります! それぞれ付ける実の数によって名前が変わります。

チェッカーベリー。和名では「ヒメコウジ(姫柑子)」などと呼ばれ、丸みのある葉が特徴。
また、欧米で身近なのは、「チェッカーベリー」。
チェッカーベリーの花言葉は、「明日の幸福」と「不老長寿」で、別名「ラッキーベリー」とも呼ばれ、クリスマスの飾りつけによく登場します◎
「ナナカマド」のパワーをもらいに行こう!

真っ白い雪に赤い実が映える、札幌のナナカマド。
寒さに強いナナカマド。北海道では街路樹としてとってもメジャーです。札幌では、いちばん本数の多い街路樹がこのナナカマドなんだとか。
真冬の札幌に映える真っ赤なナナカマドの実は、とても壮観です◎ ということで札幌観光の際は、ぜひ街路樹にも目を配ってみて。鳥に食べられちゃう前に!