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【世界の魔除け #9】日本〜節分編 その1「豆まき」〜

世界には、地域民族宗教などに由来する、たくさんのお守りがあります。多くは幸運のお守りで、金運や恋愛などに特化したお守りも見られます。

そのなかでも、このシリーズでは「魔除け」としての働きが大きいアイテムやノウハウを、ピックアップ! 目に見えない悪を退ける、さまざまな魔除けたちをご紹介します◎

今回は、日本の「節分」をピックアップ。毎年2月3日の節分には、国を挙げての魔除け&厄払いが行われます。

まず【その1】では、「豆まき」についてご紹介しましょう◎

そもそも「節分」とは?

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京都・北野天満宮の「節分祭」で行なわれる豆まきの様子。(beeboys / Shutterstock.com)

「節分」とは、その字の通り『季節を分ける』こと。

ということでじつは、立春・立夏・立秋・立冬の前の日はすべて節分になるのですが、現在では「節分=2月4日の立春前日」のことを指すようになりました。

冬と春の分かれ目であることと、2月は旧暦で年末(新年)にあたることが多いので、2月3日の節分だけが残ったと思われます。

「豆まき」の由来

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『吉田神社追儺』 – 都年中行事画帖(1928年)。(パブリック・ドメイン)

節分といえば、「豆まき」。豆まきは、その年の天候を占う「豆占い」と、厄である鬼を追いはらう、「追儺(ついな、鬼やらい)」という行事に由来しています。「追儺」は、平安時代に中国から伝わりました。当時は、宮中で定められた官職の者が鬼役の者を追っていたのですが、それがしだいに一般に普及し、現在の形になったのだそう。

多くの寺社では、今でも2月に「追儺式」という行事を行います。

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現代の「追儺式」の様子。(MyPixelDiaries / Shutterstock.com)

魔除けアイテム「豆」

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「豆まき」に欠かせない、炒った大豆!

「豆」は、「魔滅」と当て字がされ、古くから魔除けの効果があると言われてきました。また、「魔眼」という当て字もあり、「魔物の眼」、すなわち「鬼そのもの」でもあるんだそうです。

外に向かって豆をまくのは、鬼にぶつけて追い出す意味と、鬼である豆自体も追いはらう意味の2つがあるのです。

そして、まく豆に使うのは、「炒った大豆」。「炒る」は「射る」につながり、さらに「鬼を射る」につながります。また、生の大豆だと、拾いそびれた豆から芽が出ることがあり、それは縁起が悪いとされています。

「豆まき」の作法

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鬼役にはお父さんが指名されがち。

伝統的には豆をまく人にも決まりがあって、その年の年男・年女、または家の主人が担当します。

そして、まく豆の数は各部屋ごとに3粒ほど。

部屋の扉や窓を開け、外に向かって「鬼は外」と言いながら2回。さらに部屋の中に向かって「福は内」と言いながら2回。まき終わったら窓を閉めて、福を閉じ込めましょう!

豆をまき終わったら、年の数+1粒の豆を食べます。「+1粒」は、「新しい年・季節に越す」という意味合いからきています。

これで、「これから1年は病気にならない」と言われています◎ また一方で、鬼である豆を食べてやっつけてしまうという意味も。

ちなみに、まいた豆を拾って食べるという方も多いかもしれませんが、基本的にまいた豆は神様へのお供え物なので、拾って食べない方がいいでしょう!

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