日本の大学を卒業後、アメリカの短大でホスピタリティを学び、現在はアジアの航空会社でキャビンアテンダント(CA、客室乗務員)としてお仕事中の筆者が、日々のフライトで経験した、CAならではのウラ話をお届けしていきます◎
今回は、「キャビンアテンダントはフライト後、どんなふうに過ごすのか?」ということについてお話ししたいと思います!
キャビンアテンダントの「オン」と「オフ」

CAの私生活って、謎に包まれていて気になる!
皆さんも、仕事から解放されると「オフモード」に入りますよね? 仕事の内容によっては、残業があったり自宅に持ち帰ったりと、キリよく切り替えができないこともあるかもしれませんが、少なくともリラックスはできると思います。
そしてキャビンアテンダントはというと、1回のフライトごとに仕事がスパッと終わるので、「オン」と「オフ」の切り替えが簡単にできるのが良い所。
たとえば機内で発生したお客様のクレームなども、到着後は各空港の地上係員が引き継いで対応してくれるため、キャビンアテンダントが引き続いて対応することはまずありません。
こういう仕事だからということもありますが、特に筆者が勤務するアジア系航空会社の本国人クルーは、フライトが終わって自分の国に着くと、あっという間にオフモードに入ります。
自国に着いたらすぐさま「オフモード」!

長時間の仕事の後は、一刻も早くくつろぎたいもの。
筆者が現在の航空会社に入社して、初フライトをしたときのこと。初めてのフライトなので色々と分からないこともあり、本国人クルーがとても優しく教えてくれました。
そして無事にフライトが終わって空港に着き、初仕事を終えたことで安堵の気持ちを噛みしめていた筆者は、よくしてくれたクルーにお礼を言おうと思い周りを見渡してみたのですが、もうすでに帰宅した様子……。
日本の航空会社の場合だと、フライト後に「デブリーフィング」というミーティングがあるのですが、筆者の航空会社にはこうしたミーティングもないため、空港に着くとすぐに自由行動になります。
たとえば、化粧室に行く人や買い物に行く人、すぐ帰宅する人など、人それぞれ。
筆者としては、フライトで一緒に仕事をしてせっかく仲良くなったんだから、別れる前にちょっとした会話でもするのが普通だと思っていたので、この淡白なお別れにはビックリしてしまいました。
今ではもうこの別れ方に慣れ、最後の会話のタイミングも分かって寂しいとは思いませんが、それでも始めの頃は少し名残惜しかったです。
フライト先の国ではある意味「オンモード」に!

キャリーケースはショッピング用!?
自国へのフライトではこんなにすぐオフモードになってしまう本国人クルーですが、フライト先の国に到着して仕事が終わる際は、「オフ」というよりもある意味スイッチが「オン」になります。
フライト中から「どこに行こう?」「何を食べよう?」などなど、到着後の過ごし方について話している会話が色んなとこから聞こえてきます(笑)
そしてステイ先のホテルに到着したら、個人やグループで食や買い物を楽しんでいるようです。
日本は大人気のフライト先◎

日本は買い物&食のパラダイス!(ESB Professional / Shutterstock.com)
特に、日本は本国人クルーにとってはお気に入りのフライト先で、彼らにとってのメインはもはやフライトではなく、フライト先のステイになっているような印象(笑)
たとえば日本のステイ中、筆者は1食しか食べる時間がなかったとしても、本国人クルーたちは、ラーメンやお寿司、焼肉などなど、2~3食制覇している人もザラにいます。
また、筆者が現在の会社に入る以前、キャビンアテンダントにはスタスタとカッコよく空港を歩くイメージを持っていたのですが、実際にはそのイメージとは程遠く、日本から帰ってきた本国人クルーたちは、買い込んだ物でパンパンに膨れ上がったバッグを引きずりながら歩いています(笑)
そのぐらい、みんなスイッチをオンにして日本滞在を楽しんでいるので、日本人としてはうれしい限りですね◎
キャビンアテンダントは切り替えの早さが大事!

過酷な仕事で体調をキープするには、「オフ」が大事!(Sorbis / Shutterstock.com)
このように、本国人クルーの「オン」と「オフ」の切り替えの早さは、いつ見ても感心してしまいます。
一見華やかに見えるキャビンアテンダントの仕事ですが、じっさいには深夜に働いたり時差ボケと戦ったりと、勤務中は身体的にもかなりハードな仕事。
そのため、みんな「オン」と「オフ」を素早く切り替えることでリラックスできる時間を精いっぱい楽しみ、心身共に調整しているんだろうなと思います◎